南風一の世界

全3894件 (3894件中 1751-1800件目)

< 1 ... 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 ... 78 >

• それから先がない言葉

  　　　それから先がない言葉　　　南風一きみも同じことを感じていたのかもしれない懐かしさだけで長続きすることなんかありえないきみや俺が進んで話題にしている話しに違いないのに「いや違う　もっと話すべきことは他にあるはずなのに　俺は一体何を話題にしているんだ？」他に話したいことがあるのにそれを話題にすることができない話したいことはずばり「今でもきみのことが好きだ　きみに会いたい」たったそれだけのことなのに携帯で話しているうちにはそんなことを一言も口に出すことはできなかった好きだなんて言えるわけなかったねそれから先がない言葉なんて無責任過ぎてどちらからも言い出せるわけなかったしね （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/11/08

  コメント(0)

• 期待と浅はかさ

  　　　　期待と浅はかさ　　　　南風一今日は雨だったので野外調査は中止屋内で今後の発掘計画と見通しの話があったいつものとおり自分の意見ばかりを述べる人がいて専門調査員の話は途中で中断してしまったきみは見切りをつけたのか途中から目の前のボランティア仲間が持参している古代道の資料に目を落として二人でぼそぼそ話を始める始末だった俺はあくまで講師役の専門調査員の話を優先して彼に話の続きを促したそうこうするうちに正午がきてその日の活動は終了したきみは待ち構えていたように「それじゃあ」と言って帰っていったもっと何か挨拶があってもよかったろうにと想ったけれど恋人でも何でもないからそんなものだろう文化の日に古瓦が出土したところに調査に行くので来ませんかなんて声をかけたことも何か気を使って馬鹿げたことだったなと今さら何を期待していたのだろう？と自らの浅はかさに厭きれている （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/11/05

  コメント(0)

• 今だから

  　　今だから　　　　南風一２２、３の小娘に過ぎないのにさあさあといった調子で回答を迫ったのは今から思えば随分せっかちで大人気なかったなと分かる今なら置かれた状況やら心境そのときの興味の有り様といったものを十二分におもんばかってじっくり待つこともできただろうになと思うきみには随分すまないことをしたと想う好きだっただけにそんなに焦らずにもっときみの気持ちを思いやることができていればよかったのにとも後悔しているこんな想いも過ぎ去ってから後知恵で感得している有様だからきみとの関係には全然生かせなかったねもっと賢かったら違った行動も取れていたものを若い頃はなぜあんなに馬鹿だったのかなと想う （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/11/02

  コメント(0)

• マツタケ

  　　　マツタケ　　　　南風一マツタケには色々あれど秋の店頭に並ぶマツタケは風情があってなかなかよい妻は見向きもしないけれど亭主の方は「おっ　いいものが出ている」といった調子でマツタケに鼻を近づけたり手で扇いでみたりする・マツタケや嗅いで味わうやせ我慢 （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/30

  コメント(0)

• 仁王立ち

  　　　　仁王立ち　　　南風一きみが調査の専門担当員に詰め寄っている言動を聞いて「これはとても浮ついた動機で近づいて行こうものなら　ぴしゃりとはねかえされそうだな」と想った外見に似合わず「おーお　こわっ」というやつだでもボランティア活動とはいえそれくらい真剣な態度にちゃらんぽらんの俺としては正真正銘の脱帽もし俺が独身だったら即座にきみにプロポーズしたのになと想ったそれくらいきみの怒った顔は美しかった （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/29

  コメント(0)

• 二人並んで

  　　　二人並んで　　　南風一俺は５、６分遅れてきみは１５分遅れてやってきた講師は国府候補地という場所を１５、６年掘り続けても何もなかったので他の候補地を掘ったらそこから国庁正殿が出たという話をした俺が小声で「早乙女さん、１５年ですよ。　これから１５年続けますか？」と問うたら「私はいいけど　南風さんは１５年したら危ないわね」という確かにそうかもしれない長い講義が終わってきみが立ち上がりボランティア仲間が後ろを通るので道を譲るとき俺の二の腕がきみの太腿からお尻に触ったやっぱり柔らかいほんの２、３秒だったけれど俺が調子に乗って腕を押し付けていてもきみは全然気付いていないようだったこんなに簡単に触れることができるきみの身体とは何なんのかな？と想うきみの意思とは無関係な身体なぜそんなに魅力的なのかな？ （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/29

  コメント(0)

• 冷やかし

  　　　冷やかし　　　　　南風一今日はきみがボランティア調査に参加している日冷やかしのつもりで携帯に電話しようと思っていたのにこういうときに限って急な用事が入って結局気が付いたときは時計の針は午後６時を回っていたきみがすでに調査現地から帰った後ではわざと過ぎるしね思いつきのように携帯に電話する意味も薄れる思いつめたりマジに電話しているように見えるのは本意じゃないし何よりきみが冗談と受け取って軽く受け流してくれないといけないタイミングというのはなかなか難しい（どうせ明後日には会えることだし） （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/27

