カテゴリ:ストーリーテリング
今日は、月一のおはなしの自主勉強会の定例会。
今月は少し趣向を変えて、10年前の勉強会開始時から3年間講師をしていただいた先生をお招きして、指導をしていただくという。 お名前はよく存じているし、あちこちの発表会でお見掛けもしていたが、私自身は面識のない方。この道30年以上、ご自身の文庫活動をなさるかたわら、講演会や後進の育成にも力を注いでいらっしゃる。その上「おはなしのろうそく」のあとがきにも名前を連ねるとくれば、さぞかし「すごい」先生なんだろうけど、見た目は小綺麗な老婦人というだけで、一体なにがすごいんだか・・・(失礼ながら第一印象) 今回、この先生のご指導を直接受けていない新しいメンバーを中心に発表ということになり・・・ 「またとない機会よ」と背中を押され、超新人の私まで発表させていただいた。 私の演目は、グリムの昔話「おいしいおかゆ」(ろうそく1) 4分そこそこの短い話だ。とりあえずは、口からすらすらと出る。 適当に緩急をつけ、間をとりながら、ゆったりと語った(つもり)。緊張はしたが、まあこんなもんかな?(自己満足) 全員が語り終え、いよいよ先生の講評。 私からだ。まず 「自分でどうだった?」と聞かれ 「経験が浅く、まだ子ども達の前で語ったことがありません」と答える。 「あら、それにしては」とお褒めの言葉。 (厚顔無恥なので度胸だけは・・・) 「ひとつだけ言わせてもらうと、、、」と続く。 「あなた、おなべを渡さなかったでしょう」 「え・・・?!」(一瞬なにを言われているのか分からない) 「おなべを女の子にちゃんと渡した?」 (あっ、そういうことか・・・)「いいえ」 「でしょう?そこだけが見えなかったのよ」 「(抜粋)・・・そのおばあさんは、女の子の困っていることをちゃんと知っていて、小さなおなべを一つ、その子にくれました。そのおなべは・・・」という一節のことを言われているのだ。抜かしたわけでも、言い間違えたわけでもない。私はこの一文をなにも考えずに口先だけで言っていたのだ。 それも、指摘されるまで自分でも気付いていない。 他の部分、すなわち、おかゆがどんどん流れ出して町中大騒ぎになる様子などは自分の中でどんどん想像がふくらんでいたけれど、確かにおなべを渡す場面は「くれました」の一言で終わるので、どんなおなべをどんな様子でおばあさんが女の子に渡したか、なんてなにも考えていなかったのだ。 このおはなしは、その場にいた人全員がそらんじているほどの基本。 それをさらっと聞き流すのではなく、的確なアドバイスをされて、やはり「すごい」先生なのだと実感し、さらにおはなしの奥深さにとりつかれてしまった勉強会だった。 ◇レスのつけられる掲示板|◇絵本・児童書フォーラム|◇モンキーバナナ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.11.19 07:57:38
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