テーマ:レンタル映画(818)
カテゴリ:合作映画
完璧な真実と同じく、
完璧な捏造は完璧な真実となる。 「THE NEW REPUBLIC」は、 アメリカ大統領の専用機に設置されている 唯一の政治雑誌として信用を得ていた。 しかし、1998年、記事捏造事件が発覚。 執筆したのはスティーブン・グラス、 まだ年若い記者で、しかも、 話し上手で明るい人気者の青年だった。 ヘイデン・クリステンセンが、 愛すべきスティーブン・グラスを熱演する。 その目は潤み、切ない。 捏造がバレそうになればなるほど、 嘘をついてないと必死で訴えてくる。 誰がその目に勝てるだろうか。 問題となった記事は「HACK HEAVEN」 デジタルネタに敏感なオンラインジャーナルが、 スティーブンの記事に興味をもってしまった。 雑誌は読み終わればそのままだが、 興味を持てば調べてみたくなる、やはり。 他人事なら見過ごせても、 自分と関係あれば放っておけない。 「ごめん、ごめん。謝ってるだろう。」 愛すべきスティーブン・グラスはすぐ謝る。 状況が悪くなればしおらしい顔をして。 同僚は彼を信用している。 そして前任の編集長も信用していた。 信用している人間を最初から疑うことができるか。 しかも「THE NEW REPUBLIC」は、 弁護士を交え、校正と固有名詞に重ね、 完璧とも言えるチェックを行っている。 完璧だとみんな思っている。 完璧を疑えば、完璧ではなくなるのだ。 記者は取材中に綿密なメモをとる。 どこのホテルで、誰と誰が、どんな席順で。 周囲はどんな状況か、どんな声、どんな音など。 そのメモが取材で書かれたものか、 家の自分の部屋で書かれたものなのか、 誰がそんなことを疑うだろうか。 完璧な真実と同じく、 完璧な捏造は完璧な真実となる。 愛すべきスティーブン・グラス、 彼の捏造に至る動機は詳細に語られない。 それよりも彼がどんなふうに捏造したか、 そしてどのように嘘の上塗りをしたか、 周囲がどんな反応をしたのかが描かれていく。 信用されて、 記事としての体裁が整い、 完璧なチェックをクリアして、 しかも面白い記事で、 しかも他人事ならばいいのだ。 誰が愛すべきスティーブン・グラスを疑う? 誰も気づかない場所に身を隠せば、 誰にも見えないのだ、本物のスティーブン・グラスが。 完璧な捏造は完璧な真実となる。 完璧な真実と同じく、 完璧な捏造は完璧な真実となる。 完璧な真実と同じく、 完璧な捏造は完璧な真実となる。 愛すべきスティーブン・グラスは謝る。 間違いは謝罪で帳消しにはならないのに。 編集長はスティーブンをクビに、 残された記者は自分たちの責任を知る。 間違いは謝罪だけではすまされないのだ。 それでもスティーブン・グラスは、 身を隠す方法を知っているのである、きっと、だが。 彼だけではない、知っている人間は他にもいる。 完璧な虚偽を完璧な真実にする方法を。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[合作映画] カテゴリの最新記事
|
|