  コメント(0)

• 小悪魔かな？

  　　　小悪魔かな？　　　　　南風一たまに声を聞くと無性に可愛いと想う６千万の女性の中のさらにその中の三十代前半の独身女性の一人に過ぎないたったそれだけの女性に過ぎないきみをなぜそんなに魅力的に感じるのかな？手近なところで一番セクシーさを感じられるから？一番お手軽に恋人という疑似体験ができるから？マジに迫らない分には人畜無害でいる分にはいつまでも可愛く振舞ってもらえるのだろうと想うただしそれだけの関係そこから一歩も踏み出してはいけない （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/25

  コメント(0)

• 消える

  　　　消える　　　　南風一散歩の折に道端や電信柱の下水路脇や田んぼの端を眺め回したところで奈良時代はおろか江戸時代の瓦片や土器片などそうそう落ちているものではない家々の屋根を見たところで新しい家々は大抵無地の似たような瓦が並んでいる散歩の折に奈良時代の瓦片や土器片がころがっている町は若い人が少なくなって疎らに出会う人はお年寄り土地の流行廃りも世の常　人の常だろうけれど発掘された瓦片や土器片掘立建物遺構でようよう往時の繁栄ぶりを知るところとなる時代が流れ人が死んでしまえば人が作ったものは何もかも崩落して消える何千年か何百年が過ぎて土中に埋もれた遺跡や遺物が偶然掘り出されたからといって誰が生きていたのかどんな暮らしを送っていたのか誰も知らない （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/23

  コメント(0)

• いいからだ

  　　　いいからだ　　　　　南風一年齢だけによるわけではなし都会とか地域によるわけでもないいいからだの女性は確かにいい身体の女性いいからだというものは顔とか性格とか住む場所とか知性とかとは全くもって無関係だろうそんなものに惚れる男がいていいからだは確かに魅力的には違いないけれどそれがなんぼのものといえる？街角ですれ違う魅力的なからだの女性を見てこんなにいいからだの女性はたくさんいるのだから男どもにすれば確かに血迷うに違いないそうしていつの時代も何処の地域でも大人になった女はいいからだを持ち大人になった男はいいからだの女に血迷ってしまういつの時代もどこの地域でも同じことが繰り返されているのだろうなあ （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/19

  コメント(0)

• 永遠の勘違い

  　　　永遠の勘違い　　　南風一何度聞いてもおんなじことばかりしゃべっていたのだろうきみの口ぶりからは多分昔むかしにも同じ質問をしたのだろうきみの回答を聞いても信じていなかったからかな？結局きみの言葉なんかさっぱり憶えていない記憶しているのはきみと友だちが学園祭で掴まってしまって小一時間も教室の外で待ちぼうけを食わされてしまったことそんなに何でもないことだったのならなぜその後もう帰るなんて言ったのかな？（もっと俺に付き合ってくれたって良かっただろうに）それから数十年たった昨年だって一回電話で話した切りで一体俺の何処に愛想を尽かせたのだろう？（それから何度きみに電話をかけたところで受電拒否だなんて）俺はずーっと何かを勘違いしていたのかな？おそらくそんなところかな （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/18

  コメント(0)

• 瓦職人

  　　　瓦職人　　　　南風一文化財専門員に見てもらったら確かに廃寺の瓦に間違いないという廃寺は軒丸瓦と礎石が見つかったことからおそらく存在したであろうと言われている幻のお寺いまだ発掘されていないから本当に存在したものかどうかは不明それにもかかわらず１３００年のときを隔て古瓦の破片は道端に無造作にころがっている１３００年の間には幾度の旱魃や台風暴風雨や火事や戦乱を見てきたことだろう瓦を焼いた人も瓦を寺に寄進した人も寺に住んだ人も寺に集まった人たちもみんな消えてしまって割れた瓦片だけが２１世紀の今に残るこんなに後世まで残って風雪に耐えるどころか自分が作った瓦がこれほど長く現存し続けるなんて当の職人は天国で随分おったまげていることだろう （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/15

  コメント(0)

• 友だち

  　　　友だち　　　　南風一結婚式のとき友だちを代表して祝いのスピーチをしてもらった今の職場に転職した家を建てた子どもたちと公園で遊んだ子どもたちを高校や専門学校までやった（まだ一人学校に通っている子どもがいるにはいる）友だちも結婚して２５年は過ぎたかな子どもも成人した友だちも転職した近頃は休日に夫婦二人で四国八十八ヶ所巡りを終えて今度高野山へお参りするという高校生のとき二人でペアを組んでバドミントンのクラスマッチに出場したことがあった惜しくも一回戦で負けてしまって友だちには残念なことをした結婚式のときは私鉄ストが重なって友だちの車で妻と二人で向かえてもらったもうあれから数十年が過ぎて友だちも俺もまた昔の高校時代のように気楽に遊んで暮らせたらと語り合ったのだった２０年も１０年も８年も５年もあっという間に過ぎ去っていた （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/08

