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夢先生の玉手箱-annex

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カテゴリ:子供の気持ち
4月に始まった小1クラスのお母さん方がロビーで待っている時に、
都立の中高一貫校に通う中2のSの生徒のお母さんが
月謝を払う為に入ってきた。
「ウチの子もこのくらいの時には、宿題ができなくて
 泣きながら通うこともあったのに、
 今じゃ、私が、体調が悪いのだからお休みしたら、と言っても
 いいの、行くの、と言って絶対に休まないんですよ。
 続けさせてよかったです。
 学校の事も先生に相談して本当に良かった。」
Sちゃんのお母さんは、フルタイムで働いているので、
小1で宿題が始まった時、他の生徒は皆、
毎日お母さんの声かけのサポートがあったのだが、
Sちゃんは、怠けたければ、怠けられる環境だった為、
はっきりとした動機付けがなされる3年生までは、
完璧主義な性格もあり、自分が満足がいく仕上がりではないと
泣きながら教室に来ることがしばしばあったし、
何度も辞めたいと言ってお母さんを困らせていた。
昨年、中高一貫校を受験する時も、塾の面談で、
テストの成績、通知票から志望校を変更するか、
受験そのものを止めるように言われたと相談を受けた。
Sは、自分に対しての努力を惜しまず、
自分の考えをはっきり言うことができ、
面接官に成績以上の印象を与えることを確信していた。
そしてなにより、彼女自身、落ちてもいいから受けたいと希望していたし
たとえ不合格となったとしても
それを前向きに受け止められる強さが彼女にはあった。
お母さんには、受験は彼女にとって、
今までの努力に対する評価を体験できる機会でもあり、
その経験は、これからの人生に活かされる貴重なものではないかと受験を勧めた。
「Sちゃんを面接した先生は、きっと
 Sちゃんの将来伸びる力を感じたのだと思います。
受験時の学力より、将来伸びる子を入れているという
 校長先生の記事もありましたし…」

Sのお母さんとのやりとりを聞いていた
国立の付属小学校に通っている小1のお母さんが、
「うちの学校もそうなんですよ。
 本当にいろいろな子がいて、この子が?という子もいるし
 どこで将来性を見分けるのでしょうか?」

私には、将来伸びる子なのか、伸びない子なのかの
見分けることはできない。
ただ、将来伸びそうな子だな、という感触を持つことはある。

最近、一度引退した伊達公子選手が、現役復帰(ご本人は誕生)したが、
彼女の小学校時代のエピソードとして
勝った試合後でも、試合中何度かサーブのミスをした自分が許せず、
テニスクラブで、翌日試合があるにもかかわらず真っ暗になるまで
サーブを打ち続けたという話を当時の彼女のコーチから聞いたことがある。

どうすれば、もっとミスらず正確に威力のあるボールが打てるのかという探求心と
満足なプレイをする為には、努力を怠らない、自分力の高さ。

探求心と自分力のある子は、将来性を感じさせる。

今、私が将来を楽しみにしている生徒の一人が
2年生のKだ。
鉄棒と観察が好きな女の子で、
年中の時に、公園で小学生が逆上がりをするのを見て
公園に通い詰め、とうとう空中逆上がりまでできるようになった。
そして、とにかく観察が好きで、学校からの帰り道、
普通に歩けば、大人なら5分、子供の足でも10分で帰れる距離を
長い時は、1時間近く、学校の花壇から、通学路に面した人の家の庭、
街路樹などを見ては、花や虫を観察しながら帰るという。
暗唱の宿題も、思ったように出来ないと、
泣きながら何度ももう一回聞いてと、訴えてくる。
決して、飲み込みが早く、なんでもすらすらできるわけではないが、
その探求心と努力には、頭が下がる。
努力することで、自分に自信を持ち、自分力が高くなる。

将来伸びる子が持っているもの、
探求心と自分力だと私は考える。
子供が歩いている時、勉強している時に
横道に逸れたら、じっと立ち止まって待ってあげることこそ
子供の探求心を育てる第一歩ではないかと思う。







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最終更新日  2008年06月02日 12時19分35秒
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