失踪した妻を捜しに来た男とその後輩。
そして、どこかここの地理に詳しく何故かこの2人の男に親しげな少女。
普通の人間ならとても足を踏み入れない何処かの森のずっと奥。
目の前には、何処に繋がっているかも判らない入口が地面にぽっかり口を開けてる。
『すごい月だなぁ、吸込まれそうだよ。』
実は、無数に存在する地面の穴。
その先にはいろいろな理由から世の中の眼を避けたい人達が
そこの主として君臨する女の秩序に従って住んでいた。
そして、その中に住人として服従する妻の姿を見つける。
『月の裏側は見ることができないんだって。』
やがて、それぞれの思惑は入乱れそれぞれの結末を向かえる。
誰からも知られない場所で起きた、ある満月の夜の一夜の出来事。
うわっ!森だ。劇場が森になってる。
コの字に配置された客席の足元までビッシリ敷詰められた樹皮の木片に
天井を突き貫けるかのごとく生える木々と茂る葉っぱ。
場面ごとにそこから漏れる月の光の色合いが変化してキレイだぁ~。ここまでヤルかぁ~。
おかげで、自分自身も探検してるみたいで楽しかったけど(笑)
そんな中描かれているのは、己の幸せのために欲情した人達の姿。
家庭とか権力とか逃避とか愛とか、応援したい幸せとしたくない幸せの数々。
だけど、それって人が抱えてる影の部分の裏返しだったりする。
そうだよなぁ、どんなに親しい間でも打明けられない事ってあるもんなぁ。
それを言わない方が得策!なんて場面いくらでもあるしさ。
もしかしたら、知らないうちに感情とか世間体とかをうまくコントロールして(されて?)生きてる
なんて思ったら、ちと怖くなったり。
バランスよく均衡がとれればいいのにな。
地球と月の関係のように…。
…って、何となく思った。
ちょっと登場人物が多くて、物語の芯の部分がぼやけた感があったかなぁ。
いろんな視点から見れて面白いってところまでは…う~ん。
とか、思っちゃいました(汗)。