  コメント(0)

• たまに声を聞くと

  　　　たまに声を聞くと　　　南風一仕事がなければ１０日でも１ヶ月でも連絡しないことがあるそれでも仕事が出て連絡してきみの声を聞くと「なぜこんなに可愛い女性が売れ残ってしまうのかな？」と不思議に想う一年前にはつい調子に乗ってしつこく電話をかけたためにぴしゃりと拒まれたことがあったっけそんなキツイ女は敬遠されるのかも知れないねでもきみは魅力的だと想うけれどやっぱりそんな魅力に釣られて一生尻に敷かれたのでは堪らないということかな俺なら尻に敷かれていいと想うけれど歳が離れすぎていて一緒になるにはちょっと無理だね （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/07

  コメント(0)

• 運命的な出会い

  　　　運命的な出会い　　　南風一考えてみれば狭い田舎の３、４キロメートルしか離れていないところに暮らす者同士の出会いが世界レベルのものとか運命的といえたものかどうかそんなことは虚構に違いないきみが大学生だった頃道で会ったきみのお母さんはちょっとふくよか過ぎるかなと思ったけれどきみもすでにそんな年齢を超えてしまっただろうそのときのきみのお母さんの姿は今のきみの姿かな十分魅力的だったけれどそれでももし会えるなら若かった方がいいな若かった頃のきみとはそんなにデートしたこともなかったものねいつも仲たがいして音信不通状態の方が長かったからなぜあんな狭い世界の出会いに過ぎないことを運命的なんて勘違いしたのかな？ （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/06

  コメント(0)

• 古代道踏破

  　　　古代道踏破　　　南風一「うぅんもうー」「もっと早く歩いてよー」なんてきみは牛みたいに俺を急かせる前を歩く人たちだってそんなにせっかちに歩いてなんかいないだろ？なぜそんなに急かせるのかな馬耳東風の俺の様子にきみはすっかり機嫌を損ねて口を尖らせているそんなことを言いつついつかしら先頭グループに混じってきみはしんがりのことなどすっかり忘れている出発のときには私がしんがりよなんて言っていたくせにすっかり忘れてじゃじゃ馬娘に戻っている （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/04

  コメント(0)

• 男と女

  　　　男と女　　　　南風一女に何を求めるか？それは時によって年齢によってあるいはその男の置かれた境遇によって異なってくる千差万別だけど一致している一事はそれによって男は生きる価値を見出しているそれだけのこと男は生きるためにあれこれ足掻くそれで恋の相手は老いも若いも醜女も美女も悪女も聖女もいろいろ登場して話題を提供することになる （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/03

  コメント(0)

• タイムマシン

  　　　　タイムマシン　　　南風一まさかあり得ないことだけど図書館に行くと小学３、４年生くらいの子どもを二人連れたお母さんがいる細身でスタイルはいいし顔を見ればまさか女学生のときのきみが１０年歳を重ねたらこんな風になるのかなと思うくらいきみに似ているまさかきみに小学生ほど小さな子どもはいなかったからこれは何かの間違いに違いないそれにしてもきみに似ているこちらを見ても俺に目を止めることもないからきみでないことは間違いないそんなことよりたとえきみであったとしても俺の方はすっかりおじさんじみた風貌だからまさか気付くこともないだろうそんな風にして一年一年歳をとって死んで行くのだろう気持ちだけは若い頃と変わらないけれどね （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/02

  コメント(0)

• フランス料理

  　　　フランス料理　　　　南風一日本のフランス料理は本場より美味いというそんなフランス料理をきみと一緒に食べたそれはもう２０年以上も前のこときみは格別可愛いかったから東京を離れる前に最後にきみとぜひ食事を一緒にと思ったのだった店の当たりはつけておいたけれどきみと俺以外には客はないようだった六本木で店を二人占めしたみたいで楽しかった帰りに電車を待つ間きみは義務でもそう振舞うのが礼儀と想ったのかなベンチに並んで座ると頭と身体を寄せてきて「ちょっと酔ったみたい」とうっとりしていたそれから電車が来て「今日は楽しかったわ。さようなら」それっきりだったきみは結婚したと風の便りに聞いたけれど今頃は子どもたちもすっかり大きくなっていいお母さんになっている頃だろう （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/10/01

  コメント(0)

