忘れな草
忘れな草 南風一朝刊の書籍広告を見ていていつも目にする作家の名前ながら顔写真が載っていたのでつくづく見直した知識では知っていたけれど成程年齢を重ねるほどに父上によく似ている彼は今は亡き文豪の最初の奥さんとの間に生まれた忘れな草である文豪は精神を病んだ元奥さんを愛していた戦後間もない食うや食わずの生活を続けていくのもしんどい時代に文豪は病気勝ちでまともに生活費を稼ぐことさえ儘ならなかったよりによってそんなときに精神を病みつつあった元妻を養うことなど不可能に違いなかった当然の帰結として文豪は元妻と別れざるを得なかった生活の糧を稼げなかったというよりも元妻の精神異常の方が預かって力があったのだろう元妻との間に生まれた赤ん坊ともども元妻とは離婚してしまった内心ではいずれ迎えに行ける日がやって来ると念じてはいたけれどついにその日はやって来なかった元妻は別の男と結婚してしまい文豪もやや健康が持ち直したときに別の女性と結婚してしまった文豪は元妻を愛したのと同じくらい幼少の頃に早死した母親のことを慕っていた記憶に残っていることなどあるはずないのにいつしか自分の記憶と周りの人たちの追想の記憶が混同してしまうのだったそんなことを考えながら作家の風貌を見ていると成程どんな人間も一対の男と女の愛から生まれ落ちた貴重な一滴に違いないと納得した (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング