とりあえず頭ん中ぐちゃぐちゃに引っ掻き回されてどーなることか、と思ったけど…
降り続ける雨。
街は水面のなかに消え、唯一残った丘の上の屋敷に非難してきた人々と、その住人。
壁紙は剥がれまくりどこか疲れた感じの洋館。墨で書かれた一枚の貼り紙。
『思イ出ス ベカラズ』
まるで誰かの記憶の螺旋に紛れ込んでしまったかのように浴びせかけられる歪な光景。
娘をさがす両親、猫をさがす娘、駆けつけた二人の市役所の男、カーテンを開けると画面いっぱい
のお釈迦様、妹を孕ませた幼なじみ、ブツブツ言いながら通り過ぎる老いた兄弟、猫をさがす娘、
銃を構える男、駆けつけた二人の区役所の男、兄の隠したものをさがす三男。娘をさがす両親、外
から人間を拾ってきた男、カーテンを開けると何もない、猫の飼主、通り過ぎる兄弟…
「それ、ついさっき聞いた!」
「それ、ついさっき見た!」
同じ人物。同じ光景。時計の針が絶え間なく巻き戻され、進むことを知らない双六の駒のよう。
やがて、どこかゆっくりと変化を見せ始め-見えるモノ、見えないモノ。存在するモノ。
『思イ出 ステルベカラズ』
むかしむかしの、どこかの星のどこかの国の遠い記憶。
人は死ぬ間際、自分の記憶が走馬灯のように駆け巡るって聞くけど、こんな風なんだろか?
これで予行練習できたし、ばっちりだ(笑)
に、してはあまりにも悲しすぎて、繰り返される愚行の記憶。
これが人類の記憶だとしたら…そういえば、人類の歴史のキレイな記憶って何だぁ。
そんな人間どもを、いつも暖かい目で見守ってくれるのはお釈迦様とか神様たち。
でも考えてみたら…いやいや、これ以上は問題発言と受止められそうなのでヤメとこ。
まぁ、こんな戯言無視して頂いて
なんと言っても、奇才・天野天街さんの演出っ!!
どっぷり浸って、這出ることなんてできませんよ(笑)
この方の頭ん中って、いったいどうなってんだろか。
少年王者舘、今年は関東の公演はないそうでガッカリっす(泣)
―『双葉のレッスン』
最後の最後でその意味がわかりました。
なんと切ないダンスだろう…