大きいな。
きれいだな。
年年有魚さん。自分は初見になる演劇ユニットのギャラリー公演。
前公演のチラシ撮影を担当された平田裕子さんの写真展とのコラボ。
少し早めに着いて、まずは『Rwanda Africa この空の下で』を鑑賞。
アフリカの写真ってことだから、きっと
圧倒的な大自然を前にすると、人間なんてちっぽけなもんだよね
みたいなことなんだろうなぁ、と思っていたらぁ…茫然。
無造作に陳列する頭蓋骨たち。
黒く変色した血糊を残す壁に囲まれて、ひっそりと立つマリア像。
点々とまるで星のように光る天井の穴は多分弾痕。
94年のルワンダ虐殺の痕跡の記録。
現在も色褪せることなく、それは生々しくて。
知らなかった…。
もう一度見てみる。
やっぱり、そこにあるのはただ大きくてきれいな空。
そんな悲しみや希望を訴える写真たちに囲まれてのお芝居は
うれしい1ドリンクサービス付。写真展に来られたお客さん皆さんに差上げられてました。
ルワンダコーヒー、旨かったッス!!ごちそうさまでした。
個展の主催者がいないまま、暇をもてあそぶ妹・律子と由子の知人・友美。
OLが趣味程度に撮った写真展に客が来るはずもなく、見られることのない作品が並ぶギャラリー。
『カニは入れないで。』
そう言って、姉の由子は会社からのケータイに呼び出されて行ってしまった。
やがてひっそりと、ドタバタと客たちが訪れてくる。さっきまでの静けさが嘘のよう。
だけど、純粋に写真を見に来た客はカニ君ただ1人。
どれもこれも、招かねざる客ばかり。そんな中、由子が戻ってきて-。
ほんの小さな空間で見知らぬ者同士が出会い、数分だけ心を開き、また他人に戻る。
ひとりになった律子。
片隅の椅子に座りガラス越しに空を見つめ、少しだけ息を止めて零れた涙の理由。
おもろかった!
ギャラリーとかカフェ公演って何度か見たことあるけど
こんなにもフル活用した芝居は見たことないかもっ!
『間違ってドトール入っちゃったぁ。』『コンビニでビール買って来ました。』
どこもかしこもココ新宿眼科画廊から半径30mくらいにあるお店ばかり。
極めつけはサブウェイの制服着て、追っ手から逃げまどうバイトの女の子。
『そこのサブウェイ、店員いなくて店として全く機能してないよ。店長も何かブッ倒れてて。』
『じゃあ、ボク手伝ってきます。』何ができるのだろう、カニ君。
出たり入ったり、今現在ホントに起きてるみたい。好きだぁ、こういうの。
そして何より写真展とのコラボ。
平田さんと作・演出の森下雄樹さんからのメッセージしっかり受け取りました!
大きなメッセージにはここでは触れないでおくとして。
何だろう、うまく言えませんが…
自分もそうだけど、人って知らず知らずのうちに人との間に境界線を引いちゃうもの。
「性格的にね」とか「見かけがさぁ」とか
あるいは気遣いだったり毛嫌いだったり世間体だったりするのかも。
だけど、特別な誰からでもない相手と交わした会話から生まれた言葉がチカラになったりもする。
もしかしたら、その境界線は国境なんかより厄介な溝なのかもしれないのかなぁ。
地平線って見てみたい。
なんか、そう思った。