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夢先生の玉手箱-annex

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カテゴリ:子供の気持ち
11月25日の続き…

学校教育では「達成志向的」「目標志向的」であることに価値を置くので
学校で成績がよかったお母さんほど、
目標志向的、達成志向的能力を子育てに活かそうとし
必然的に母親主導で過干渉な子育てになる、
と永久氏が述べているように
子育てに達成すべき「目標」を求め、
親として「できるだけのこと」をしてやろうと「努力」する。
そして、その努力が目に見える形となって表れ
周囲からの評価も得られるのが「お受験」ということになるのだろう。

子育てが母親の代理達成となる状況が
子どもにとっって過剰な負担であることは言うまでもない。
(中略)
目標達成志向の能力を子育てに活かそうとするとき
子どもは自ら試行錯誤して育つ自由や意欲を失うのではなかろうか?


そんな試行錯誤して育つ自由を奪われた子の1人が
秋葉原事件の犯人だ!
私は、少し前に読んだ犯罪者の心理臨床に詳しい長谷川博一教授の
記事に書かれていたこの犯人が携帯電話の掲示板に残した
自分の子ども時代の思いを書いた文面を思い出した。

「親が書いた作文で賞を取り、親が描いた絵で賞を取り
 親に無理やり勉強させられたから勉強は完璧」

「親が周りに自分の息子を自慢したいから、
 完璧に仕上げたわけだ。」


小学生の発達段階では、「よい子」は
親の期待に素直に応えているだけで、
自分がそのような生き方を選択しているとは気づかない。
「よい子をやらされていた」ことに気づくのは
長谷川教授が述べているように、ずっと後になってからだろう。

勉強やしつけをめぐる軋轢から家庭内殺人を起こしたり
通り魔事件を起こすのは、ほとんどが男の子だと不思議に思っていたが
「よい子」を振る舞えば振る舞うほど
「悪い子」は自分でも見ないように深層に追いやり
自分の中の「悪い子」の心は、蓄積していき
思春期以降なにかのきっかけで、爆発的に放出するということであり、
女の子は「よい子」の裏でうごめく深層の「悪い子」の心を
思春期以降、「私はいけない子だから、よい子にならなくちゃ」
「よい子になれなかったから、私はやっぱり悪い子」と
自分を責めるようになり、自傷行為に及ぶという。

確かに「先生、よい子ってどういう子?」
「お母さんの言うことを素直にきけない私はよい子じゃないよね?」
という類の質問や
リストカットなどの自傷行為を告白したのは
すべて女の子だ。

自傷行為に耽けリストカットを繰り返す女の子たちは、
リストカットした瞬間に「気持ちが楽になる」
「ほっとする」と言うそうだ。

長谷川教授は、一般的な「よい子」のイメージは
第1に「勉強ができる」こと、
第二に「大人の手を患わせない=すなおである」ことだと述べ

「よい子」を救うためには、「よい子」を期待する心と闘わなければならない。
「よい子の破綻」は子どものトピックスではなく
親や教師といった身近な大人の「心の誘惑」の問題なのである。
いかなるときも、けっして
「子どものために」と合理化してしまわないことだ。


と、記事を結んでいる。

無意識のうちによい子の鎧を着せてはいないか
十分に注意して生徒たちと向き合っていきたいと思う。





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最終更新日  2009年12月02日 00時46分33秒
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