テーマ:レンタル映画(818)
カテゴリ:合作映画
元気です。ありがとう。どうぞ。
登録は必ず。 ポエジーのない街。 α都市、アルファヴィル。 辞書から毎日のように言葉が削除される。 永遠の夜、北圏と南圏、どちらを回って 目的地まで行きましょうか、お客様。 外部の国からこの都市に到着したのは、 左利きの探偵、レミー・コーション。 1965年が描き出した1984年の未来は、 表情のない人々で満たされていた。 ジャン・リュック・ゴダール監督は当時の都市風景に 微妙なズレを演出し別世界を作り出した。 裸体の女性のオブジェ、 言葉を売る自動販売機、 点滅するライト、 絶えず聞こえる機械音。 tititititititi・・titi・・titititititti アルファヴィルここは α60というコンピュータの制御する都市。 論理的であるべき。 論理的でない者は排除する。 登録は必ず。 レミーが星雲を走りここに到着したのは、 フォン・ブラウン教授を探しだし、 この都市を破壊することだった。 第3級誘惑婦が迎えた赤い星のホテルで、 早速レミーは、見知らぬ男に襲われる。 登録は必要。 身体のどこかに番号が印された女性たち。 詩のない都市、愛情はどこに。 妻の死に涙した男はプールで処刑されていた。 “涙を流す者を救え” 笑うこともまた罪である。 論理的でないことは罪なのである。 その論理に吸収されればここで生きていける、 レミーは知り合ったブラウン教授の娘に問う。 「君はどこで生まれた?」 「アルファヴィル」 「いや、君が生まれたのは 東京かも知れない」 「フィレンツエかも知れない」 「ニューヨークかも知れない」 アルファヴィルを維持するために必要なのは 論理的であること。 論理的な挨拶は、 元気です。 ありがとう。 どうぞ。 tititititititi・・titi・・titititititti モノクロームの映像の中で トレンチコートの似合う探偵と、 憂いを秘めた長い睫の女性が引かれあっていく。 演出によって醸し出されるSCI-FIの世界。 それは驚異的な技術を駆使した映像よりも 現代社会とリンクさせやすいと思うのだ。 フランス語の音と、翻訳された言葉の意味が 交錯し重なりずれてはまた重なる。 ストーリーを追うのではなく 読み進めながら鑑賞しているような気持ちになった。 あいさつは重要。 あいさつは共通の意味をもつ。 意味が理解できればコミュニケーション成立。 道徳的な観念もまた記号化される。 愛もまた記号なのか。 嗚呼、何と言えばいい。 美しいモノクロームの挿絵を観ながら、 見知らぬ文字を読んでいた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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