• 世界で一番魅力的

  　　　世界で一番魅力的　　　南風一小さな町のありふれた男と女の飯事に似た恋愛ごっこ今から想えばそれくらいの近視眼的で世間知らずな者同士の他愛ない戯れごとに過ぎなかったと分かるそんなことに７０年か８０年か知らないけれど確かに生物の寿命からすれば大半に違いない期間を賭けるなんてことは馬鹿げたことに違いなかったそれくらいの恋ならそこらへんの街角に幾らでもころがっていたよななんてことは今だから分かるでも何処にでもころがっている石ころのような恋を掴むしか俺たちには恋を掴む術がないんだそこのところが一番の困り事だきみが世界で一番魅力的と想えたのにな （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/30

  コメント(0)

• 秋空

  　　　秋空　　　　南風一「どうしたんですか？」と訊ねれば守衛は「空を見るともう秋ですね」というわざわざビルの谷間から空を見上げてなかなか風流な言葉に感心した心の余裕がそう言わしめるのかそんなことを感じるくらいしか仕事がないのかそんなことは分からないけれど空も空気も確かに秋のものに違いないめっきり秋めいたせいかカレンダーを見ているのに９月を１０月と間違って思い込んでいるそうかと思ったらまだ７月という言葉を口に出している輩もいたりする自然はすっかり秋に衣替えしたのに人間の頭だけが早く進みすぎたり遅れたりする （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/28

  コメント(0)

• コケットリーな

  　　　　コケットリーな　　　南風一「んもぅ　南風さんが遅いから出ちゃったじゃないの」ホームの向こうできみは出発した電車を恨めしそうに見ている「ごめん　ごめん」そういう言い方をされると本当にコケットリーな女の子風でなかなか魅力的なんだなあ責められていながらきみの言葉つきを楽しんでいる （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/25

  コメント(0)

• 秋

  　　　秋　　　　　南風一先週末から朝晩がめっきり肌寒くなってうっすら金木犀が香り始めた金木犀の香りは秋のにおい遠い小学生の日運動会で昼食弁当を広げたとき頭上からぷーんといい香りが漂ってきたものだったまた剪定した木の幹や枝の切り口から木の香りがぷーんと香る人は死んでしまえば余りいい香りはしないけれど木は白い切り口からいい香りを放つちょっと涼しくなっただけでもう冬が訪れたように勘違いしてしまう夏の出会いの後時間はせっかちに過ぎてきみとの時間を楽しむ暇はなかった夏の後にはすぐに冬そんな記憶も影響しているのかな？２、３日肌寒い日が続いただけでもう秋が過ぎて冬が来たように思い込んでいる （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/25

  コメント(0)

• 逆から

  　　　逆から　　　　南風一いつもなら最後にたどり着く処から逆に出発したいつも向こう側から見慣れているはずなのに全く違う道を歩いているような具合だった家は知っていたけれど逆から表札を見て初めて姓を知った家も一つや二つではない散歩の最後近くで時々会う犬を連れた女性にはちょうど並行するか追っかける形になるのでおそらく会う確率は低いだろう時間的にも少し早いからそれは仕方あるまい逆の光景には初めて歩くような新鮮さがあったので時間はあっという間に過ぎたときにはきみに逆から会ってみれば良かったのかも知れないねそしたら違った魅力にまた新鮮さを感じていたのかも知れない （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/24

  コメント(0)

• 幸せな休日

  　　幸せな休日　　　南風一思い込みとは幸せなもので掃除や洗車を挟みつつ今日は一日中石を磨いたり洗ったりしたやすりで削ったりサンドペーパーで磨いたり洗ったり乾かしたりタオルで拭いたりそれはそれは何度も何度も好きな人が現れるのを待つように何度も磨いては眺めた結局幾ら削ったり磨いたりしたところでどう贔屓目に見ても石の結晶面以外の何物でもない音も相変わらず瓦のような軽い音を立てない結論は石に違いない奈良時代の瓦片であるわけがない願望がただの石ころを１３００年も昔の人工物に思い込ませた自分が向こうを好きなだけなのに相手もこちらに好意をいだいているに違いないと思い込むそんな青少年時代のころとちっとも変わっていない俺 （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/23

  コメント(0)

• 美しさ

  　　　美しさ　　　南風一仕事をすること以外に今をどう過ごしたらいいか？それに対する答えは持ち合わせていない一日一日きみは着実に老化しているのだろうけれどとりあえずそんな変化を一日足らずや一週間足らずあるいはもっと一ヶ月足らずで知ることはできない一年か五年くらい会わなければすぐに老化に気付くのだろうけれどそこまでしてきみの老化を確認する必要もない今だからそう想う十年前にきみの裸体を見ておけばどんなにか美しかったかな今でも十分過ぎるほど美しいに違いないけれど十年前ならばもっと美しかっただろうに結婚できたか否かってのはその美しさを早く捨てることができたか否かってこときみは美しさに拘ったからかな？未だ捨て切れずにいる （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/22

