フィジー2日目 -海で英語に翻弄される-
眠いです。クルーズは楽しみですが、眠いものは眠いです。そんな朝7時。日本時間の朝4時。うん、眠い。やっとこさっとこ準備して、レッツゴー。ロビーを出ると、さっそく「ビーチカマー?」と聞かれた(らしい)。彼は、力強く「No!」と答えておりました。Noと言える日本人です。ビーチカマー島ではなく、サウスシー島に行くのです。ピックアップされる予定の場所には、ものすごくアフロなフィジアン。左胸には今回お世話になる「サウスシークルーズ」の文字がキラリ。彼にそれを伝えるも、生返事。きっと聞いてない・・・。ちなみにこのアフロのオバサマこそ、あとあとお世話になるテリーおばちゃんなのでした。朝7時50分。ビーチカマーのバスが入ってくるのと同時くらいに、チケットを忘れたことに気づき、慌てる。部屋まで取りに行っている間がちょっと心細い。うぅ。あれ、このバスじゃなかったっけ? 白いし(←色だけ?)慌ててバスを止めちゃった私。「ゴメンなさい。今、バウチャーを部屋に取りに行ってるんです」しょうがないなー的雰囲気の運転手さん。そして、伝えるだけ伝えてほっとした私。冷静になってバスを眺める。・・・? ビーチカマー?あー。彼が「No」って言ってたのって、そういうこと?うわぁーっ。「ゴメンなさい。間違えました。どうぞ、行ってくださいーっ」その直後、サウスシーの白いバスが出現。アフロのテリーおばちゃんが「キップ」と話しかけてくる。日本語?訝しむ彼。「バウチャー見せてだって」。なぜか英訳して伝える私。見せたら取り上げられた。「あれ?」と不安げな彼。(←回収しただけですよ)そしてバスに乗り込む。テリーおばちゃんも乗り込む。「あの人、サウスシーの人だったんだ」うん。ほっと一息。バスの中には30人くらいいたけど、日本人は私達だけ。そして、年代層も40~50代の方が中心みたい。ちびっこは少なめです。やたらと私に微笑みかけるおばさまが多いのは何故でしょう。意外とバスに乗るなぁ、と思っていると30分弱でデラナウ港に到着。次の難関は、チケットの引き換え。どんどん割り込んでくる外国人にタジタジ。いや、私達もここでは外国人ですが、完全に気合負けしてます。「やっぱり日本人は、品が良いんだよ」などと遠吠えつつ、往復のチケットをいただき、島での識別タグを腕に巻いてもらいました。「あっちの白い船だよ。待っててね」はいはい。待ちますよ。って、すでに屋上しか空いてないよ・・・。日差しが刺さる。麦藁帽子もってくれば良かったなと言う私に、彼が一言。「税関で引っ掛かりそうじゃない?」うーむ。ごもっとも。ちなみに、隣の大きな船はキャプテンクックのクルーズ。泊まりがけでクルージングを楽しめるみたい。2泊3日とか7泊8日とか。船の中には、シャワーやレストラン、バーまである動く高級ホテル。ま、そこまでしなくてもいいかな。でも、いつかは乗ってみたーい。さて、この船にも日本人は発見できない感じ。(←こだわる)見回してると、黄色いのを腕に巻いてる人の他に紫とピンクも発見。この色の違いはなんだろうなー。それにしても入ったのが遅いせいか、いい場所が埋まってて見えないっ。なんとかすみっこからビデオを撮ったりしていると、もう島が見える。早ーい。さすが最も近いリゾート。港から20分!折よくいい場所が空いたので、記念写真を撮ってみる。ぴーす。と、スタッフが焦って私達を指さす。「イエローバンド!? ユーァサウッシー!」あ、降りるの? 島へは小さいボートに乗り換えて行くみたいでした。色はコースの違いだったのね。うわぁ、ゴメンなさい。乗り換えたボートには船でいい場所を取ってた顔もいて、みんなちゃんと話を聞いているんだなぁと感心。近づいてきた島は、白い砂に青い海、緑の木々がわさーっと広がっていて南国のイメージそのもの。こんなところが本当にあったんだ。作り物みたいな綺麗さです。上陸して一通りアクティビティ説明を受けたものの、イマイチわからない。うーむ。隣で彼も外国人みたいな「オーノー!」のポーズ。フィジーなまりの英語でしかも早口なんだもん。隣の韓国人っぽいカップルも首を傾げてる。仲間だ、仲間。えへって笑いかけてみた。男の人はちょっと小さな松田勇作って感じだ。「小松田勇作」って呼ばせてもらおう。うん。そして解散。まずはバーへ行って、ドリンクをもらう。島にいる間はアルコールも含めてすべてフリードリンクなのです。当初の目的のシュノーケリングセットを借りる。日本で言うところのビーチパラソルの下に場所を確保して、いざ海へ・・・っと思ったところで、太鼓の音がポコポコポコポコ。「シュトーキッターィ、シュトーキッターィ」ボートのテリーおばちゃんが全力で叫んでます。