夢先生の玉手箱-annex

インドネシアで運営している児童館は村役場の中にあり
村議会も英語教室も児童館のスペースで行われている。

先週、児童館で行いたいと考えている
学習障害児支援の取り組みを
議会で説明するために児童館を訪れた際、
部屋の片隅に置かれた本がたくさん詰まった
4つの大きな段ボールが目に入った。

どこから来たものなのかと中を覗いていたら
県の教育委員長が、州の教育委員会での会合の際に
村に児童館があると発言したら、
この島にある国立図書館で使用していた本を
千冊送ってくれたのだと教えてくれた。

州政府までこの児童館の存在が知られたということは
児童館が島に普及する可能性が生まれたということでもあり
とても嬉しい。

村議会では、5年前、村を訪れて
児童館を作り、日本の子ども達と交流を通して
互いに学ぶ機会を作りたいと申し出た私に
私が村に来るお金を寄付した方がよいのではないか
と冷ややかに私たちの活動を見ていた副村長から、
実際に私や日本の生徒達が村に来て
村の子ども達と過ごすなど
児童館で学ぶ生徒達がこの5年間で自信を持ち
大きく成長したことがわかります。という発言出て
思わず現地スタッフたちと机の下でガッツポーズするなど
村の人たちが児童館を見る目が変わり
受け入れられたことを感じることができた。

村議会の翌日、児童館で学ぶ生徒達に
議会の承認を得ることができ、
村と一緒に新しい取り組みを始めることになった事を伝え、
日本の生徒たちもこの新しいプログラムの資金集めを
自分たちで考え実行するから
あなたたちもやったらどう？と話しをすると
是非、やってみたいと、話し合いを始めた。

5年前は、初めて見る日本人の私を
おどおどと伏し目がちに見るだけだった子ども達が
活発に意見を出し合うのを見て
その溌剌とした態度に成長を感じ、
目頭が熱くなった。

たとえ新プロジェクトが計画通りに進まなくても
その経験は、必ずや彼ら達が成長する糧になるだろう。

さて、ご心配いただいたAちゃんの一件だが、
雨降って地固まるどころではなく
お母さんがたの寛容な心の優しさが作った
きれいな虹がかかった。
それは、子ども達と私たちを包み込み笑顔にしてくれる
美しさを持っていた。

Aちゃんのお母さんにも
この虹が届くことを願っている。