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カテゴリ:子供の気持ち
口さきだけではなく、心からごめんなさいが
言えない子どもが増えていると感じる。 自分の前でスキップをしてた 幼児の我が子が見るからに痛そうに バタンと転んだら何と言うだろうか? 今にも泣き出しそうな子どもに 「痛くない!」と声をかけ 子どもは懸命に顔をゆがめながらも起き上がる。 そこですかさず、 「えらい!泣かないよ!」と声をかける。 すると子どもは、けろっとしてスキップを始めた。 というような経験をした方は いらっしゃらないだろうか? 私は、幼児の生徒が転んで、起き上がる時に、 「ぼく偉いから泣かないよ。大丈夫」と 言ったのを何度か聞いたことがある。 専門家は、このようなコミュニケーションは、 のちに感情をコントロールできなくなる子どもを育てる コミュニケーションだと指摘している。 今、内省力を身につけない子が増えているという。 内省する力とは、自分の心の中にあるネガティブな部分、 不快な感情をふりかえり、見つめていく力 だと大河原教授は述べている。 感情のコントロールができずに、 すぐにきれたり、泣いたり、 パニックになったりする子どもや、 あるいは過剰にコントロールしすぎていて、 ネガティブ感情をいっさい表出することがないような子どもは ともに非をおそれ、素直にあやまることができない状態だという。 子どもに「ごめんなさい、を言いなさい」と 言ってきかせることで、心からごめんなさい、 と、言えるようになるわけではないだろう。 心から「ごめんなさい」と言える子どもは そのとき湧き上がってくる どうしようもない申し訳なさや、 不安や恐れや自責感やせつなさを 「ごめんなさい」という言葉で相手に伝えようとする。 つまり、感情と言葉が一致しているということだ。 前出の「痛くない」「えらい!」というお母さんの言葉は 転んで身体は痛いのに、痛くなくと思い込むことが 「えらい」と褒められる良いことなのだという 教育がなされていることになる。 そして、このような言葉によるコントロールを受けて育つと 痛い、こわい、不安といったネガティブ感情は 封印されてしまうので容易には出てこず、 ひとたび出てくると、溢れだし ささいなことなのに過剰に怒ったり泣いたりするという、 感情のコントロールのできない子どもになると言う。 先程の場面であれば、 子どもは、現実の身体の痛みのまま 「わ~~ん」と大泣きし、 お母さんが、身体感覚にフィットする言葉 「ころんじゃったね、痛かったね。嫌だったね。 よしよし」をかけ抱きしめて受け止めてあげることで、 子どもは、不快感情を受け止められる力(内省力)がつき 心からごめんなさいが言えるようになると言う。 大河原教授は最後にこのように述べている。 早期から大人にとって都合のよい扱いやすい子どもが よい子として求められ、乳幼児期から泣かずに 迷惑をかけないことを求められてくる今の子供達は、 自らのネガティブ感情をどう抱えてよいかわからず、 封印することのみを学習してきている。 その結果、ネガティブ感情が暴走してコントロールできなくなったり 自分のネガティブ感情にふれることができないために、 内省する力がまったくつかないままに 青年期を迎えてしまったりする。 ネガティブ感情は言葉とつながることにより 安全なものになる。 私たち大人がどのような言葉で 子どもたち語りかけるかが 問われていることを感じた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年09月11日 14時57分17秒
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