テーマ:レンタル映画(818)
カテゴリ:アジアの映画
愛し合う二人に訪れた悲劇は、
こんな風に幕を閉じ、明日につながるのか。 恋愛の始まりに、出会いがある。 激しい思いこみに、はた迷惑な熱血漢だが、 チョン・ジヒョンが演じれば ギョンジン巡査はチャーミングになる。 物理を教えるミョンウ先生は、 気が弱そうだが街の大立て者相手に、 一芝居打つ度胸はなかなかのもの、 チャン・ヒョクは大げさな演技と、 抑えた男らしさを上手く使い分ける。 いつしか彼は彼女が放っておけなくなる。 それが彼の命を奪うことになるのだけれど。 「私の彼」 ギョンジンがミョンウの生徒に 教室で公言するあたりで二人は彼氏彼女に。 ミョンウ先生はもう、彼女が、 ただの困った警察官じゃなくなっている。 それどころか、まんざらでもない。 ただ、気持ちが通じあうというよりは、 行動と経験重視で深まる恋愛である。 だからデートの場面は、本当にかわいらしい。 車での二人の旅行。 何もなければそれで楽しい思い出に。 だが、落石事故で車は横転、 ギョンジンは必死でミョンウを助け、 彼は必死で彼女を助ける。 それでもう彼は彼女のものだったし、 彼女は彼だけが自分を 受け止めてくれる存在だと知っている。 そうだ、いつも彼女は、 颯爽と一人で歩いていたのだから。 恋愛には軌跡がある。 正しい軌跡なんてどこにもない、 ただ、全部違うのだ。 彼女が凶悪犯を追っていた。 彼はいてもたってもいられない。 そのことが悲劇を生む。 彼女の目の前で彼が銃弾に倒れる。 プツリと途絶える恋愛の軌跡、 愛し合う二人に訪れた悲劇、残された彼女。 ギョンジンの心から消えない思い出、 ミョンウの顔、言葉、仕草。 悲しみから立ち直ろうとしながら、 逃れられず何度も死のうとする。 悲しみから再生する作業にしても、 彼女はやはり、はた迷惑で人騒がせである。 ギョンジンはずっとミョンウと対話していた。 彼女の心の中のミョンウは、 彼の魂の声でもあるだろうが、 彼女が作り出した声であり、意志なのだ。 四十九日というアジア的な習慣が、 彼女の再生の日となる。 ミョンウの魂と似た男と彼女が出会う。 それはミョンウの声であったが、 彼女が自分を納得させる理由にもなる。 きっと、そうやって彼女は、 双子の姉の死をも乗り越えてきたのだろう。 激しい思いこみとはた迷惑な激情で。 だが、それこそが明日へつながる力でもある。 ビルの屋上の冒頭とミョンウの語りと、 工夫された編集だが、全体的にはムダが多い。 混沌と勢いが魅力の韓国映画ではあるが、 この物語ならもっと、完成度も高くなったはす、 細かい伏線に大規模なアクションシーン、 盛りだくさんであることが逆に、 物語を分断してしまっているような気がした。 ギョンジン、彼女ははた迷惑だ。 巻き込まれた者はロクなことにはならない。 姉の死も、ミョンウの死も彼女が関わっている。 それでも彼女は乗り越えていく。 だから、いつも魅力的なのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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