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絨毯屋へようこそ  トルコの絨毯屋のお仕事記

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mihri

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2005年10月05日
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世の中が変わった、人が変わった・・・・って、朝、アドナンと話をした。
というのも、断食月になって、こんなに周囲を気にしないで飲食できる自由、自由に飲食しているトルコ人たちの姿を見て思ったことなんだけど。

私は実はカレイチっ子である。トルコ生活のほとんどをカレイチですごしてきた。
不夜城の華やかな観光地時代から、観光業不振で店やペンションが次々と閉まったいった時期、ホテルや有名店の栄枯、夜中の酔っ払いの喧嘩、発砲事件、殺人事件まで・・・・見てきた。

カレイチというのはアンタルヤの旧市街地で、城壁に囲まれた地域のこと。
以前は普通の住宅があったらしいけど、今ではホテル、レストラン、ショップなどがあって、観光客が歩くところ。

アンタルヤへ来て、ここで(しかも店を3回移転したけど同じ通りだし)商売して10年。そのうち住居もカレイチ内だった時期が6、7年ある。

朝も昼も夜も夜中も・・・わずか10年の間だけど、カレイチの変貌を見てきた(つもり)。

そのなかで断食月の10年前と今との差は、私の中では激しい。

10年前、アンタルヤへ来たばかりのころ、断食月でも外国人観光客の多いカレイチではレストランは開いているし、外国人は自由に食事をしていた。
それでもレストランではカーテンをかけ、外から食事する人が見えないように配慮していたし、断食月の間、閉店する店もあった。
(もちろん今でも田舎や宗教色の強いところなどではそれが当たり前の地域もあるだろう)

無宗教の私には誰も断食を強制しないし、好きなときに飲食はできた。
でも、みんなの見えるところでは食べにくかったし、外を行き来する人でも手に食べ物や飲み物を持つ姿はほとんどなかった。
食事をするときは、断食している人たちに見えないように、部屋のなかで食べたり、間違っても目の前に食べ物や飲み物をさらすこともなかった。

それが2、3年経ったころから、カレイチを行き来する学生たちが手にハンバーガーやコーラを持って、外を臆せず歩く光景を見ることになった。
世の中、変わったねえ・・・なんて驚いた。

それから10年経った今年はどうだろう。
私もアドナンも断食はしない。
店で朝食のトーストとチャイを頼んで、運んできた人が「中に置く?外に置く?」って聞くから私の方が気を遣って「中にしようか」って聞くと、アドナンの返事は「外で構わないよ」。

15年ぐらい前に(正確にはいつか忘れた)イスラム教徒になったはずの夫は、絵の個展(と、ついでにキリム展示会)のために単身赴任先の日本で豚肉でも食うことだろう・・・。

店の階下のチャイ・ガーデンでは、断食月に入ったからお客は減るか、なんて思ったのは私だけで、若者たちが集まって、水タバコ、チャイ、コーラ。周囲の目はいっこうに気にしていない。
(もちろんなんだけど、信仰は個人の心の中にあると思うし、トルコは政教分離の国だから、断食をするもしないも個人の自由で、断食しない人が責められたり、後ろめたい思いをするということは本来ないのである)

チャイ屋のお兄さんも「断食している」らしかったけど、「明日からは断食しないよ」と、堂々と宣言。
イベントとして初日と最終日だけやる人も多い。
意味はないけど、イベントだから・・・・・って。

気を遣うのは断食をしてそうな人には一応「断食していますか?」と聞いてから、飲み物をすすめたり、すすめなかったり。
それぐらい。

昨年も思ったけど、こんなに気を遣わなくていいのか・・・って。
今年は本当に断食月をかんじない。

これって何だか、日本で年末年始の慌しさ、忙しさ、スーパーが1週間ぐらい休みになるからと、買出しに行ったり、なんだか正月用品が高くていやになったり、それでもやたら高い紅白のかまぼこを買わなくちゃ、とあちらこちらと探しまわったり・・・・そんな興奮が、最近なくて、寂しいのと似ている・・・。
台風の前には、川が氾濫して、停電して、断水するから・・・・と、雨戸に板を打ち付けたり、ろうそくを用意したり、水をくんでおいたり・・・っていう緊張感が最近ないけど、その感じ。

時代の流れはトルコでも止められなくなっている。
だんだん普通の国になっていく。

おかげで私は今年も気も遣わないし、ラクしているけど。
ここまでくると、私が断食でもしようかな、って思ってしまう。
目の前にはモスクのミナレット。
エザーンの声。
アンタルヤの青い空・・・。

お断り:実際に断食している人はたくさんいるはず。
カレイチでも断食している人、たくさんいるはず。
でも、していない人が普通にいるから、飲食することを隠さない人が増えたから、いつもと変わらない生活行動の人が増えたから、なんだかそんな風に思ってしまうのです・・・・・。





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Last updated  2005年10月06日 11時11分52秒
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