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 densuke369@ Re:同様の事件・子供の「仲良し」同士に要注意!(06/20) これが、真相かもしれないですよ。でも作…
 alex99@ Re:悲しい母の日(05/14) う~~ん。 日本人の男性とか、アメリ…

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August 19, 2004
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通された部屋はピンクで、もっとかわいらしい部屋だった。母は「へぇーこんなかわいい部屋で産むのねぇ。」とやたら感心している。私は分娩用のベットにあがり、ノリノリは横でしっかり手を握ってくれている。新しいナースがやってきてやたら「無痛じゃなくていいの?本当にいいの?」などと心が揺らぐ事を言う。めっちゃめちゃ痛いっていうのに、そんな魅力的なことを聞き続けないでくれ…、私がここで「NO!」と言っているその気力ははっきりいってこの楽天で「私は自然で頑張るわ!」と言った見栄、それだけである。そのナースに「無痛もできるわよ…?!」と言われる度に楽天の自分のページと日記が頭に過ぎって「いい。決めたんです。」と痛みに耐えながら私は言葉を漏らす。で、その間に来る陣痛に「うぃででで
でー!」「あぁーっ!」とすさまじい声が口から出てくる。ノリノリはしっかり手を握って、私を励ましている。

お腹に機械をつけて腕に血圧器を巻いてもうその頃はお昼の12時過ぎた頃なのだろうか、随分長い間「あ゛ぁ~」という下半身が破裂するような痛みと「ふーっ」というなんとか持ちこたえられる痛みを交互に経験して、ナース達が意外に明るくべちゃべちゃ話し掛けてくれたので陣痛の間に私はべらべら冗談を言ったり会話をしたりしてなんとか時を過ごしていた。痛みは時間が経つごとにもっと増していき、最初の方はナースがいるときは「あ゛ぁ~」のうめき声でなんとか耐えていた叫びもそのうち「い゛だーぁぁぁい゛、いだいっ、いたいよぉ~~~~~~っ」と涙を流した叫びになりノリノリも私の涙に釣られて目を真っ赤にして「大丈夫、大丈夫だから!!!」と必死に手を握り返す。母が部屋の端の椅子に座って心配そうに見ている。私がリクエストしたSystem of a DownのToxicityのCDをノリノリはラジカセで流していてくれたが、はっきり言ってそれも全然耳に入らない。あんながんがんのハードロックを聴いたナース達が「うわ!こりゃー変わっていて、すっごくいいねー!普通はクラシックとかだもんねぇ。」と喜んでいる。

自然分娩、ということで粗方の痛みを何も無しで乗り越えていた。最初に提案された痛み止めのピルが欲しかったのだが、子宮が7センチも開くとそれを飲むにはもう遅いらしくて(赤ちゃんがでろでろの昏睡状態で出てきてしまうらしい)痛みを消したいなら麻酔しかもう駄目だわ、とか言われた。そんなわけで本当にほんとの自然になるんだ…、な~んて思っている間もなく、陣痛は負けずと激しくなる。さっきまでだって充分痛かったというのに、ますます痛みは激しくなる。それにつれて、私は異様な吐き気を感じてきた。き、気持ち悪い…。すごく、すごく気持ち悪い。陣痛と共に吐き気とも戦わなければいけなくなる。

吐き気と痛みと戦っていると、その親切だけど「痛み止めは?」とうるさいおしゃべりなナースが点滴をするから、と言う。点滴なら今まで何回もしたことがあるし別に抵抗がなかったのだがこのナース、「あなたの血管、すっごく硬いわねー!」などと言いながら思いっきり失敗した。いっ、痛いじゃぁないの!せっかく陣痛がお休みの時なのにやたら痛い。陣痛が来たら痛くて針に耐えられるほどじっとできないので「今打たないでぇ!」と私は叫ぶ。そして痛みが引いた時「行ったから!」と叫ぶ。彼女はもう一度点滴をさそうとする。また失敗。痛い。そして陣痛が来る。この陣痛の時にまごまご針を刺されて失敗して暴れてしまったら出産どころじゃなくて私の命が危ないんじゃないか、と思ってかなり焦る。ノリノリに日本語で「ちょっとこいつ何とかしてよぉ~~~っ!」と泣きながら叫ぶ。ナースはまた失敗。血がまわりに飛び散る。そしてまた陣痛。今度は逆の腕を試すそのナース。また失敗。陣痛。陣痛が消えると「早くしてくれー!早くーっ!!!」と私は恐くて叫ぶ。何回もトライしてようやく手の裏の一番痛そうなとこに針を刺し終えた。これで人を教えているこのおしゃべりナース!本気かよ~っ!!!

