かめぶうの母
私の実家の母は昨年還暦を迎えた。 しかし、気は若い。ぷりぷりしてシワもほとんどないせいか、実年齢よりも5~10歳は若く見える。 昨日は、かっぱくんは仕事だったのでぴいちゃんと二人で実家へ夕食を食べに行き、昼からお笑い芸人を観に行った事を興奮気味に話してくれた。 「あの人良かったよ~。きれいで、スタイル良くて、 知的な感じで・・・・・あの人・・ほらほら・・・ 昭和はるみ? 」 瞬間、ピキッ!と凍りつき、箸を持つ手が止まった。 ・・・・それってエドはるみ? 「ああっ・・・・ハハハハハ~。 エドはるみって言うんじゃったっけ? なんか時代の名前って覚えちょったんじゃけど・・」 エド→明治・大正通り過ぎて→昭和・・・・ どこの演歌歌手が混じってんのかと思ったよ。さすが、昭和が人生の全盛期だった人だ。よほど昭和は忘れられないらしい。 それにしても、いつもこうなのだ。若い時から、人の名前とか物の名前とかを覚えられない。 「あの人がまた貫禄あったね~。歌も上手いし・・・ ほら、あの・・・・・さんまの歯の人。」 ・・・・・・・原口あきまさしかも、さんまちゃんの体の一部になってるし・・・ 「あのきれいな女みたいな男の人も おもしろかったよ~・・・あれ男じゃろ? ハイハイって手を挙げる人以外を 指名しよったよ。」 ・・・・桜塚やっくん 「こうやって、ジャンジャンジャ~ンって、 いつも最後にやる人は?」と言いながら 両手を横に振る姿はラジオ体操だ。 ・・・・・アンガールズジャンガジャンガよ・・・・ 母の話を聞くには、鋭い勘と推理力がないと、務まらない。 あれ、これ、それ ・・・・とあとは、感じたままで喋る人だ。話に筋道など無用なのだ。 恐るべし! 次に会うときまで、またすぐに話を理解できるように勘を鍛え、精進しておきます。