  コメント(0)

• きみをまじかに

  　　　きみをまじかに　　　　南風一せっかく訪ねてくれたのに今日は立ったまま奥の応接室に入らずにいる資料を貰うだけだから１、２秒もあれば事足れりということかもしれない本当にすぐに用事が済んでしまったので俺はきみの顔を見て「本当に（向こうに）入りません？」と訊いた「寄りましょうか？」ときみの方も理由はないけれど俺がそう言うので応接室に立ち寄るべきかなと想っている理由はないけれどきみをまじかに見ていたいそんなときだってある （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/21

  コメント(0)

• 秋口

  　　　秋口　　　南風一秋口になれば想いだす人がいる春先から夏の終わりまでが華だった出会いは二人の共通の友人の結婚式きみはお父さんの急死により急に家業の牛乳屋さんを継ぐこととなった早稲田の商学部を出てちょっと残念だった俺は文系学部から理系大学院を志望するというちょっと夢みたいなことを考えていたお互いの境遇が宙ぶらりんでちょっとコースから外れたところに親近感を持ったのかな昼間はお互い忙しかったから二人がデートしたのは夕方からだったきみの胸板は薄く随分痩せてますねと言えば「出るところは出ていますよ」というのがきみの口癖だった俺が大学院に進学した後はご多分に漏れず連絡が遠ざかったたまに思いついたときだけきみに電話したきみを以前のようにデートに誘うこともなくなったある日電話したとききみは共通の友人から俺の結婚のことを知らされていた妻がお産で実家に帰っているとき半分冗談で「泊まりに来ない？」と誘えば「奥さんに悪いわ」と言ったそういう冗談をすっと言えてそれに真正面から応えてくる俺が好きだったのはきみのそんなところだった （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/19

  コメント(0)

• 恋の終わり

  　　　恋の終わり　　　　南風一きみのことをどう考えればいいのかな？古代道を探索すること自体に興味があるそのことは分かったきみが先頭に立って意気軒昂と資料片手に歩く勇姿を見て俺の興味はもうきみと違っているのかなと感じる俺は国府探索という大目標があってそれに関連する限りで古代道にも興味がある最終目標から切り離して古代道自体を探求するほどの好奇心はない薄い網状のブラウスから透けるブラジャーの胸の膨らみばかりに目が行ってそんなスケベ心は変わらないけれど昔のようにきみの姿自体に胸ときめくということはなくなったこれも慣れなのかな？それとももうきみに係る詮索というか興味がなくなったということか恋の終わりは随分あっけないもの一面詰まらなくもありほっと安心しているところもある （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/18

  コメント(0)

• ビール券

  　　　ビール券　　　　南風一ことさら供養でも忘れたいからでもなくただ偲ぶためにかなやり手の営業部長さんから貰ったビール券を一挙にビールに交換してきたこの夏には最近２、３ヶ月何も発注していなかったから特に挨拶もなかったのだろうくらいにしか思っていなかった一昨日久々に出すものが出たので電話をかけると「退職した」というなぜかな？と思って社長さんが訪ねてきたときに理由を聞いたやり手の営業部長さんはある日の月曜日何の連絡もなく出勤しなかったというその日は一日中携帯に電話してもつながらなかったというその日も終わりになり会社の同僚が駐車場に行くとひょっこり営業部長さんが現れたという同僚が「今日はどうしたのか？」と訊くと「これから出勤する」というそのまま会社に来たので社長さんが様子をみるとどうも身体を傾けて生気がない言うこともおかしいので「これから病院へ行こう」と言って脳神経外科へ連れて行ったという脳神経外科でＣＴスキャンしても特に異常はなかったという翌日から１ヶ月くらいは普段と変わりなく元気に会社に来たという１ヵ月後にまた会社に出勤しない日があった今度は別の病院へ連れて行って精密検査をしたすると白化脳症という症状は痴呆と同じという今は精神病棟に入院しているというまだ５０代半ばなのに痴呆とはちょっと早過ぎる家族は大変なことだろう普通にやっているのが当たり前そう思って暮らしているけれど突然普通でない暮らしに転落することがあるそれでも正常な意識があれば復活もできようけれど自我さえ壊れてしまった日にはどうやって元の自分に戻ればいいのかな？どういう因果かな？本人には罪はないのだろうけれど （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/17

  コメント(1)

