臭いものに蓋をする。
それなのに、せっかくした蓋を丁寧に外して
人間の見たくない部分をエグり「さぁ、どうぞ。」って差出された感じ。
でも、現実どっかで出くわした事のあるような身近な場面。
…でろ~んと寄り掛かってくるっ。
世間一般なんて言うけれど、他人から見たら自分もただの世間一般の一人にすぎないのよね。
所詮、騙し騙しで大きな流れに乗っかているだけかもね。
『ちょっとの嘘で円滑に事は進む。』
戦争の記憶も新しい夏の日。
我が強いため世間にはまるで知られていない画家の、ひっそり行われた結婚の宴。
その席でそれぞれ担当を持つ作家たちと、その画家の才能を認めている画商
そして、有名な画家を親に持つ作家を志す男が知り合う。
いわゆる芸術家と呼ばれる人達とその周囲の人々。芸術家の哲学、それぞれの哲学。
やがて、画家の絵が大手化粧品のポスターに採用されることにより、その構図が崩れ始める。
疑念とか妬心とか信念。葛藤とか絶望とか。
ひとつの結末を向かえ、華燭の典で本当の祝福をうける者は―
…「強さ」ってなんだろう?
太宰治が晩年を過ごした三鷹市が開催している「太宰治作品をモチーフとした演劇」の第5回目。
恥ずかしながら、自分が生きてきた中でこの名前を本気で見たのは
「(問)次の人物と関連する事項を、下記の選択肢より選べ。」って時だけ。
ヤバイよな。さすがに(汗)
と思って、ウィキペディアで、行き当たりバッタリの知識をもって観劇しました。
良かったです。読んどいて、良かったです!
特に後半、「おぉ、なるほど!」と思えたりして、こんな自分でも楽しさ倍増しました。
今回の作品は、太宰治の中期から後期の作品をモチーフにしているようです。
その辺も読んでおけば、もっともっと楽しめたんだろうなぁ。
と、少し後悔(笑)