〈作〉 蓬莱竜太
〈演出〉 栗山民也
秋山菜津子
中村たつ
魏 涼子
前田亜季
黒沢ともよ
三田和代
山が燃え、次第に太鼓を打つ音が大きく聞こえはじめる。
血も沸立ちそうな赤の筋が劇場内を通り過ぎ、それに同調するかのごとく蠢く鼓動。
圧巻です!!身震いが止まりません。
やがて訪れる静寂。そして、まるで何かを包み込むようなやさしい言葉。
すぅ~と、吐息混じりの感動が全身から抜けていきます。
正直最初は「なんじゃ、こりゃ。」と思った↑のチラシも、いまはとても素敵に思います。
あらすじすら読まないで「見たい!」と思ったのは、蓬莱さんの作品だったからだけど
「男なのに」というか「男ならでは」というか、…ただただ慄きました。
『妊娠はめでたい事なんだけどねぇ。』
これって、とても難しい問題だと思う。
だからと言って、話が重々しく進むって事はなく、めちゃめちゃ笑かしてもらいました!
よくぞそこまで、と思ってしまう程いろいろ抱えた
まさにその世代の代表者って感じの6人の女性が、とある田舎のフツーの家に集結。
結婚寸前で別れてしまい東京からひょっこり戻ってきた40過ぎの娘。
それでは本家の血が絶えてしまう、と焦り急かす母親。
それを横目に、誰が父親かも分からない子を産んだ自由奔放な妹。
その子もまた妻子持ちの男の子供を身ごもってしまい東京から戻ってきて―
「産む」とか「産まない」とか、そして「産めない」とか。
世代も価値観も違うし、ましてそれぞれの事情を考えればどれも正解に聞こえてくる
なんて思っていたら、戦争を体験した最年長のおばあちゃんの呟き。
『私たちの世代はね。みんな本当に心配したのよ。大きな雲が見えたときは。』
…。
「命」の尊さはいつの時代も変わらないんだろうけど、重さで言えばひょっとしたら~
って、何だか最近、小賢しいことばっか書いてるような気がするなぁ、自分(汗)
そんな自分も所詮は男。女性の偉大さにはどう足掻いてもかなわない訳です。
まほろば。
―の意味を知らなくて(恥)、観劇後家に帰ってさっそく調べてその意味が分かったとき
さらに込み上げてくるがありました。
『あなたがどうしたいか。―それだけ。』
祭りを今宵に控えた、ある田舎町の6人の女の一日。