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カテゴリ:イギリス映画
光は無限の色なのだ。
グリートに届けられたのは、 青い色のターバンと真珠の耳飾り。 1665年、オランダ。 ヨハネス・フェルメールは心を送った。 あの絵は二人で描いたのだ。 静謐で写実的、 巧みな空間構成と光の質感。 天才画家と呼ばれるフェルメール。 グリートは彼の家の メイドとして働きにきていた。 タイル職人の父親が失明し、 彼女が家計を支える必要があったのだ。 お屋敷にはフェルメールの家族と、 先輩のメイドがいた。 光は、無限の色をはらむ。 吸収し、反射し、無限の色を成す。 心で感じたまま、 色は心のそのまま。 アトリエにグリートとフェルメール。 何をしていたとか 何が目的とか そういうものは微塵もなく、 世界を織りなす光を全身で浴び、 二人の感覚が捉えた色を混ぜ合わせる。 白も青も赤も、どんな色も、 一つではないのだ、無限なのだ。 スカーレット・ヨハンソンは、 表情の変化でグリートの内面を見せる。 それは微かではあるが多彩で 飽きることはなく、惹きつけられる。 フェルメールを演じるのはコリン・ファース、 多くの映画で見慣れた彼ではあるが、 芸術家の頑なさを上手く表現している。 ピーター・ウェーバー監督。 この作品が初の長編であるという。 静かに物語は紡がれていく。 多くを語らず、だが、多くを物語る。 画家はパトロンのために絵を描き、 その報酬で家族を養っている。 フェルメールの妻や母たちは、 彼に絵を描かせようと必死である。 だがアトリエは彼女たちとは別世界、 グリートとフェルメール、 世界を織りなす光を全身で浴びながら 二人の感覚が捉えた色をキャンパスに描く。 そこは二人だけの世界である。 芸術が生み出される瞬間。 だが、それがどれだけ至高のものでも、 永遠に続くことは許されない。 グリートとフェルメール二人には現実がある。 光の無限。 だが、二人の人生は決まっている。 それでも「青いターバンの少女」は グリートとフェルメール、二人の絵なのだ。 だからこそ、彼女に届けられた、 青い色のターバンと真珠の耳飾り。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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