大好きだ!こういうの。
純粋を追い求めるがゆえ、紛れ込んでしまった屈折した世界。
そんな世界だからこそ見えるホントウの事。って感じ?
雛形を拾った。
何の雛形かというと、簡単に言ってしまえば男の雛形である。
・・・・・・・生きている。
川上弘美さんの小説の舞台化。読んだことないけども…(汗)
ゆき子は少し周りから取り残されたOL。どこか冷静で、感情も控えめなおっとりした口調。
ゆき子には本城という恋人がいるけど、用意されていない言葉を機械のようにただ並べるだけの
この男との会話はいつもぎくしゃくしている。そんな関係。
”どうぞ持っていって下さい。キケンはありません。”
ある日、ゆき子は公園で腕にそう書かれた雛形を拾い、育てることにする。
まるで何かに追いつけと言わんばかりに急速に知識を吸収する雛形に、ゆき子は三郎と名付け
そして、2人は何かに気付かされる。
やがて、三郎はゆき子の年齢を追い越すほどにまで成長し―
『読まなくなった雑誌は回収されてリサイクルされる仕組みなの。』
『いらなくなったものは、捨てられる…。』
会って間もないゆき子と雛形が交わした会話。
「ただ維持するためだけの時間」と「ぎゅうぎゅうに詰め込んだ濃密な瞬間」。
どちらにしても終わるが来ることには違いないんだけど
本気で全うした時間や出来事は、役目の終えたモノのように処理できるんだろか?
幸か不幸か、そんな時間を過ごした事のない自分には分かるはずもなく
ただ、奥深くを見つめ笑みを浮かべたゆき子を見て、ふと思い、少し羨ましく感じました。
人間らしさってどんなんでしょね?
その人の魅力っていうのは、自然と滲み出てくるその人らしさ。うん、その通り!
カッコよく見られたいとか、綺麗に見られたいとか不純に思ってる時点でアウト~なんだろうけど
思ってなくてもね、ある意味これも自然にでてきちゃうもんなんだよ。(泣)
弱いよなぁ~。
『明日の長さはどれくらいかな?』
とても静かに流れるこの芝居。
物語は、知らないところで始まっているのかもしれませんねぇ。
―なんてね(笑)