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絨毯屋へようこそ  トルコの絨毯屋のお仕事記

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2005年11月16日
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カテゴリ:社長の一人言
いつものように、階下のチャイ屋で日向ぼっこしながら、お茶を飲みつつ、キリムの写真撮影をし、またお茶とタバコタイム。
店の電話が鳴って、別の作業をしているアドナンに変わって、社長自ら電話などとってみた。

すると日本人男性の声。
「まだ生きてたのお?」
すぐにわかった。
懐かしい人である。最後にアンタルヤで会ったのが5年ほど前のことになる。それまでも長期、短期、なんどかアンタルヤを訪れてくれていた。

当時、店にいた日本人、トルコ人の近況を尋ね(と言っても当時いた日本人はみんな日本へ帰ってしまっていないんだけど・・・)
「そっかあ、じゃあ来月あたり遊びに行ってみようかなあ」と。

いろんな人が出入りしていた私の店。
今の店に越してくるまでは6つの部屋と巨大サロンと台所と風呂場とトイレが2か所。庭つきだったので、人の出入りがほんとうに多かった。
朝から夜中、明け方まで一緒に食事を作って食べて、ゲームをして遊んで。その分、プライベートもなかったし、それでつらい思いもしたけど、今思えば楽しかった。

子供ができて、仕事の形態を小売から卸し、物の販売から情報の販売へと変えていく過程で、小さいスペースが便利であると、今の店に越した。
今の店は1部屋スペースで、前の店に比べると家賃は変わらないのに、本当に小さく、でも現在の仕事にはちょうどいい。

いろんなことが変わった。たった5年のことだけど、私は母親になり、仕事の時間帯も内容も変えていくことで、育児もしてきた。
24時間営業から夕方6時には帰宅という規則正しい仕事時間と生活になり、店には以前のように、何人もの日本人やトルコ人の出入りはありえないけど、これも進歩だと思えばこそ。
過去は懐かしいけど、戻りたいとは思わない。
常に現状が満足できる状態だから、前に進むことしか考えない。

「店は移転したけど、同じ通りで時計塔に近いところだからね」と付け加え、電話を切った。

昔の店に来てくれていた人からの突然の電話で、懐かしい空間と懐かしい人たちの顔を思い出した。





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Last updated  2005年11月17日 03時58分53秒
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