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カテゴリ:アジアの映画
幸せにおなり。
家族よ、そして娘たちよ。 インド・パンジャブ地方の中流家庭、 パルマ家の長女アディティの結婚式が4日後だ。 だが愛らしい大きな目をした娘は、 少しばかり思い悩んでいるようである。 続々と集まってくる親戚たち。 アメリカやオーストラリアからもやってきた。 庭には原色の色鮮やかなテントがしつらえられ、 オレンジ色のマリーゴールドの門が出来つつあった。 娘のために、娘のために。 愛する娘のためにと、 アディティの父、ラリットは忙しい。 何しろ、結婚式はお金が湯水のように出ていく。 それにブライダル・コーディネーターのデュベイは 金、金、金と何かをすれば追加料金を請求してくる。 彼自らが、伝票整理に追われているし それでもお金が足りなくて ゴルフのときには友達に頭を下げ、 借金もしなくちゃいけない。 それでも、娘のために、 愛する娘のためにと、必死である。 花嫁の母のピミも娘のために 22年間ためたサリーを観ては感慨深げだ。 にぎやかになっていくパルマ家、 次第に形になっていく色鮮やかな庭のテント。 幸せにおなり。 ラリットは奮闘してがんばっているが、 アディティはピグラムと不倫していた。 親が決めた結婚相手を承諾したのは、 ピグラムに結婚の意思がないため。 従姉のリアはそんな彼女を責めるが、 リアはリアで、心に深い傷を背負っていた。 幸せを願う父親がいて、母親がいて、 だが、誰もがみな、簡単には幸せには行き着けない。 ブライダル・コーディネーターのデュベイは 100件以上の結婚式を手がけながらも、 何故、自分に伴侶がいないのか悩んでいた。 パルマ家のお手伝いのアリスは、 自分とは無関係な場所の結婚式を 心のどこかで憧れているようにも見える。 久しぶりに集まった若者たちは意識しているが、 知り合うにはまだ時間が必要である。 インドを出て外国で暮らす親戚も多い。 映画大国として知られるこの国は昨今、 優秀なソフトウェア産業の人材が揃っており アメリカとの交流が盛んになっているという。 たくさんの人が行き交う街並、 サリー売り場での賑わい、 儀式に彩られた伝統的な結婚式。 変わらぬインドとダイナミックに変わりゆくインド、 ミラ・ナイール監督は、 人間とともに時代や町並みをも描きだす。 色鮮やかに生き生きと。 幸せにおなり。 父親のラリットの切なる願い。 だがアディティは花婿となるヘマントに全てを話す。 しかもラリットの姉の夫、テージが、 幼いアリアに性的な興味を示していることがわかる。 「大人のキスは嫌い」 アリアの一言が家族の絆を揺り動かす。 ラリットはテージに世話になっていた。 しかしテージは幼い頃のリアにも、 同じ悪戯を行っていたという。 リアが男嫌いなのもそのことがトラウマになっていた。 愛しい愛しい娘のために、 ラリットは決断し、姉夫婦と決別する。 愛する者を守るために父親は、 自らが剣となり盾となり災いに静かに立ち向かう。 それは決して大きな事件ではないけれど、 彼の想いの積み重ねが 娘たちの幸せにつながっていく。 彼だけではなく、 いろんな人の想いの積み重ねが、 誰かの幸せにつながっていくようである。 ヘマントはアディティを受け入れた。 デュベイとアリスのささやかで愛らしい恋。 リアはやっと結婚式に間に合ったウマントという青年に、 新しい恋の予感を感じている。 誰かを愛するいろんな人の想いが 誰かの幸せにつながっている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.04.29 18:36:03
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