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カテゴリ:出張表話&裏話
見学って書いたけど、心の中では(ウィンドゥ・ショッピング)と小さくつぶやく・・・。
博物館を見るのは好きである。 歴史的なことよりも、繊維関係や小物の古いものを見て、ただただ興奮する。 今回、せっかくイスタンブルのスルタンアフメットにきたのだから、トプカプ宮殿でも見ていくか・・・と赴いた。 前回、いつ入ったかというとたぶん、7,8年経ったと思う。 そのあと、4、5年ほど前に出張できたときに入ろうとしたら、やたら入場料が高いときで今の40YTL(3000円ちょっと)ぐらいしたものだから、同行した従業員のスーザンが驚いて引いてしまったということがあった。 最近、安くなっているとは聞いていたので、チケット窓口を見たら10YTL(約800円)。 一人で見るのもつまらないから(博物館は一人で見るものだという説もあるが・・・)、友人を呼び出して一緒に入る。 一人で見たくないというのは、単に講釈を述べる相手、つまり感動を共有する相手が欲しいだけなんだけど・・・・。 私は基本的には固いものには魅かれない。 トプカプ宮殿で有名なダイヤとかエメラルドもすごいなとは思うけど、石類にはほとんど興味はないのである。 衣類、刺繍、織り布・・・・。 それはそれは素晴らしい・・・こんなにコンディションよく、しかも仕事量が違うのである。 当時の支配者のものであるから当然なんだけど、トルコ人本当はやればできるのじゃない、っていう技術がある。今の不器用さ大雑把さからは想像できないけど・・。 ここに展示されているようなものは手にしたくてもできないわけだけど、私もこれより身分の低い方々や一般庶民のもの、もっと近代のものなら多少持っている。 ハマム館に展示してある刺繍入りのタオル、手ぬぐい類になると、私の持っているものの方が上だな、と思えるものもある(そんなことを考えて一人喜ぶわけであるが・・・・)。 でもやはりため息が出てしまう。 ガラスに顔をくっつけて立ち止まってしまう。 ため息というか、身体が興奮して振るえ、鳥肌が立つ・・・・。 こういう現象ってお客さんのキリムコレクターたちにもある。 たとえば私がある場所で、絶対出るはずのないアンティークキリムを見つける。 目垢がつかないように隠しておく。 密かにコレクター間や業者間に噂だけが流れる。 このキリムを見たいという人が訪れる。 でももちろん、とぼけなくてはならない。 そしてこの人・・という人にだけ見せるのであるが、この人・・というのはお客さんになりえる人はもちろんであるが、このキリムの素晴らしさを共有できる人・・・という意味である。 見せても業者の場合「これは○○さんにいくらで売れる」と値踏みするだけの人がいるけど、そういう話はおいておいて、キリムのすばらしさを共有したいのである。 見せた瞬間、たいていの人は声もでなくなる。 見入る。 立ち尽くす。 しばらくすると、キリムを撫で回しはじめる。 キリムに身体をつけてさらに撫で回す。 そしてもう一度立ち上がって見入るのである。 鳥肌がたつ程度はごく当たり前で、なかには髪の毛が立ったり・・・こうして書いていると作り話みたいだけど、事実である。 話がだいぶそれてしまったけど、そういう意味で博物館見学は好きである。 固いものには興味がないと書いたけど、アンカラ考古学博物館の展示物のなかには実は欲しいものがある。毎回、見るたびに「まだ売れてない、よかった」とわけのわからない気持ちになる。 (売れてなくなるわけはないのだけど・・・) お金で買えるものならどんなに高価でも買いたい・・・(どんなにお金があったとしても、買えるものではないわけだけど)。 収集癖って困ったものだと思う。 時々これを手に入れて、持っていてどうするんだ・・・と思う。 私の場合、商売もしているから、お客さんにいったん見せてしまったものは「売ってもよい」という決意のもの見せる。 「売らない」と決めているものは見せないことにしている。 売らないものは私以外の目に触れることなく、私だって毎日見るわけでなく、長持ちや戸棚の中にしまわれるわけである。 私が死んだら、これらはどうなるのだろう・・・って思わないわけでもない。でも死んだあとのことは知らないもんね。 それでも欲しいものを見つけると欲しくて欲しくてたまらない。 洋服が欲しいとか、クルマが欲しいとか、宝石が欲しいとか・・・て全く思わないのだけど、キリム、絨毯、その他手工芸品の骨董は別の話。 最近は以前のように、よい骨董も見つからないし、その分欲しいものが見つからないから、欲しい欲しいモードもあまり出てこないのだけど、トプカプ宮殿で見たようなものが世の中に存在し、見ることができることに興奮する。 トプカプ宮殿見学で久しぶりに鳥肌が立った・・・ってことを説明するだけでずいぶん長い日記になってしまった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年08月14日 19時34分01秒
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