でも、意味がわかりません。「ストーキング? なんだろうね」「ついてくのかなぁ? なんだろうね」島に来るときみたいに、また置いてかれたら悲しいです。でも、早く海へ入りたいです。行かなきゃダメかなぁ。そこへ、さっきの韓国人の「小松田」さん登場。「シュノーケリング」と言って指差します。どうやら、シュノーケリングツアーのようです。魚が素敵なポイントにボートへ行くようです(意訳。むしろ予想)ねぇ、行こうよ。楽しそうだし、行こうよ。「ジャンプ、ジャンプ!」ボートの上で、ほとんど最後まで躊躇してたんだけど、テリーおばちゃんが背中を押す。えっ、えっ、えっ、飛ぶの? ホント?うわぁーっ普通にボートの座席から、フィンとマスクをつけてジャンプ。ガボッ、ゴボッ。うわぁーーーっ、ムリ。足つかないし。ムリ、ムリ、ムリだってば。あれ、マスクない、ないよーっ。手足をバタバタさせる私の横を、マスクがすぅーっと沈んでく。「何やってるの。拾って、拾って」彼が言うけど、いや、ムリだって。あー。マスクがぁ。ってか、私がムリ。足がつかないの、怖い。やだーーっ。とりあえず、ボートのへりにつかまって、ぶらーんと漂う。ふぅ。ぶらーん。ぶらーん。・・・ぶらーん。どうしよ、私、ちょっとドキドキしてきましたよ。ちょっと怖い。いや、だいぶ怖い。パニック起こしそう。「・・・ねぇ、ごめん、ムリ。ひとりで遊んでて」「え、ウソ。もう?」彼の言葉がチクリと刺さる。私だって、もっと遊んでたいけど、ちょっとムリだもん。そんなふうに言わないで。海中に沈んでいったマスクを拾ってきてくれたフィジアンが「アーユ、オーケー?」と手渡してくれる。「ノー、アイムノット。プリーズヘルプミー」船に戻ることにした。テリーおばちゃんは、くりっとした目をさらにまんまるくして、「あんたどうしたの、怖いの?」と聞いてくるから、(多分ね)同じ言葉で、「怖いもん。私、船にいるもん」と駄々をこねる。背後で、70歳くらいのおばぁさまがボートからポチャン。うぅ。でも怖いもん。気づけば、小松田さんの彼女さんもボートに残ってた。泳げないのかな? うーむ。そんな彼女は、ライフジャケットをみつけ、「いいもの見つけた」という雰囲気で、スタッフのところへ。ありゃー、そうくるんだ。ライフジャケットつけて、ポチャン。「あんたもあれつけたら?」というテリーおばちゃん。「いいの。私は魚にえさをあげるの」と食パンをつかむ私。さすがのテリーおばちゃんもあきらめたらしい。こっちおいでと、餌付けを教えてくれる。鯉にえさをあげるようにパンをちぎって投げる私に、「魚が逃げちまうよ。スローリィ、スローリィ」とたしなめる。スローリィ、スローリィね。テリーおばちゃんの真似をして、水の中でパンを崩すようにすると5cmくらいの魚がわさーっと集まってきた。おぉー。かわいいじゃん。ほらっ、ほらっ。わさーっ、わさーっ。ふっふーん。ちょっと得意げな顔をしてたら、「カメラ、カメラ。撮ったげる」小声のテリーおばちゃん。わーい。カメラを持ってきていて良かった。水で壊れても、モノより思い出。ついでに彼も写真に残そうっと。餌付けを始めた彼に、今度は私が「スローリィ、スローリィ」。テリーおばちゃんが笑う。私がだいぶ落ち着いてきたのを見て取ったのか、さっき救出してくれたスタッフが、ライフジャケットを差し出す。「あんたも行ったらいいじゃない」と、テリーおばちゃん。うーむ。・・・うん。行ってみる。ライフジャケット装着。ほほぉ。「ゴーッ、ゴーッ」え、フィンもマスクもないよ。ノープロブレムって、問題ありだよー。ポチャン。あらま、意外と平気。ふっふーん。すぅーぃ、すぅーぃ。ぷかーぁ。すぅーぃ、すぅーぃ。あぁ、マスク? ありがとう。よいしょっと装着。うっわーぁ。なんだぁ? 水族館の熱帯魚のコーナーみたい。ほんとにこんな魚が普通にいるんだぁ。ウソじゃないんだ。青いのがサンゴの合間をすぃすぃ。黄色いのは無駄にひらひらしているし。うわーぁ、うわーぁ。すごーい。ひたすら叫んでる私にテリーおばちゃんが、得意げに笑う。うん、これなら、来たゲスト全員に見せたいのもわかる気がする。いいねー、楽しいねぇ。すぅーぃ、すぅーぃ。うごっ。足引っ張られた。うぅーっ「シャーク、シャーク」って、きゃー! ・・・いないじゃん。うぅーっフィジアンに遊ばれてる気がするのは私だけですか?っていうか、遊ばれてるの自体、私だけですか? うぅーっまぁ、あとはおばさま、おじさまですし。ちびっこが珍しかったのでしょう。というところで、「ボーディンターィ、ボーディンターィ」えーっ、もう終わり? まだ潜り足りなーい。(←後から潜ったから。いや浮いてたけど)うぉっと。最後の最後まで、テリーおばちゃんに船から落とされそうになった私でした。