• 恋の極意

  　　　恋の極意　　　　南風一すっかり慣れてしまった所為かな憑き物が取れたみたいにきみのことを何とも想わなくなったそれは想ったところで実現性がないからかなそれとも一時の惚れこみときが過ぎればメッキが剥げるように何とも想わなくなった多分きみに恋した男はこれまでにも幾人かはいたのだろうけれどそのうち何の進展もないうちに当初の熱中も冷めてしまったのかなと想像するこれはと想った男がいたらさっさと捕まえるそれが恋の極意だね （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/16

  コメント(0)

• どうでもいいことを

  　　　どうでもいいことを　　　南風一好きな人が本当はどう想っているのか知りたいときがあるように果たして自分の考えが白昼夢なのか現なのか不安に駆られて他人に判断を求めたくなることがあるどうでもいいことを喋ったところで何の利益もあるわけじゃないけれどね果たして自分は狂っていないのかどうか確かめたくなるときがあるのだね （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/15

  コメント(0)

• 秋の訪れ

  　　　　秋の訪れ　　　　南風一金木犀の下に立って少し欠けた満月を見上げるとぷーんと甘い香りがする見上げると月の明かりに照らされて秋は金木犀の下枝まで達したこれから木の中腹木の天辺近くまで何日かかけて登るのだろう？秋にしてみれば５メートルに足りない金木犀の木に１センチ単位の境界線を引いてあるのだろうもう一度台風がやってきたら一夜にして木の天辺まで駆け上がるのかもしれない （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/14

  コメント(0)

• 心ときめく

  　　　心ときめく　　　南風一そんなに親しかったわけじゃないからね（そのくせ電話だけなら何時間も話したけれどね）特別きみと俺が恋人だったわけじゃない友だちのような関係だったけれどそれだけのこと好きでも何でもない結婚候補でも何でもなかったそのままプツリと途切れただけだからもう一度続きを再開できるかなと淡い期待を抱いたけれどそれはやっぱり虫が良すぎることだったきみだって一瞬淡い期待に心ときめかせたくせに随分酷な仕打ちさやっぱり会えないのかな （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/13

  コメント(0)

• 十五夜

  　　　　十五夜　　　　南風一きみの誕生日がいつも十五夜の前後なんてことを知ったのはあとのこと３６５日のうちの一日が好きな女性の誕生日と結びつくことで特別な意味合いを帯び始めるそれ以来きみのことは忘れることがあっても十五夜が近づくと（きみその人ではなく）きみの誕生日のことを想い出すきみ自身からは俺が去って行ったのだしきみ自身も特別に俺に惹かれていたわけじゃないからきみと俺がうまく行かなかったこと自体はどうってことはないただうまく行かないことは最初から分かっていてそれでもＬｅｔ’ｓ　ｇｏ！くらいの軽い気持ちでスタートしてみれば何かがまた違っていたのかなとも想うそれはまた来世の課題だね （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/12

  コメント(0)

• 樋の落ち葉

  　　　樋の落ち葉　　　　南風一前回車庫の屋根の樋の掃除をしたのが７～８年前だったかな？スコップで落ち葉の朽ちた土を掬うと買い物袋２杯分になった１年ごとに体積する量は微々たるものだろうけれど７～８年のうちには樋は朽ち葉で一杯になり雨水が流れなくなるそうそう何度も掃除するわけでもないけれど掃除したときには随分長い歳月の流れを感じてさて前回から早や７～８年が経ってしまったのだなと感慨深いそうして着実に歳をとっている家のローンも最初は随分先が長いように感じたけれど残すところ一桁を切って今度落ち葉を掃除するときは多分定年退職の頃になるのだろう （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/11

  コメント(0)

• いつもなら

  　　　　いつもなら　　　　南風一今日の作業分担を決めたところできみが現れた「あれ！早乙女さんが来ましたよ。　いつもより遅かったですね」「南風さんより遅くなって　いつもの逆ですね」「早乙女さん　遅かったですね」「ちょっとしつこかった？」と言えば「そうねえ　南風さんに言われたらおしまいね」きみはそう言って笑っている確かにくどかったきみが遅れてくるなんてありえなかったからいつもなら分担が決まったところに俺が駆けつけるのにね （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/10

  コメント(0)

• 本当は

  　　　本当は　　　　南風一今回も後輩の方が先に片付いてきみはまた取り残された後輩にあってきみにないものきみにあって後輩にないものそんなものはたくさんあるだろうに後から入ってきた後輩ばかりが先に寿退社してなぜきみは残ってしまったのかな？それはきみの意思かもしれない意思ではなくて望んでいるのに叶えられないのかも知れないそんな気もない女性に結婚しようなんて近づいていく男は確かにいないだろうでもそれだけではないだろうきみは本当は結婚したいのに本当は縁に恵まれないだけなのかも知れないね （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/09

  コメント(0)

