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ブログ版 南堀江法律事務所

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Bar UKからのお知ら… うらんかんろさん

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2008/11/05
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カテゴリ:法律、制度
うちの事務所でたまにある光景ですが、離婚がらみの相談ということで、夫である男性がこういった話を持ち出すことがあります。

「私は借金をたくさん背負って、妻にも迷惑をかけたので、この際、妻と離婚したい。私には妻に与える財産はほとんどないので、私の持っている自宅の名義を妻のものにしたい」
といった話です。

弁護士ならこれを聞いて、誰だって「財産隠し」を疑うことでしょう。
借金を背負った男性が、自分の資産を差し押さえられないように、離婚した妻への「財産分与」の名目で過大な資産を譲渡するわけです。

こういった譲渡は、そもそも無効だし(民法94条、虚偽表示)、夫の名義に戻されて差し押さえされるし(民法424条、詐害行為取消権)、刑法上も犯罪になることがある(刑法96条の2、強制執行妨害罪)。

ですからこういう相談については、上記のことを指摘しますし、
「あなたがどうしてもやるというなら私は何も言わないが、私がその依頼を受けることはできません」ということにしています。

そもそも、夫の借金はあくまで夫のものであって、妻に責任が及ぶわけではない。
だから「夫の借金が妻に及ばないようにしたい」ということ自体が、法的に言えば誤りということになります。

ただ「夫の借金は妻に及ばない」(妻の借金も夫に及ばない)という原則には、いくつかの例外があります。

たとえば、
妻が夫の保証人になった場合(それがイヤなら保証人のハンコをついてはいけない)、
夫が死んで妻が相続した場合(借金が過大な場合は相続放棄すべきことになる)、
日常の家事の範囲で夫が借金した場合(夫がツケで家庭用の食料や日用品を買ったなど)、
がこれにあたります。

それ以外に、夫の借金で妻に累が及ぶ場合として考えられるのは、
債権者(貸主)がヤミ金融その他、違法な(またはスレスレの)取立てを行う類の人であり、妻に法的責任はないとわかっていながら嫌がらせ目的で取立てをする場合、
が挙げられます。

今回唐突に離婚と借金の話を書いたのは、小室哲哉が借金のあげくに5億円の詐欺事件で逮捕され、妻のKEIKOさんと離婚するとかいう話を報道で聞いたからです。

これはあくまで一般論ですが、お金が集まるところには、あやしい人たちも集まってくるみたいなので、KEIKOさんにも違法な取立てが行っていたのかも知れません。
「ダンナの借金は私にゃ関係ない」と開きなおればよいのですが、それでは済まないような背景もあったのかも知れないなと勝手に想像しています。





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Last updated  2008/11/05 10:23:15 AM
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