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カテゴリ:子供の気持ち
昨日は、10時半ごろに自宅に着き、
2時間ほど仮眠を取った後、3時半からのレッスンに間に合うように教室へと向かった。 最初のクラスは、今月から始まった年少さんのクラスだ。 このクラスのメンバーの一人、Nちゃんは、 お母さんがお兄ちゃんをお稽古ごとに送っていく為に 教室を離れてしまう事が嫌で仕方がない。 第1回目のレッスンの時は、お母さんが席を立った途端に泣き始めたが、 同時に他の生徒のお母さんも次のクラスに参加している お姉ちゃんを迎えに行く為に席を立っても その生徒が顔色ひとつ変えることなく、平然とレッスンを受けているのを見て 泣きながらも、隣に座った私の手を握りしめて、 懸命にレッスンに参加していた。 ところが、先週のレッスンで、出ていこうとするお母さんに 号泣し、他の生徒の迷惑になることを気にしたお母さんは、 Nちゃんを連れて帰った。(と、代講の講師から報告があった) 今週は、ちゃんと一人でレッスンを受けて迎えに来るのを待っているようにと 家で言い聞かせたというが、 やはりお母さんが、席を立つと大声で泣き始め、 他の生徒達が一斉に大泣きする彼女に驚き、レッスンが中断してしまった。 「今日も英語の勉強は半分しかできないけど、それでもいいの?」と お母さんが言うと、泣きながら、首を横に振り、 「ママと一緒がいい!」と叫ぶ。 「このまま私が行ってしまったら、 泣き続けて、他の生徒さんに迷惑がかかってしまいますよね?」 「お母さんが置いていかれた方がよいとお考えでしたら、 置いていかれて結構です。 泣き叫べば、自分の要求が通ると思わせることは、 私もいいことだと思いませんし。」 「本当にお願いしていいのでしょうか?」 私は頷き、外国人講師にこのままレッスンを続けるように目で合図をし、 他の生徒は、外国人講師と新しいアクティビティを始めた。 「じゃぁ、お母さんは行くから、がんばってね。 宜しくお願いします。」 お母さんは頭を下げて出ていった。 「ママ~!」と言って泣きながら後を追おうとするのを 後から抱きしめ、お母さんが入り口のドアを閉めて出ていくのを確認し、 教室のドアを開けた。 Nちゃんは、お母さんが出ていった入り口のドアの前に立ち、 「ママと一緒がいいの~!」と顔を真っ赤にして泣き叫ぶ。 こういう時は、最初は、隣に行き話しを聞きながらなだめ、 次に立ち直るきっかけを与える為に、 距離を置き、一人にする。 「みんなママと一緒がいいよね。」と背中をさすって声をかけるが、 地団駄を踏みながら、泣き叫び、 とうとうお漏らしをしてしまった。 「おしっこでちゃったよぉ~」 とまた泣き叫ぶ。 「ひょっとしておしっこ行きたかったの?」 と声をかけながら、後始末をしている間も 「ママ~!」と私の顔を睨みながら、地団駄を踏むながら大声で泣きわめく。 始末が済むと、私は彼女のいる場所から離れ、 教室のガラスのドアから教室の様子を覗き、 彼女に背を向け、勝手にしなさい、というポーズを見せる。 こうすることで、今度は、子供は必死で自分の要求の落としどころを探しだし 歩み寄ろうとする。 案の定、2分ほどすると、Nちゃんが近寄って来て、 「先生、ママに電話して」と私の手を握ってきた。 私が彼女の要求を受け入れることで、 彼女の気持ちは落ち着く。 電話の後は、泣くこともなく、教室の中の様子を気にするそぶりを見せるので 「先生と一緒にみんなが何の勉強をしているか、見てみる?」 と声をかけると、大きく頷いて、隣に立って 羨ましそうにみんなが、外国人講師の指示にしたがって色を塗っているのを見始めた。 「中に入って一緒にやる?」 おしりが濡れていることを気にして、 「ううん。やらない。また、お絵かきする?」 「来週もやるように先生にお願いしておくね。 来週は、Nもやるでしょ?」 「うん」と笑顔で頷く。 レッスンを終えて、お母さんがお迎えに来るのを待つ、 Eちゃんが、Nちゃんの側にやってきた。 「だいじょうぶ?」 Nちゃんは、声をかけられてびっくりしたような表情をしたが すぐに頷いた。 「そっか、急にNが泣き出したから、Eは心配したんだ」 今度はEちゃんが頷く。 「Nが泣いたのは、誰かが何かをしたからじゃなくて、 お母さんが行っちゃったからだから、もう大丈夫 ありがとうね。」 嬉しそうに頷くと 「これ、やったよ。」と塗り絵をNちゃんに渡した。 Eちゃんは、Nちゃんが一生懸命外から見ていたことに気がついていたのだろう。 私が、Nちゃんに、その塗り絵の説明を英語でしていたら、 「ねぇ、おかあさん、来たよ」 今度は、おかあさんが来たことをNちゃんに教えてあげた。 「ありがと」とNちゃんが、Eちゃんに言い、二人で微笑み合っている。 通っている保育園が異なる二人の間に新しい関係がスタートした瞬間だ。 自分の力で、ひとつの試練(?)を乗り越えて、がまんの芽を成長させたNちゃんと 自分からすすんで、思いやりの気持ちを行動で示したEちゃん。 頼れる存在であるお母さんがいない状況下だったからこそ、 できたとも言える。 幼稚園や保育園に通い始めて2ヶ月あまりで、 他人との係わり方を学び、人間的に成長している年少さんの姿を 感じた出来事だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年06月22日 07時40分32秒
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