「俺」
「俺」 南風一温泉の洗い場の鏡に映る姿は確かに「俺」に違いない俺には違いないのだろうけれど俺はこんなだったかな?と不思議に想うそもそも「俺」がどんな姿をしていたかなんてそれらしいことは写真やらでそんなものだろうと思い込まされていたに過ぎなかったそれでも昔の「俺」の姿とは随分違ってきたそれは年齢を重ねた所為かも知れないそれとも老化していく生物に過ぎないのだから当たり前の摂理を目の当たりにしているに過ぎないのかも知れない俺なんて一皮剥けば黒くなった皮膚の中に筋肉やら脂肪やら血液やら水分が詰まった物体に過ぎないやがて死んでしまえば土に還るきみを好きになった俺がいたことが夢ならば好きという行為だって単なる思い上がりに過ぎなかったやがて歳をとって土に還るに過ぎない男だったのに何を粋がって生きてきたのかな (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング