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南風一の世界

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2024/10/02
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  祖母の記憶    南風一

あり得ないことだが
今日仕事が引けてお手洗いに行ってから
廊下に出たところで
きみと出くわした

曇天の夕刻時の薄暗さという点を差し引いても
きみの顔を見た時
まるで私の祖母に出会ったような錯覚に陥った

私の祖母が亡くなったのは1964年東京オリンピックの年ということで
年齢はまだ54歳ということだった
私はまだ4歳であり祖母の顔を記憶しているはずがないのだが
後年、祖母の写真を見て祖母の顔を覚えていたのかも知れない

とにかく彼女と私は同姓なので
何代か前の祖先まで遡れば共通の祖先に辿り着くのかも知れない
それで彼女は私の祖母そっくりの風貌だったというわけかな
(いえいえ彼女の方が私の祖母よりはずっと若いけれど)

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Last updated  2024/10/02 10:00:31 PM
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