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カテゴリ:受験
杉並区立和田中学校で行われている「夜スペ」という
選抜された成績優秀者のみが受講できた夜間塾が 今期から希望者全員が受講できるようになったと報道された。 当初掲げていた「ふきこぼれ対策」は、どこへ行ったのだろうか? 杉並区立和田中学、進学塾と提携-夜間塾問題を検証する 私個人としては、学校でのこのような取り組みは賛成していないが、 落ちこぼれ対策が優先される為に 公立中学の授業の内容が低下している現実も深刻なのである。 私は、以前のブログにも書いているように 中学受験にも、一長一短があり、賛成でも反対でもない。 しかし親御さんにお願いして、中学受験を勧めるケースがある。 以前ブログで紹介した、私の教室で誰もが秀才と認める女の子Sちゃんも 中学受験を勧めた一人だ。 Sちゃんの両親は、東京の出身ではなく、 お父さんも塾や予備校の世話にならず難関国立大学に入られたこともあり 勉強は、自分でするものだ、という家庭で、 中学受験は、まったく考えていらっしゃらなかった。 Sちゃんに尋ねても、みんなと同じ中学に行きたい、との返事。 そんなおり、私の教室でバイトをしている教室の卒業生のMが 彼女の母校であり、Sちゃんが進学する予定の□中学校に 教育実習に行くことになった。 2週目に入りMは、中学2年生に助動詞のwillを教えることになり、 私の教室で使っている問題集通りに、 willは未来を表す為に使う助動詞で後ろに続く動詞は原形… とレッスンプランに書いて担当教諭に提出したところ、 「こうゆう塾のような教え方しても、 生徒はわからないから、説明しないでIt will be~と教えなさい」 と言われたと不満気な顔をして私の教室に顔を出した。 わからない、と言ってもクラス全員がわからないわけではないだろう。 落ちこぼれている生徒だけを指導対象と考え できる生徒は切り捨てられている。 この先生は、区内でも画期的な授業をすると有名な先生で 他校の先生もこの先生の授業を参考にしようと見学に来る程らしい。 塾に行っている子は、塾で習っているのだから、 塾に行けない落ちこぼれている子に、英語の楽しさを教える授業。 書くことよりも、興味を惹きやすいオーラルに重点を置いて、 文法説明などの板書はほとんどせず、 ひたすら教科書をコーラスリーディングするというものらしい。 どこが画期的なのか、私にはさっぱりわからないが、 こんな授業では、塾に行けず学校だけが頼りのできる子は 推薦で高校に入れたとしても、高校の英語の授業についていけない。 落ちこぼれるのは、塾に行けないからという理由だけではないはずだ。 なぜ、努力しないで落ちこぼれた生徒に手がさしのべられて 努力する、できる生徒が切り捨てられるのかが、 私には理解できない。 なんと理不尽なことだろう。 もちろん区内には、すばらしい授業をしている評判のいい公立中学もある。 私の教室の生徒達は、区内のいろいろな中学に通っているので、 生徒のノート、定期テストなどから、 先生が、どのような授業をしているかが推察できる。 その学校差、先生差には、驚くばかりである。 そして、公立中学の先生には異動がある。 校長先生が替われば、学校の雰囲気や取り組みも変わるし、 よい先生が、翌年もその学校にいるかどうかわからない。 都立の中高一貫校の人気が高まる理由は、このあたりにあるのあだろう。 しかし、都立の中高一貫校も皆同じではない。 校長先生の考え方が、校風だけではなく、入試に濃く反映され、 点数だけでは合否の判断が、つきにくい。 塾の説明を鵜呑みにするのではなく、 お母さんがまず学校が主催する説明会に足を運び 学校の特色を見極めることが大切だと思う。 「Sちゃん、本当に□中学に行くんですか?」 Mが心配そうに聞いてきた。 勉強は塾でやればいい、と考えている親御さんとは違う Sちゃんの家庭環境を考えると このような考えの先生たちが多い□中学に、 純粋に学びの場として中学に期待を持っているSちゃんを 通わせるのことにMも不安があったのだろう。 翌日私は、Mちゃんのお母さんに、 都立の中高一貫校の受験を考えて下さるように電話をし、 塾に行っていないから、落ちるかもしれないと不安がるSちゃんに 塾に通わずに合格した先輩もいるし 英語という自己PRポイントもあるから、チャレンジしてみようと勧めた。 模試などを受けていないので、試験慣れという点で心配はあったが、 見事合格した。 2極分化してしまった生徒たちに対して 両方を満足させる授業を行ことには無理がある。 しかし、和田中学の「夜スペ」と落ちこぼれ対策の「ドテラ」は ふきこぼれている、できる子は、「夜スペ」で塾の先生と勉強しなさい 落ちこぼれて、できない子は「土曜寺子屋」で学校の先生と勉強しなさい。と 塾を学校に持ち込み、レベルの高い勉強は塾の先生に教えてもらいなさい と、学校が自ら認めたと思えてならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年05月14日 15時05分04秒
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