この頃になるともう殆んど気が狂いかけていて下半身がもう熱くて破裂しそうで、陣痛が来る度「いた~いよぉ~~~っ!あぁ゛~~~っ!あぁ゛~~~~!」と私は泣き叫んでいた。横になっているのが唯一陣痛を和らげているというのに、その失敗ばかりのナースは私をなぜか90度に座らせようとして陣痛が来ていなくても「あぁ゛~~~~~いた~~~いよぉ~~!」と最高潮の痛みを味あわせてくれる。頭に来るが、怒っている場合ではなくて、陣痛が薄まったその時ばかりに私は思いつくことを叫ぶ。「もうやだ~~っ!」「助けてくれ~!」「死ぬ~!」

そしてノリノリに向かって「二人目は絶対無痛で行くぞ~~~っ!」と泣きながら叫ぶ。自然でやると決めた自分にめちゃめちゃ後悔していて、二人目のことを考えている場合でないが口が勝手にこう動く。自分で何を言ってるか分かっていて、我ながらおもしろい、と思いながら叫んだセリフで意外に余裕があったと言えばあった。

午後1時を過ぎると痛みの苦しみに喘ぎ叫びながら、痛みが限界に達していて下半身に今まで以上に圧迫感を感じゆーゆーが下の方に随分下がってきたのではないか、と自分で感じる。いきみたく感じる圧迫感だが頭の裏の自分の知識で「いきみなさい、といわれるまでいきむのを我慢しないと体力が持たない」ということを思い出していきむのを我慢する。何分ごとにこの陣痛が来ているのか分からないが、泣き叫びながら何度も、何度も、このいきみたくなるような痛みを耐えて耐えて耐えて耐えて、耐えまくった。その時、吐き気が最高潮に達する。

「お゛えぇぇぇぇぇぇぇぇ~~~~っ!!!」
吐いた。さっき、最高の気分で食べたバニラクッキーがでてきた。
「もう一回、吐くよぉ~~~!!!」
そう叫ぶと、ナース達が慌てて吐き皿を持ってきた。
「お゛えぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~っ!!!」
もう一回吐いた。さっきの弱い吐き気とは比べ物にならないくらい大きな吐き。皿を反吐で一杯にする。
「ごめん!でももう一回吐いちゃうよ~~~っ!」
「おぉえぇぇぇぇぇぇぇぇ~~~~!!!!」
ナース達が次の皿を持ってくる前に吐いてしまった。あのクッキー、食べた時も最高の気分だったが吐いた時も最高の気分だ。こんな爽快な吐きは妊娠9ヶ月間なかったに違いない。こんなに気持ちがいい!あぁ、吐けてなんて幸せなの!!!気持ちいーい!!!
「ごめん!!!」
ナース達に叫んだが、もちろんこんなこと日常茶飯事なのだろう、皆「大丈夫、気にしちゃ駄目!」と励ましてくれて私は最高の気分で全てを吐き終えた。しかし、痛みは消えるどころか激しくなるばかり、そしていきみたくなる圧迫、我慢する苦しみ、どんどん気が狂っていく。何回も何回も痛みと我慢、そして陣痛が薄くなる間でさえも痛くてしょうがなくなって「もうやだぁ~!死んじゃうよ~っ!いやぁ~!痛い~っ!!!」ナース達が日本語を理解しないのもお構いなしに自分の言葉で泣きながら叫んで、叫んで、叫んで、叫んで、叫んで、それでもまだ痛みを耐えなければいけなくて耐えられなくて「もういいっ!麻酔打ってくれーぇーっ!!!」と私は狂って叫んだ。

今まで頑固に「いいっ!いらないっ!」と言っていたのに突然「麻酔打ってくれぇっ!」になったのでノリノリは戸惑っていたが私はノリノリの手をつかんで「もういい、ほんと、もうだめ、麻酔打って、打ってって頼んで、もう駄目なの!!!」と泣きながら叫び、ようやく本気だということに気付いてもらった。

そう決めたとほぼ同時期に主治医のドクターがやってきた。丁度別室で緊急事態発生、帝王切開を手がけていたらしく、私の陣痛の状態をナースから聞いて慌ててやってきた。私はもうどうでもよくてとにかく早く無痛にしてもらいたい一心でこの圧迫感のある陣痛を乗り越えていた。早く、早く、早くしてくれ、もう耐えられない!

ドクターは落ち着いて私の子宮口を調べると「もう10センチ開いてるわね。」と言った。私はもうどうでもよかった、とにかく痛みを消してくれ、もうそれだけで耐えつづけていた。破水していた状況も相まって、ベイビーよりも先に血の塊が子宮から出てきたのをドクター達は発見して「この事態で何か失敗したら帝王切開になるかもしれないわ。痛み止め打った方がよいと思う。」と私に提案した。私はもう何でもよいから痛みを消して欲しかったがその「帝王切開になるかも」と聞いたらなおさら(こんな長い間痛みに耐えてきたのに、帝王切開なんて嫌じゃー、やめてくれー、なんでもいいから楽にしてくれーっ!)という気持ちで一杯になって泣きながら「もういいからどうにでもしれくれぇ~~~っ!」と叫んでいた。

そうと決めた途端、麻酔士が現れてあれよあれよと言う間に背中に麻酔を打った。その途端、すっと痛みが消えて眠気がやって来た。陣痛と共にあったいきみたくなるような下半身の圧迫はそれでも感じつづけていたが、それに痛みを伴わない分我慢もしやすくて、ノリノリに「ごめん、眠くてうとうとするけど一緒にいてね…」とうめきながら私はいつのまにか寝ていた。午後2時頃だった。ドクター達は「じゃ、これで少々休んで力を貯めてからいきみ始めましょうね。」と部屋を去っていった。

→→→→続く→→→→





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Last updated  August 21, 2004 02:57:45 PM
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