テーマ:レンタル映画(818)
カテゴリ:ヨーロッパの映画
どんな靴を履いてますか?
それは、どうしてですか? 真っ赤なハイヒールを履いてクラブで踊るのは、 靴デザイナーを夢見る23歳のレイレ。 才能に自信を持てずに、 自分の勤める店の靴を盗んで履いていたが、 高いヒールは折れてしまう。 愛し合って一緒に暮らしてたクンは、 荷物を全部持って、新しい恋人の元へ去った。 たくさん、靴を持っている女は、 レイレの居る店でサイズの小さい靴を買う。 さぞ、足が痛かろう。 イザベルは45歳、 他人から見れば何一つ不自由のない暮らしだろう。 しかし夫との愛が冷め切っていた。 それは子どもがいないせいではない。 何故なら彼女は結婚してから靴を集め始めた。 ラモン・サラサール監督作品。 スペインを舞台にして、 靴をモチーフに5人の女性が交錯する。 みずみずしい映像と 細やかな心理描写の中に、 さまざまな年齢、 さまざまな生活、 さまざまな人生を歩む女性たちがいる。 女性とはかくもしたたかに強いのだと思わせる。 貪欲でわがままで明るいのだと思わせる。 イザベルの夫に誘われるのは、 キャバレーでマダムを務めるアデラ、49歳。 タンゴを踊る靴が床に触れる音を知る。 タンゴを踊りながら男女が愛し合う。 愛とは無縁の場所にいた彼女が知る静かな官能。 だが彼は愛をアデラに求めてはいない。 そして彼女も、自分の愛よりも娘を選んだ。 アニータ、知的障害の彼女は、 25歳なのに、7歳くらいの知能である。 だが、家にくる看護学生のホアキンに恋をする。 彼女の女がベッドで一人、愛を欲する。 マリカルメン、 スリッパを履いて 夫が残したタクシーを運転する。 夫が残した家に住み、 夫が残した子どもを育てている。 43歳の彼女が抱えているものは 全て他の人間のものだった。 だが彼女はタクシーに乗る。 夫の存在を感じることができるからと、 ポツリと彼女はもらしていた。 そんな彼女の元へ、 夫が残した子どもの一人、 レイレが戻ってきた。 別々の物語の主人公だった女性たちが、 次第に関係を明らかにしていく。 生きていくのには避けて通れない苦しみを 彼女たちが彼女たちの方法で 乗り越えていこうとするのである。 たくさんの犠牲を払って、 忘れられない哀しみを背負って、 孤独も不安も苦悩も全部背負ったままで。 女性たちにスポットがあたりながらも、 ゲイのカップルが二組誕生する。 男しか愛せないという彼らは、 女性の長所をカタチにしてくれる存在でもある。 愛しているのである。 愛されているのである。 一人暮らしをはじめたレイレが描くスケッチ、 カラフルで生き生きとした靴のデザイン。 彼女とともに願うのである。 どうぞみんな、幸せになりますように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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