テーマ:映画館で観た映画(8561)
カテゴリ:合作映画
ワイン好きの皆様。
せっかくお楽しみのところ申し訳ない。 そのワイン、いくらでしたか? のどを潤す芳醇な味わいに酔いしれる。 しかしながらそれにも価格がある。 商売である、金である、勢力図がある。 フランスを震撼させたと言うのも、 そう大袈裟ではないドキュメンタリー作品。 136分にも及ぶ長さは、 アソビゴコロタップリの音楽&アングルで、 弾むように踊るように編集されていて飽きさせない。 ゆったりした気分で耳を傾けるのは、 ヒトクセもフタクセもある登場人物たちのお話。 そうですか、なるほど。 だからそのワインは売れちゃってるんですね。 ひときわ値段が高いというのに。 世界12カ国を回るフライングワインメーカーは、 契約しているどのワイナリーでも、 ひたすらワイン醸造に同じ指示を与えている。 醸造コンサルタントが拍車をかけるのは、 「ワインのグローバリゼーション」 売れるワイン=同じ味=大量生産という図式、 モンダヴィー一族はアメリカワインを 世界のブランドにしたのだ、年商5億のビジネスに。 フレスコバルディ侯爵家らをパートナーに、 トスカーナでも成功を収めている。 さて、一方では、 真っ向から「ワインのグローバリゼーション」に 異を唱えるワインの生産者たちがいる。 ワインはブランドではなく、 ワインは地味である、すなわち、土地。 土壌、気候、標高、風通しなど。 地味をテロワールということから、 テロワリストと、苦笑しながら語る者もいた。 若い段階では飲みにくくても、 10年20年経過して真価を発揮するワインもある。 頑ななまでも信念も持つ、 ワイン生産者たちも存在する。 だが、フライングワインメーカーは、 世界を駆け回り、そのフィールドを広げている。 そしてわかりやすい点数方式で、 ワインを評価する評論家の点数次第で、 市場は動いているのである。 高得点なのは、濃くて力強いもの、 「ワインのグローバリゼーション」で広まる、 若い段階から飲みやすいモダンなワイン。 ワイン雑誌の評価もまた 市場への影響力を与えているのだが、 実はとあるワイン・ジャーナリストの大家は フェラガモ家だったりする。 その跡継ぎ息子がトスカーナの村を まるまるひとつお買い上げ、 スーパー・トスカーナ・スタイルの ワインをつくっていらっしゃるのである。 ワインはブランドなのか、地味なのか。 ダイナミックに動くワインの勢力図。 だが、そんなことはおかまいなしに ワインを作り続ける小さな生産者たちは ずっと昔から葡萄をつくり続けていたりするのだ。 冷静に分析的だと言われている ワインのテイスターは星でワインを評価する。 わかりやすい点数方式ではなく。 そうですか、なるほど。 <オーパス・ワン> ワインショップに並ぶひときわ価格の高いワイン。 ワイン評論家ワイン雑誌も高得点をある。 これは内緒なのですが、と、 <オーパス・ワン>の中身について そのワインショップのスタッフは教えてくれた。 しかしながら、その答えは、 この映画をたっぷり愉しんだ後なら、 なんとなくわかるような気がするのである。 もちろん、かのフライングワインメーカーが 関わっているらしいということも。 全く、誰かに話したくなるワインの話である。 モンドヴィーノ公式サイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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