テーマ:最近観た映画。(40126)
カテゴリ:日本映画(今世紀)
パリで公開されて2週目の『さくらん』を主人と観てきました。 (*注 どうも単館上映の様です。) 観ている最中から、どうも退屈そうな主人。 (眉間にしわが寄っています。) 実は私も最初の数分は 「あ、もう帰った方がいいかも?」 なんて思ってた。 「さくらん」は未読だけど、 安野モヨコの「ハッピーマニア」とか「働きマン」は 読んだ事がある。 確かに土屋アンナは安野モヨコの漫画に出てきそうなルックスだけど、 何もあえて江戸の花魁が主人公の映画で 似合わない時代劇コスプレをさせなくてもいいじゃない!!と思った。 (それ以前に、安野モヨコの画風でこういう作品を描く事自体に 無理があるのかもしれないけど。) そもそもこの時代にこんな顔の日本人は居なかったんじゃない?? (後で聞いた話だと彼女はハーフなんだそうですね。納得。) 赤がメインの華美な装飾とともに土屋アンナが奇をてらっている様に映り、 とても2時間弱も観てはいられないだろうと直感した。 それでも最後まで苦しまずに観る事ができたのは椎名林檎のおかげだ。 椎名林檎の初期CD2枚だけは結構聴いていた私にとって 久々の彼女の音楽はなかなか良かった そう、音楽を聴きつつ気を取り直して見てみれば、結構やっていける。 「あぁ、こんなシーンいかにも安野モヨコの漫画にありそうだな」 と思ってみたり(でもこの想像はすぐに飽きてやめたけど)、 「椎名林檎の音楽をまた聴いてみようかな」 と考えたり。 ひどく平板な台本を演じさせられている土屋アンナには 映画女優の風格はなかったけど、 とりあえず頑張っているのが伝わってきたのも書いておこう。 ただ、蜷川実花の写真集を数年前にしか見た事がない私にとっては 単なる「椎名林檎×安野モヨコ」な作品に映ったし (もちろんあの金魚なんかは別として)、 途中から筋を追うのと音楽を聴くのだけにしか 気をはらわなくなってきたら、 この映画全体が椎名林檎のPVみたいに感じられてきたけれど・・。 この「さくらん」、映画館で見る必要は無いし (あるとしたら、PVを大画面で見るのだけが目的) たとえ見逃したまま死んでしまっても 正直悔いは残らなかっただろう。 映画の好みって千差万別で、 たとえ私にとっては「つまんない」とか「眠い」としか思えない作品でも、 この世界のどこかにはその映画を好きで好きで愛してやまない人が 居るものだと思ってる。 だけどこの、テレビ番組みたいな『さくらん』はどうなんだろう? DVDを繰り返し見る人ってどのぐらい居るんだろうなんて、 つい意地悪な事を考えてしまった。 映画が終わってから主人に 「たぶん出演者のファンや原作漫画が好きな人、 椎名林檎が好きな人(それからたぶん蜷川実花を好きな人)なら 楽しめる映画なんだと思う」 と言ったら 「なんて対象が狭いんだ・・・」 と愕然とされた。 結局のところこれは、 各分野で注目されている彼女たちによる、彼女たちの、 彼女たちの為の映画。 でもこの作品を観たからと言って 主人が椎名林檎に関心を示したり、 私が「さくらん」を読んでみたいと思ったり 土屋アンナに興味を抱くという様な前向きな効果が無いのが 哀しく思われました。 ま、映画とはまた関係なく、この絵が受け付けられない時点で 私には合わない作品だったんでしょうけどね・・。 ランキングに参加しています。 投票(をクリック)していただけると、嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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