テーマ:ささやかな幸せ(6736)
カテゴリ:グルマン達の食卓
2008年おめでとうございます。 新年が始まりました。 元旦にふさわしい内容ではない気もするのですが、今回素朴ながらも私にとっては印象深い年越しをしたので、日記として書いておきます。 今回は初めて、主人と2人だけで年越しをしました。 ここ数年を振り返ると年越しは主人の実家で過ごしたり、主人の幼馴染のジャックと3人で我が家で祝ったりしていました。 (本当はフランス人が家族で集まるのはクリスマスなのですが、ディノの実家はあまり形式にこだわらない家なので。) 今年は主人の義母が義弟とドイツに行っているので、またもやパリにてジャックと3人でお祝いするつもりだったのに、クリスマスが過ぎた頃ジャックから 「家庭の事情で行けなくなった」 と電話があったのです。 「じゃあせめて2人でレストランに行こうか」 なんて漠然と言っていたのですが・・・大晦日の夜のパリはあまり治安が良くないらしいので、実はそんなに外食したくなかった私。 それに2001年の年越しは友人とレストランでしたけれど、どうも商業的だったし・・・。 そんな気持ちで迷っているうちに大晦日が来てしまったので、なりゆき上年越しは家で過ごす事になりました。 「そんな地味な大晦日じゃ、気分が出ないんじゃないかな~」 と心配だったけれど、ちょっと工夫をすれば、ほんの少しの手間で何とかなるもの! それがたとえツリー(フランスでは新年もクリスマス飾りのままでOKです)もお正月飾りも無い我が家を舞台にしたものであっても・・・・。 この間のクリスマスに 「もう大人なんだから、欲しいものは自分で手に入れないと!」 と自覚した私はまず、インチキな年越しソバを用意。 A子さんから教わったクック・パッドで麺つゆとかき揚げの作り方を調べ、適当に用意してみました。 これが2007年最後のディナーの「前菜その1」です。 本当は食後に食べたいけれど、そのタイミングだとお腹いっぱいで入らないのではないかと思ったので・・・。 手作りの麺つゆの割に何故か(手抜きのせい?)「立ち食いソバ」の味がするけれど、なかなか美味しく完成。 主人がかき揚げを大絶賛していたし簡単だったので、また作ってみようと思います。 それから「前菜その2」として、牡蠣を食べました。 (一切写真がなくてごめんなさい。) 私もディノも牡蠣を自宅で食べるのは初めて。 ディノは私が牡蠣を買ってきたと知った時 「ぼく達には開けられないよ」 と困っていたけれど、私はスーパーの人に相談して「ouverture facile=開けるの簡単」と書いてあるものを選んできていたし、店員さんはなぜか親切に(使いかけの)小型ナイフをくれていたので、何とか開けてくれました。 なのに私がちょっと挑戦してみると、力が足りないのか結構難しくて挫折・・・あれ?・・・・すごいじゃない、ディノ!! 買い物をしていた時の話ですが、牡蠣の値段を張り替えている最中の店員さんに「どれを買ったらいいんでしょう?」と相談したら、開けやすいのを勧めてくれた上、その箱の値札も私の目の前で付け替えてくれたので、レストランで食べる事を考えたらびっくりするぐらい安く買えたのです。 (確か24個で12ユーロだったかな?) お値段的には許容範囲だったのに、しかも下準備と言えば「開ける」作業だけなのに、「特別な日」の雰囲気が簡単に出たので良かったです 超不器用で料理に自信のないうちの主人、昨夜は実は大活躍でした。 牡蠣を開ける傍ら、ローストビーフと付け合せのじゃがいもを用意してくれたのです! (私はその間、ある事務的な作業をしていました。) ローストビーフは周りにマスタード2種とお醤油を塗り、オーブンに放り込むだけの簡単なもの。 実は今から2年ほど前にも主人は大騒ぎしながら(全ての段階において、私に「これでいいと思う?どう思う?」と聞いてくる)このレシピでローストビーフを作って成功させた事があるのですが、本人はそんな事すっかり忘れていて、最初はあまり自信がなさそうでした(^^; それでも今回は前回よりも質問(というか、確認?)の回数も少な目に作業を進め、牡蠣を食べている間にローストビーフが焼けました。 ローストビーフは、いざ切ろうとしてもうまくいかないぐらい、とにかく異様に柔らかかったのですが、同時に異様に美味しかったです! 私の今までの人生の中で一番美味しいローストビーフだったと思います。 やっぱり、珍しく奮発してかなり高いフィレ肉にしたからかなぁ。 主人はクリスマスのチキン同様にどんどん食べ続け、サラダの段階になってもまだ牛肉をおかわりしていました。 もちろん、私もです 簡単だけど美味しいものばかりで、しかもかき揚げの乗ったおソバや牡蠣など、少し前まではものぐさで不器用な私達夫婦の食卓には並ぶ事のなかった食べ物も用意できた事で達成感があり、とても幸せな気持ちになりました。 日本に居た頃はクリスマスや年越しの食べ物は(外食しない限り)母か友人達(!・・・えぇ、忘年会などで・・・・)に用意してもらうのが習慣になってしまっていて、その重要さが分かっていませんでした。 でも外食に飽きてきた今になって気づいたのは、お祝いごとに手作りの美味しいものを食べるのってすごく基本的で大切な事なんだなっていう事。 今回の日記、こうして書くと自分でも「食べ物の話ばかりだなぁ」なんて思うけれど、同時に「今回のメニューはこれから先も忘れられない」とも思ってしまうくらい、感激しました。 たった2人で家に居るだけ(=日常と同じ状態)でも楽しめたし、こうやって家族としての思い出や習慣を作っていくんだな、とも思ったり。 この後ドイツに居る義母達に電話したり、散歩したり、帰ってきてからアイスケーキを食べたりして時間が過ぎていったのですが、あまりに長くなってしまうので続きはまた後で書こうと思います。 ディノは昨夜私が寝た後も夜更かしし続けたらしく、今日は目覚ましを14時にかけています。 思いっきり、寝正月じゃないの!!! なので私も今までのんびりしていましたが、これから身支度を整えてお雑煮作りに挑戦するつもり。 お正月とはいえ家がいつもと何ひとつ変わらなくて、空もどんより曇っていてあまり気分が出ず、まだ今年の目標すら決まっていない状態ですが、ゆっくりと考えていきたいと思います。 こんな私達ですが、本年もよろしくお願いします。 (写真は「フォーラム・デ・アル」というショッピングセンターのツリーらしき飾りです。赤い部分はハート型になっています。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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