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夢先生の玉手箱-annex

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カテゴリ:受験
中学受験を来年に控えた息子を持つ知人の奥さんから電話があった。

「アドバイスしていただいた通り、塾を変えてよかったです。
 本当に先生次第で、子どもは変わるんですね。」

知人の息子J君は、とてもおっとりした長男タイプ。
探求心が旺盛で、観察が大好きだ。
彼の興味の対象は、空 - 気象ということになる。
外資で働くお父さんは、できれば、この先受験に縛られない
大学の付属校に入れて彼の探求心を育てたいと
中学受験をさせることを決め、大手の進学塾に
4年生から通わせ始めた。
ところが、このJ君、口では友達も受験するし、
自分も受験する、と言うのだが、
相変わらず空の研究?に余念がなく、
部屋で勉強しているのかと思えば、
窓から空を見上げているので、
机の位置を窓から遠い位置に移動、
しかし、その1時間後、部屋を覗くと、
なんと、窓の下に座り込んで空を見上げているJ君の姿が…
地下室を作って、そこにJ君の勉強部屋を作りたいと
奥さんは、真剣に考えたという。

成績もかんばしくなく、入会時は真ん中のクラスにいたのだが、
とうとう最低レベルのクラスに。
大学の付属校など、夢のまた夢。
しかし、このJ君の空に関する知識は凄く
5月に一緒にJ君の家族と食事をした時に、
目を輝かせながら、空について語るのを聞きながら
今、気象予報士の試験を受けても合格するのではないかと
彼の話が殆ど理解できない理数音痴の私は思った。
食事の後、J君が部屋に入った後、
知人が、このまま受験させても
大学の付属校には入れないし
止めることも考えなければいけない、と言い出した。

「私も彼の探求心を伸ばしてあげるためには
 大学の付属校に入ることが一番いいと思うし、
 今日、彼と会ってみて、彼の探求心から
 向学心を引き出してくれる、寄り添い型の塾に代えれば
 きっと成果は出るんじゃないかな。
 それに、年齢より幼い甘えん坊タイプの彼には、
 常に先生の存在を近くに感じることができる
 少人数クラスの方が、向いていると思う。
 受験を止めるのではなく、塾を代えて様子を見たら?」

寄り添い型の塾というと個別、と考えるかもしれないが、
先生を中心に、生徒がその周りに円形にいる
イメージを描いていただければよいと思う。
(実際に円形に座っているという意味ではありません。念のため)
先生の能力によては、6名までは、
生徒に寄り添って指導ができると思うし、
団体で学ぶ楽しさも味わえる。

寄り添い型の教室かどうかは、
少人数制で、ウチは個別で対応していますよ、と口では言っていても
~ちゃんは、模試で何点、~ちゃんは何点、などと
他の生徒と比べるようなことを平気口にするような
塾長もいるので、実際に授業を見て、
先生と生徒の関係が上記の円形のイメージであるかどうか、
そして、もう一点、生徒達全員が、
眉を寄せていても、どこかゆとりのある表情をしているかどうかで
見分けられる。
寄り添い型の指導では、誰かと競争するわけではないので、
追い詰められた表情にはならない。

しかし、寄り添い型の教室自体も少ないが、
寄り添える能力を持った先生も少ないので、
だいたいが口コミで集まった生徒で手一杯となり、
広告など出していないケースが多く、
探す為には、お母さんネットワークと歩き回ることが必要となる。
運良く見つかったとしても、空きがあるとは限らない。

翌日から、夫婦で住宅地図のコピーを片手に通える範囲のエリアを歩き、
尋ね回り、見かけた塾をしらみつぶしにあたり、
ようやく自宅から車で15分程離れたところにある個人塾が
納得できる寄り添い型の塾だとわかり、彼を通わせることにした。

それから3ヶ月、その先生の彼に寄り添った指導で、
だんだんと成績を上げ、大学付属校も手が届く範囲となってきたという。
それより何より、空を見上げていても
さ、勉強しよう、と自分で机に向かうようになったことが
とても嬉しいとJ君のお母さんは電話で言っていた。

観察が好きな子は、向学心の固まりで、
磨けば光ダイヤモンドの原石だと、私は思っている。





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最終更新日  2008年08月08日 12時00分26秒
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