「道元禅師(上)(下)巻」を読みました。
上下巻合わせて1,120ページ、かなりの長編で一月あまり掛けてようやく読み終えました。
道元は曹洞宗(禅宗)の開祖で、
福井県にある古刹・永平寺を開いた方です。
源頼朝が鎌倉幕府を開いて数年経った頃(1200年)に生まれ、
し烈な権力闘争が行われた戦乱の時代を生きぬいた人です。
高貴な家柄に生まれ、将来は摂政関白職の跡継ぎを約束されていながら、
幼くして母と死別して無常を知り、仏門に入りました。
やがて正師を求めて中国(宋)に亘り、日本にはない新しい仏教・禅を学んで帰国しました。
最初は京都で布教活動をしていましたが、当時新興宗教は既存の宗教から迫害を受け、
追われるようにして福井の深山幽谷を活動拠点にしました。
54歳で病に倒れ、道半ばにして亡くなりました。
亡くなってから750年以上経った現在でも、師の教えが連綿と受け継がれ、
日本各地に曹洞宗のお寺がたくさんあるのではないでしょうか?
石川県では総持寺(輪島市)・大乗寺(金沢市)などがそうです。
私の愛読書の著者も曹洞宗の尼僧さんで、書物の中に道元禅師の教えがよく紹介されていたので、
是非この本を読みたいと思いました。
それから大本山の永平寺・・随分以前に一度詣でたことはありますが、
当時はただ単に観光名所巡りに過ぎませんでした。
今度は750年前の道元禅師に思いを馳せ、同じ空間に立って、同じ景色を是非眺めたいと思います。