”浮世絵名品展”と謳われてはいますが
今年没後150年の歌川広重を中心に、その頃の歌川派を紹介する企画展です。
広重と言えば『東海道五十三次』!
入ってまず目に飛び込んで来るのは、ズラリと並ぶ55枚揃の内の30枚の風景画。
こう見渡すと単調な色彩の連続で、「どれも一緒じゃん。」とか思ってしまうんだけど
1枚1枚見ていくと、やっぱりそれぞれ全く別の絵なんだよなぁ。
なんつーか、直線と曲線そして余白のなかで木々や山々が立派に主張していて。
さてさて「日本橋」から始まってアノ見たことある「箱根」「蒲原」「庄野」は、っと…
「ない、ない、なぁーーーーい!!」
そこら辺の展示もあれば、チラシもカラーだったんでしょうか?(↑泣)
もちろん、そんなの無くたって十分楽しめたし
実際、自分はここからかなりの時間を費やしてしまうんだけど。
次に展示されてるのは『忠臣蔵』16枚揃。
仮名手本をモトにしているものの、芝居絵としてではなくフツーに実景として描かれています。
それでも、大詰討入りは派手になってるんだけど
自分の足を止めるのは
『五段目』の山中の隅っこに小さく描かれている定九朗と与一兵衛だったり
『七段目』のお座敷で楽しそうに飲んでる大星の表情だったりするのです。
自分の鑑賞の仕方も、ずいぶん変わったよなぁ~。
そして広重と同時代のライバル、国貞と国芳の展示へ。
国芳の『小倉擬百人一首』の相模は
【彦山権現誓助剱】の京極内匠におきくが返討ちを喰らう【毛谷村】の前の場が描かれてます。
「観たことないなぁ~、観たいなぁ~。」
なんて、昔の人が『五十三次』の風景画見て
行ったことのない土地へ憧れ、楽しんでたのが少しわかった気分です(笑)
そしてそして、その後に控えしは我等が芳年!
「次世代の絵師たち」ってかたちで、重宣・貞秀らと紹介されています。
展示は『和漢百物語』のなかの5枚。うん、満足、満足。
だけど、芳艶出すんだったら暁斎も~。
って、そりゃ欲張りかな。