というわけで、昨日の続き。代役で登場された横山奏さんについて。
デュトワさんの急遽の代役、という仕事でもやはり受けるとなると相当な重圧がかかりそうなのはアマチュアでも十分に感じたところです。そんな中でのメイン曲が火の鳥、しかも1910年原典版と長大な曲で、です。1984年生まれだという横山さんくらいの若手からいよいよ中堅にという年代の指揮者さんですからそりゃあこの曲くらいはスコアをしっかり読んだこともあるでしょうが、そこはどうなんでしょう。まあ、そんなことを考えながらこの曲を聴かせてもらいましたが、実にすっきりとした演奏が続きまして、です。へんな「解釈」がないほうがいいよね、と思うことしばしですが、ストラヴィンスキーがスコアに残したことを忠実に再現しようとする意図が明確で、とても気持ちいい火の鳥になりました。素晴らしい代役ではなかったでしょうか、です。
さあ、こういうところで注目されることで次のステージ、というのが多いのもこの世界。こういう機会で多くの聴衆に知ってもらう、そして評価される、というのは指揮者冥利に尽きるのでしょうが、さて、横山さんの今後に期待したいですよね。