テーマ:ささやかな幸せ(6742)
カテゴリ:その他の日記
『パリは小さい』、それは『天井桟敷の人々』の中で ギャランスとフレデリック・ルメートルが3回言う言葉。 この間また、この言葉を実感する出来事があった。 朝、いつも通りに出勤のためにメトロに乗る。 ギリギリで駆け込み乗車をしたので、 いつもとは違う車両に乗り込んでしまった。 乗り換えが楽な様にと次の駅で隣の車両に移ると・・あらら。 Nにそっくりな人が折りたたみシートに座っている。 Nは、私が6年前にパリに出てきてしばらくしてから 仲良くしていたグループの中の1人。 フランスでの生活が始まって1年経っていたけど、 彼らがようやくできた、『楽しく飲める友達』だった。 もちろんグループの中には色々な人が居たし 独特な雰囲気もあったし、 私もだんだん猛烈に忙しくなってきたので いつの間にか連絡が途絶えてしまっていたけど、 その中でも時々思い出す人達の中の1人がNだったのだ。 でも私はものぐさだし、 気づけば久しぶりに連絡を取るには時間が経ちすぎていたし、 Nとは個人的に親しかった訳ではないので 電話もしないままになっていた・・・。 久しぶり過ぎて、 それに人違いだったらどうしようかと思うと 声をかけるのがためらわれる。 でも・・・モロッコ出身の彼女の きりっとした顔とショートカット。 その真下に見えるコートの襟は いかにも彼女好みな感じ。 目が合った時 自分でも驚くぐらい普通に笑顔になれたけど なんとなく疲れた感じの彼女は弱々しく 微笑んだだけ。 これじゃ、愛想笑いなんだか何なんだか 分かりゃしない。 もう諦めた方がいいのかななんて思ったその時・・・ にわかに電車が混みだして、 私はNのそばまで移動せざるを得なくなった。 これは、(たぶん)運命だ!! 「私達、知り合いだよね?」 衝動的に声をかけると、以前と同じ高めの声で 「ウィ」 の返事が返ってきた。 相手がNだと分かってしまえば、もうあとは安心。 「なんでさっき目が合った時に合図してくれなかったの!!」 「だって人違いかもしれないって思ったから」 同じかぁ・・・。 でもま、質問できてとにかく良かった。 それからは残された数駅の間にぺちゃくちゃと近況を聞き合い、 Nの側で話し込んでいた女性2人組にクスリと笑われてしまった。 「今度会おうね」 と言い出す事はできなかったけど、 Nもこの時間帯のこの電車で出勤しているらしいので 「またこの電車で会えるね」 と言ってお別れ。 あぁ、びっくりしたけどとっても嬉しい。 日本でOLをしていた時 何かの朝番組で8時ちょっと前に その日の星座別・運勢ランキングをしていた。 テレビ画面に「山羊座が一位」と表示される瞬間は それなりに嬉しかったはずなんだけど、 この出来事はその10倍嬉しい!! 会社へ向かう足取りがいつにも増して軽くなった朝でした。 ランキングに参加しています。 投票(をクリック)していただけると、嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.10.20 09:02:08
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