カテゴリ:フランスで安全に生活
今回は私の「スリだったのかどうかは分からないけど、とにかく不快だった体験」について 書きたいと思います。 2005年の夏、私は論文準備でくたくたの状態でメトロに乗りました。 あまりにも疲れていたので現実逃避したくなり、カバンの中から『戦場のメリークリスマス』 (大島渚、1983年)に関する本を取り出し、読み始めました。 論文の参考にはなりそうもない、どちらかというと娯楽的な本だったのですが、 面白かったので同じ電車に乗り続けなくてはいけない30分間があっという間に過ぎました。 ふと気づくと自宅の最寄り駅に到着していたので慌てて下車。 エスカレーターに乗って駅を出て、携帯を出そうとハンドバッグの外ポケットを見ると・・・ない!! 去年の秋に買った、結構お気に入りの携帯が・・・・。 最後に携帯を見たのは電車に乗り込む寸前です。 となると、携帯がなくなったのはメトロの中。 そういえばたったさっき慌てて立ち上がった時、はずみでカバンが斜めになりました。 もしかしたらその時、ポケットから落ちちゃったのかな・・。 それともこの間テレビでやっていた様に、「他人の携帯を盗んで売る」人にスられちゃったのかな。 前者の可能性に期待して、慌ててメトロの窓口に行き遺失物センターについて 問い合わせてみたけれど、予想通りの気のない返事。 (内容はあまり覚えていません。) 面倒だわ~と顔に書いてある様な係員に 「とりあえず自分の携帯にかけてみたら?」 と言われた私は、はっとして自宅に駆け込みました。 大慌てで自宅電話から携帯に電話をしてみると・・・鳴っています!! しかも誰かが出ました。 やった~わざわざ電話に出てくれるなんて、拾った携帯を持ち主に返そうと 考えている良識のある人に違いないわ! 私は電話に出た女性に、自分がそのブルーの携帯の持ち主である事と、 携帯を引き取りにその人のおうちのそばまで行きたいという事を告げ、お礼を言いました。 が・・・しばしの沈黙の後返ってきた言葉は「Je suis desolee」! 直訳すると「申し訳ありません」になるのですが、相手のぶっきらぼうな声質からすると 「悪いわね」ぐらいに考えた方がいいのかもしれません。 しかも私の頭が「」になっている間に、一方的に電話を切られてしまいました。 すごくがっくりしたものの、3分ほどしてから思い切ってもう一度かけてみました。 すると同じ女性が出て来て、今度は「Il faut oublier !!」を数回繰り返されました。 これは「忘れなくてはなりません」という意味です。 もっとも、相手の話し方に合わせて訳すなら「忘れなさいよ」ぐらいの感じですが・・・。 私がショックを受けている間に、またもや電話は一方的に切られてしまいました。 「忘れなさいよ」 という言葉の真意は 「この携帯の存在はもう忘れなさいよ。私がもらったわよ」 なのでしょう。 もう取り返すのはムリと分かったものの、私はどうしても諦めがつかなくてもう一度電話しました。 すると、今度出てきたのは小さな女の子。 もうだめだ・・・幼児~小学校低学年ぐらいっぽいこの子に「携帯を返して」なんて言っても ムリだよね・・・。 今度は私から電話を切りました。 という訳で、手元から失った原因は分からずじまいですが、感じの悪い女性の手元に渡ってしまった 私の携帯が戻ってくる事はありませんした。 この虚しい3本の電話をかけた後は急いで携帯のサービスセンターに電話して、 その携帯の使用が即刻不可能になる様にした・・・と思います、確か。 その時に分かったのは、チャージ式のその携帯に私が入れていた20ユーロ(3000円相当)の クレジットは(もちろん)早速使い果たされているという事でした。 ただチャージ式のばあい普通の携帯とは違って、拾った人もチャージされている金額分しか 発信ができないシステムなので助かりました。 もちろん翌日には新しい携帯を買いに行ったので、損失は20ユーロでは済みませんでしたが・・。 この時の私は、ダメでした。 読書に熱中しすぎて、隣にいつ・どんな人が座ったのかすら見ていなかったのも良くないし、 バッグのフタ無しポケットに携帯を入れていたのもNGでした・・・。 スられたのか落としたのかは分からないけど、このアクシデントって自分次第で予防できたと 思うのです・・・。 私が今使っている携帯はこの紛失事件の翌日に買ったものですが、その時は (自分も含めた)色々な事に幻滅してしまったのと、自戒の気持ちを込めたかった事、 それに臨時出費がちょっとツラかった事もあって、チャージ式携帯にしては低価格のものにしました。 だから、はっきり言ってデザインが変です。 (それを初めて見た主人が「前のと全然違う!なんで?」と聞いてきたくらい。) でもあれから3年弱は無事に過ごせたので、次に機種変更をする時はもう少しいいのにしたいと 思います♪ (またもや内容が寒々しいので、可愛いお花の画像をアップしました。 本日ポルト・ド・サン・クルー駅近くで撮影したものです。 スリ関連の話はあと1回で終わると思うので、もう少しお付き合いくださいね。) ランキングに参加しています。 投票(をクリック)していただけると、嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[フランスで安全に生活] カテゴリの最新記事
|
|