履修漏れ問題
先日、朝、テレビのニュース番組をみていました。と申しますか、わたしは朝、とっても忙しく、テレビを見る余裕がありません。ですので、テレビの音が流れているのを聞いている、テレビの音が聞こえている、そういった表現が正しいかもしれません。何気なく聞こえたアナウンサーの声。 「都立の○○○高校では・・・」 と、わたしの母校の名前が聞こえてきました。「えっ?母校が何をしたの?」突然、自分の知っている名前、それも母校の名前が、ブラウン管(今は液晶?プラズマ?)から聞こえてきましたら、どなたでも、びっくりされると思います。わたしもびっくりしました履修漏れ問題が発覚してすぐのお話だったので、最初、なんで騒がれているのか想像もつきませんでした。テレビを見て、朝刊をじっくり読んで、インターネットでも調べました。母校では、高校のカリキュラムの中で、必修になっている倫理を、3年生の大部分の生徒が未履修だそうです。(たぶん、選択科目にしているのだと思います)でも、履修したことにするために、倫理の教科書は全員が購入させられているそうです。確信犯なので、かなり問題になっているようです。校長が、都庁において、謝罪記者会見を行いました。わたしが通ってました、ウン十ウン年前、わたしは、倫理の授業は3年生の時に受けました。苦手だった世界史も、1年2年と、必修でした。でも、何にも覚えていないので、ほとんど授業中は、寝ていたと想像できます。それでも、昔は、学習要綱にしたがって、きちんと単位を取らせてくれたようでした。でも、公立高校離れが騒がれ、私立に比べ、現役進学率が低かったり、所謂、有名どころへの進学率が低かったりで、先生方はあせっていたのかも知れません。そして、このようなことが起こってしまったようです。でも、これは一部でしていたことではなく、公立の学校では、全国で289校もあったそうです。ということは、あまり必要とされていない科目をを必修にしていることに問題があるような気もしますが・・・47都道府県で、289校という割には、神奈川、埼玉等は、1校もありません。(あくまで公立だけです)東京では、わたしの母校1校だそうです。ですから、とても目立ちました・・・ちなみに私立は172校だそうです。(そして、あの灘校でさえ・・・家庭科を、家庭科の資格がない先生が教えていたそうで・・・)私立を含めると、履修漏れのない高校がないのは、熊本県だけだそうです。(読売新聞より)141回以上の補習を受けなくてはいけない生徒が1118人いるそうです。卒業まであと、4ヶ月。1ヶ月で計算すると、補習37回。公立高校なので、週休2日制。1ヶ月の授業日数は、20日程度。ということは、1日約2回の補習を毎日行って何とか卒業。と、こんなことは不可能ということで、70時間補習を受ければ、それ以上の補習時間が必要な人も、単位習得を認めるというような、話になっているそうです。ですが、おかしくないですか?カリキュラムを組んだのは学校。それを信じて、そのカリキュラムにそって、授業を選択したに過ぎない生徒が、すでに一年の半分以上過ぎて、それも、あと2ヶ月ちょっとで大学受験が始まるというこの時期に、なぜ、「70時間も補習を受けないといけない」ということになってしまったのでしょうか?昨年まで、同じカリキュラムで勉強して卒業した生徒達は、しょうがないから、不問。来年の生徒は、この問題が起こったので、カリキュラム変更。そして、このようなカリキュラムを作った結果、生徒に負担を強いる学校への、罰については何も触れられていませんので、現3年生だけが、この負担を負わなければならないということになります。何だかおかしくはないですか?大人たちがやってしまったことの尻拭い、つじつまあわせを、子供たちに負わせるなんて、大人たちよ。恥ずかしいとは思いませんか?子供たちは、必修である倫理や世界史、地理などはとっていないかもしれませんが、他の教科で卒業単位を取っているはずなのです。卒業するための授業時間は受けているはずなのです。誰か、子供たちのために声をあげてくれる人はいらっしゃいませんか?今年はもうこのまま卒業させてあげてましょうよと。だって、全国で履修漏れの高校生は、7万2516人(公立4万7094人、私立2万5422人)もいるそうです。(読売新聞より)とここまで書いて、伊吹文部科学大臣のコメントを見つけました。伊吹文科相は、同日の閣議後会見で「本人に重大な瑕疵(かし)がないかぎり、高校を卒業したという権利は第三者が取り消すことはできない」と話した。また、伊吹文科相は衆院教育基本法特別委で、「最終的に(履修漏れの)学校数は500校ぐらい、(未履修の生徒は)8万人前後にのぼる」との見通しを示した。(読売新聞)本人に重大な瑕疵(かし)がないかぎり・・・って、今の高校3年生も本人に重大な瑕疵(かし)があるとは思えないのですが、と申しますか、彼らに全く瑕疵はありません彼らには負担を強いるのですか?なんだか、不公平ですね・・・