• やりたいと気づくことがあったら

  　　やりたいと気づくことがあったら　　　　南風一最近の円高なども聞き慣れた話題のようで実は奥が深かった大学生の頃に受講登録だけして一度も講義に出なかった「外国為替」試験の前に講師が書いた新書を１冊だけ読んで何とか単位を取った今ならこれほど奥が深い外国通貨の交換比率に関するものならばどれほど授業に出て勉強しても飽きることはないのになあと想う若すぎて学問の価値が分からない価値が分かってもっと深く勉強したいと気づく頃にはお金も時間も気力も消え失せかけている同じように若い頃のきみにも俺にも戻れないけれどやりたいと気づくことがあったらすぐにでも取り組みたいね若い頃のような後悔は二度と繰り返したくないねというかもう後がないものね （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/05

  コメント(0)

• ふらっと外に散歩したとき

  　　　ふらっと外に散歩したとき　　　南風一話したことがないのにきみが誰なのか知っているきみの方は俺のことを知らない何も考えずふらっと外に散歩したとき犬を散歩させるきみに出くわす今日も曲がり角の向こうからワンピース姿の女性がやってくる姿が見えた茶色と白のぶちの犬を連れている姿を見てきみだと気づいた風が吹いて一枚きりの布切れがぴったり身体に張り付いてボディラインを露わにする今日はすれ違いざま思わずきみの姿をもう一度眺めてしまったそれにしてもナイスバディでもどうすることもできない （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/04

  コメント(0)

• あれから

  　　　　あれから　　　　南風一きみと２５年ぶりに話したのにあれから１年あまりが過ぎて現実だったのかそれとも夢だったのかそれさえ判然としなくなった話すまではあんなに積極的だったのに一度話したあとはなぜ冷たくなったのかな？何かきみなりの事情があったに違いないけれど俺が鈍感なせいかな俺には理由が分からない懐かしさだけの喜びはそんなに頻繁であってはならないそれに反して俺は何度でもきみと話がしたかったそしてあわよくば何とかもう一度会いたかったそこかな？きみがぴしゃりと連絡を絶ってしまったのはやはりもう一度会うというのは叶わない夢だったのかな （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/03

  コメント(0)

• 昼寝

  　　　昼寝　　　　南風一台風の風雨の音を聞きながら眠っていると夢を見た川の堤防が決壊して付近は水浸し水の向こうに家族が取り残されている俺が「何やっているんだ？」と大声を上げたら「車で早く助けに来てよ」という川が氾濫して水浸しになっているのに車でなんか行けるわけないじゃない何言ってんだと思ったところで目が覚めた外を見るとまだ雨は大したことがない台風を気づかって眠るだけでこんな夢を見るのだからもしきみのことを考えて寝たら夢できみに会えるのかな？ （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/03

  コメント(0)

• 台風

  　　　台風　　　　南風一猛烈な台風が近づいて家が揺れるほど風が吹きうなり声を上げる街角は車の通りは疎らになり人影も疎らになって人々は屋内に籠ってひたすら何事もなく無事に台風が吹き過ぎてくれることばかりを願うそんなときには好きな女の子のことも彼女のことも頭から吹き飛んでしまっている自然に畏敬しながら日々の暮らしを全うしていく自然と折り合いをつけながら生計を立てていくそんな営みがどれほど大切なことかたまにやってくる災害から気づかされている （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/02

  コメント(0)

• 写楽と歌麿

  　　　写楽と歌麿　　　　南風一郵便局に立ち寄って順番を待つ間切手シートを見るともなく見ていると写楽や歌麿の浮世絵シリーズがあったそういえば小学生の頃切手収集ブームがあって写楽やビロードを吹く女という切手には相当なプレミアムが付いて小学生には手が出ない貴重な代物だったつい１５年前に日本で一番大きい切手といわれる見返り美人と月に雁が復刻されたときも２シートばかり買い求めて小学生の身には高値の華でとても手の届くような代物ではなかったのでたとえ復刻品ではあっても随分感慨深いものがあった自宅に帰って早速見返り美人と月に雁の切手シートを探した確かアルバムに挟んでいた・・・そう思って子どもたちが小さかった頃のアルバムを繰ってみた今や成人した子どもたちではあったが赤ん坊だった頃の姿や幼児だった頃の姿は確かに面影の中にある妻や我が身も別人かと見紛うばかりで裏返せばそれだけ親は年をとり子どもたちが成長したということだったそうして何もかもが過ぎていく （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/09/01

  コメント(0)

