というわけで、金曜日は大阪フィルさんの定期演奏会に行ってきました。曲目等は以下のとおりです。
大阪フィルハーモニー交響楽団 第576回定期演奏会
曲目 マーラー 交響曲第10番(デリック・クック補筆版)
指揮 エリアフ・インバル
マーラーのシンフォニーといえば番号付きの9曲と「大地の歌」という10曲が完成した曲としてありますが、途中までオーケストレーションも施され、最後までスケッチが残っているというこの10番、補筆版としては一番有名なクック版の演奏を聴くことができました。指揮はマーラーについては当代一、二のインバルさんですから、この日も楽しみな演奏会でした。確かに、曲の中盤以降のオーケストレーションはマーラーの手によるものではないのですが、それでも、随所にマーラーのサウンドがビシビシと聞こえてきて、実に興味深いものでしたし、特に終楽章の弦楽器だけの部分やラスト近くのサウンドなど、名曲9番のそれを思い出させるものでした。
また、4楽章ラストのバスドラムの連打は6番のハンマーを思い出さずにはいられませんでした。もしもマーラー自身のオーケストレーションであればもっと変わったものになってはいたでしょうが、クックの精緻な研究の成果はマーラーの世界を充分再現しているのでは、と思わせるに十分な内容でした。CDではわからないことも生で聴いて世界が開けたものも多く、そうそう取り上げられることもないでしょうからとても有意義な演奏会に行けてよかったな、でしたよ。