言葉
最近、というより、王さまが亡くなった途端、ももちゃんはたくさんしゃべるようになりました。というのも、私の母が、ももちゃんの口数が少ないと思ったらしく、とにかくしゃべるようにとももちゃんをしつけているからです。私も王さまも、ももちゃんが何を欲しがっているか、どうしたがっているかを予測して、ももちゃんが無言で指をさしたり、欲しい物を見たりしただけで、ももちゃんの欲求を満たしていたので、ももちゃんも、物の名前を言う必要がなく、「んっ、んっ」と言うだけで何でも思う通りになっていたのですが、おばあちゃんは一切甘やかさず、「何が欲しいのか、言ってみなさい!」というので、ももちゃんも、しゃべらないわけにはいかないみたいです。ももちゃんが言葉を覚える時期にあるということもあると思うのですが、王さまがもうちょっと生きていたら、ももちゃんが踊りながら、「パパ、パパ」と言ったのを見る事が出来たでしょうに、と思うと、よくこんな幼い子を置いて、旅立つことができたな、とせつなくなってしまいます。悔しかっただろうな、悲しかっただろうな、ずっとそばにいた私でさえ、その気持ちを想像するのは難しいですが、どんなに王さまが強く思っていても、王さまの人生は突然終わってしまいました。人生って、重いけど儚いですね。