• 恋愛の対象以前

  　　　恋愛の対象以前　　　南風一職場の同僚だから恋愛の対象以前と思っているだから毎日隣り合っていても椅子を引いたとき膝やふくらはぎが目に入ることがあってもときに前かがみになったとき胸の膨らみが覗くことがあっても何とも思わなかった異動してからも電話があって鼻につくような声を聞くことがあってもばったり戸外で出会うことがあっても以前のとおり気安く挨拶してそれじゃあと言ってまた暫く忘れるもし何の理由もなくデートに誘ってセックスできたらそれはそれで楽しいのかも知れない先がないからその先はない（そんな悦楽が楽しいものかどうか　それは不明）それでも受話器の向こうにきみの声を聞きながらきみの裸を想像してみる （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/08/30

  コメント(0)

• 夏休み

  　　　　夏休み　　　南風一昔なら１ヶ月プラス７日余りあった夏休み毎日プールに明け暮れて真っ黒くろすけになって戸外を遊び回っていた最初は長いなと思ったそんな夏休みもいざ終わりが近づくと意外に早かったなあと思う好きな女の子に会える日を指折り数えて待っていたやっと好きな女の子に会える幾分遊び呆け過ぎてそろそろ学校が恋しくなった頃でもあった夏休みが明けると今度は運動会の練習に明け暮れた毎日が運動と遊びで勉強なんか忘れていても学校は楽しかったもう何十年も昔の夏休み幼くて元気の良かった友達も若くて美しかった友達のお母さんや先生もみんな何処かに消えてしまった （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/08/29

  コメント(0)

• 余りに巨額すぎて

  　　　余りに巨額すぎて　　　南風一学生の頃疑問に思って先生に訊ねたことがある「なぜ日本人は無謀な日中・太平洋戦争に突入して行ったのですか？」「それが分かったらノーベル賞ものだよ」先生は事もなげにそう答えた確かに色んな要因が混じり合って戦争は起きたのだろうと思ったところがそれは違っていた大人の無責任だね今の政治状況や経済状況を見ていたら確信を持ってそう思う９００兆円に余る借金があってもとても返せる額ではないので問題先送りに終始する政治家や国民毎年度収入不足なのに支出を削れない政治家や国民破綻への道を突き進んでいるにもかかわらず誰も自分の責任とは思っていないし自分が借金を返す当事者とも思っていないこの先は必然的にハイパーインフレを起こして強制的に借金を紙くず同様に無価値としてあらゆる資産を同様に無価値にして新円切り替えをやるこれにて９００兆円を超える借金はものの見事にチャラになるこうする以外に政治家も日本国民も解決手段を持たない国民みんなが借金を使うには使ったけれど誰もが自分には払いきれる金額ではないと感じているこうしてなす術もなく戦争に突入して行ってしまったようになす術もなく財政破綻へ突き進む誰にも進路を変えることは出来ない借金が巨額すぎて誰もが無責任になる以外の術を持っていない問題がすでに１国民の人知を超えている解決者能力の欠如 （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/08/28

  コメント(0)

• 近頃のきみ

  　　　近頃のきみ　　　南風一慣れてくると誰も彼も自分に興味があることしか注意が行かなくなるのかな自分が先に話していると思い込んでいるから遅れて来た者が挨拶代わりに話した質問を「シー聞こえないわ」と遮って自分の話が優先することを知らしめようとするそれは悪いことをしましたね調査に出発する前にだって俺がほっつき歩いて収集した土器の破片には目もくれずこれから調査に出発するときに何をやっているのという眼差しで完全無視を決め込んでいた最初はそんなことはなかったのにね無関係と思うことにはとことん寛容ではなくなった結論だけを求めているようで随分味気ない人柄に見えるね （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/08/27

  コメント(0)

• 歌と消費物

  　　　歌と消費物　　　　南風一若い頃歌なんてさして興味もなかったし何とも思わなかったそれとは逆に恋した女の子のことなら一日中でも数年に渡ってでもこれしかないみたいに想い続けていたそれから数十年が過ぎて休暇中の趣味の調査に向かう車の中に流れるラジオの歌歌を作った人も歌った人も過去のことを歌う恋したときは確かにきみしかいないと想い込んだはしかのような懐かしい想い出そんな年頃でなければそう錯覚できない想い出そんな風にはしかの年代を通過して俺も普通の若者の一人であった事実を体験したかったのだと分かるアクセサリーかファッションのように今だからそういう感情も歌のように浸ることで心地よい消費物の一つに過ぎなかったと分かる （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/08/26

  コメント(0)

• 雨のち晴れ

  　　　雨のち晴れ　　　　南風一悪玉コレステロール値が下がって総合判断はＢγ－ＧＴＰは少し上がっているけれどそれほどでもない雨が上がって晴れうだるような暑さが涼しさに変わる日がある日ごろの精進かどうか分からないけれどきみに会った日みたいな予期せぬ贈り物 （詩集の宣伝）「どこにでもある光景」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2011/08/24

  コメント(0)

全3894件 (3894件中 1751-1800件目)

< 1 ... 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 ... 78 >