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夢先生の玉手箱-annex

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カテゴリ:子供の気持ち
昨日、今日、そして今週末は、英検の為の宿泊研修が続く。
他の目的別宿泊研修は、学年毎やクラス単位で実施されるので、
小学生と中学生、高校生が一緒にになることはないが、
英検前の宿泊研修は、小学生から高校生までが参加し
異学年の交流の場でもある。
初対面であっても、すぐにおしゃべりが弾むところが
私の教室の生徒たちのいいところだ。

宿泊研修では必ず食事の後片付け、掃除などの担当割の話し合いを進めたり、
私たち講師の指示をみんなに伝えるリーダーを
研修所に着くとすぐに決める。
今回は、最年少参加の4年生の女の子Nが立候補してリーダーになった。

Nは、日頃からお母さんにも口のきき方に注意するように
厳しく言われていたのだが、
仕切り屋と勝ち気な性格が相まって、命令口調で話すことが多く、
昨年3年生で参加した夏のキャンプでもキャンプリーダーの一人である5年生に
下級生には優しく、上級生には、生意気な言い方をしない、と
初日から厳しく注意されていた。
しかし、突然、2日目の夜から、命令するのではなく、
積極的に自分で仕事を見つけては、手伝いをするようになり、
それまで、怖い、と彼女から一歩引いていた下級生が、
Nの回りに集まるようになった。

このNの変貌の影には、彼女が厳しく注意された時に
「明日から気をつけるよね」と
Nをかばったもう一人のリーダーの5年生のRと4年生FとYの存在があった。
Rは、「こうしなさい」と言うのではなく、「こうした方がよくない?」と言うタイプ。
自分から、困っている子のそばに行って手伝ったり、
「大丈夫?」と声をかけるので、
遊びの時間などは、彼女の回りに下級生が自然と集まる。
4年生のFとYは、もともと仕切りやタイプで、命令口調がちだったのだが、
一昨年のキャンプでRの動きを見て、
自分たちもRのようになりたい、とRの真似をしているうちに
相手の気持ちを考えて言うようになった。
そして3年生は、4年生の行動を見るように指示されているので、
NはFとYの行動を見て真似したのである。

赤ちゃんシャチが親の芸を見て真似して覚えていくように
年上の行動を見ながら、自分の行動のイメージを作っていく。

今回の研修で再び、NとFが一緒になった。
Fは、私の教室以外でもスキー教室やキャンプなど集団生活を多く経験していて
とても動きがいいので、ついつい、私も食事の支度の手伝いなどを
Fに頼んでいたら、Fの真似をしているNが、
自分から「私にもお手伝できることはありませんか?」とやってきた。
1年前なら考えられない言葉だ。

すべてのプログラムが終わり、片付けをしている時に、
兄弟の話になり、Fが一人っ子だと知った、自分も一人子のNは、
「え~、嘘でしょ、信じられない。一人っ子だと思わなかった。」と言い、
一緒に勉強していた、中学生も
「一人っ子に見えない。兄弟がいると思った。」と言ったら、
Fが「ホントに?ホントに見えない?やった~!」と満面の笑みを浮かべた。
一人っ子にとって「一人っ子に見えない」という言葉は、
どうやら、とても嬉しい褒め言葉らしい。
一人っ子でない私には、その理由はさっぱりわからない

もちろん英語の習得がこの研修の目的だが、
このように異学年と生活を共にすることで、
英語以外のことを学び自信をつけ、成長していく生徒たちを見ていると
建てるまでいろいろ苦労はあったし、維持していくことも大変だけれど
研修所としてこの家を建てて良かったと、つくづく思う。






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最終更新日  2008年06月01日 18時22分49秒
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