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南風一の世界

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2024/10/04
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   恩師のプレゼント    南風一

明日は恩師の13回忌
飛行機で出発する前に恩師が生前に贈ってくれた文芸書(?)を
読んだ
もうずいぶん前にプレゼントされたもの

恩師からプレゼントされたものなので
本を受け取ってすぐに感想くらい書いて送ったと思うのだが
残念ながらそういった記憶がなくて
もしかして失礼をしてそのままになっていたかもしれない

今となっては先生にお礼や感想を書いて送ったものかどうかわからないけれど
今久しぶりに読み返してみて
新たな発見をした

それは数学者というイメージから果てしなくかけ離れた初恋とか
悶絶の恋愛を綴った先生の文章だ
そのエッセーというか小説を読んで
これは白眉の文章力だと舌を巻いた

およそ講義ではたんたんと数学の問題や定理を証明していく
その論理展開の明快さとスピードに
呆れかつ唸ったものだったが
文章力においてもこれほどの観察眼や論理構築力を持っていたのだと
改めて恩師の多才さとそれらの能力の高さに驚かされた

優れた数学者であり優れた教師でもあった恩師は
同時にいろいろな煩悩や恋愛に苦しんだ人でもあった
様々な煩悩や苦悩から逃れるために
息抜きで数学をやっていたのかなと思う
数学に取り組んでいる時だけ熱中して
なにもかも忘れている幸福な時間というのかな

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Last updated  2024/10/04 09:20:44 PM
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