というわけで、昨日の続きです。シューマンのピアノ五重奏曲につきまして。
て、この曲、相当前に一度生で聴きました。その時は恥ずかしながら知らない曲だったのです。奏者の方やどこの会場で聴いたかについても全く記憶がないのですが、とにかくこの曲だけはものすごいインパクトがあり、一気に好きになってしまいました。すぐにCDを買いまして、それからは何かの機会があるときに聴く曲になって今に至る、そんな曲です。曲想としては陰鬱な2楽章がなんとも私の中ではベストなのですが、ただ陰鬱なだけでなく、そんななかでも熱いシューマンのパッションが溢れ出るような曲想で、です。なので、この日久しぶりの生演奏を楽しめる、ということが至福の時間になるよね、です。
そして、その演奏。期待を裏切らない素晴らしい演奏でした。前半でものすごいテンションだった奏者の皆さん、この曲では一転してリラックスしたテンションで曲を演奏することを、合わせをしていることそのものを楽しんでいる、そんな空気感が伝わってきた演奏でした。ショスタコーヴィチの曲想とは全く逆だったのでこのあたりのコントラストがよりはっきりしたのはこの日のプログラミングの妙ですが、いやあ、音楽をするってこういうことなんだ、と今更ながら一番大事なことをあらためて気づかせてくれる演奏になりました。推しの曲でここまで気づかせてもらえ、実に有意義な演奏会になりましたよ。