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カテゴリ:恋・愛・人間関係と心理について
金曜の午後上司達が皆早く帰ってしまったので、ビジネスマネージャーのハリーは「M(私)も早く帰っていいよ」と言ってくれ、早速うちに電話を入れた。金曜日は旦那は仕事が休みで家にいるので、車で迎えに来てくれることになっている。
電話をして早く帰れるの事実を伝える前に一つ「ね、DSLどうなった?」と聞いた。先日からDSLの調子がおかしくて、その日電話会社から技術士が派遣されていた。 すると彼は剣幕でDSLが繋がらなかったのは私が悪い、だの、繋がっても遅くてやってられない、だの、古い鍵を整理するのに大変だから疲れてるんだ、だの落ち着いて言えば大したことのない内容を怒鳴り散らした。 私は「ね、そんな言い方しなくても伝えられる事柄を、何故そんな言い方で言うわけ?」と問いかけたが一向に怒鳴り口調が治らなかったので「もういい。歩いて帰るから!」と電話を切った。 相手が怒鳴るのは自由だが私はとにかく小さい頃から理不尽に責め立てられ怒鳴られてきたので、そういうストレスはもう散々なのだ。体ががくっと重くなって、でも相手に同じパワーで言い返すのもばかばかしいので、こういうときの私の中の解決法は遠く離れて心が落ち着くまでゆっくりすることと決まっている。 そんなわけで私が黙って歩いてすごすご家に帰るわけ…なんてないだろう!?大体あの人が傲慢で怒鳴り散らしているのに私がすんなり帰ったら自分が悪かったと彼は思うわけが無い。どうしよう、と思い、あ、一人だったら…映画でも見て帰ろう!と思い立つ。オフィスを出て東のRitzシアターまでてくてく歩く。 じゃ、こんな時の気持ちはどんな映画かな~、と思い映画館に到着後、ポスターを吟味。一つはドキュメンタリー、一つはなんか恋愛もんみたいなドラマ、一つはよくわからん、で、最後はファンタジーだった。お~、ファンタジー!そうそう、こういう暗い気持ちの時は夢見たいな話を見たいわね!これでいこう、これ! カンヌやらフランスやらの映画祭に出展、など華々しいタイトルが付いているその映画のチケットを購入。携帯電話はオフ。これでノリノリは私のことを心配し自分が何を私に言ったのか胸に手を当てて反省することだろう。人に反省を促すには反応しないことが一番なのだ。激しく拒絶をすると最初は「なんだよ、あいつなんか!」ぐらいにしているだろうが時間が経てば経つほど自分のことを省みるものだ。作戦は失敗することはまずない。 *** 映画はくら~い画面で始まった。お腹の子供を抱えて馬車で苦しむ母親と不安げな少女。スペイン語で英語の字幕。(お~スペイン映画!と心で喜ぶ私) …。 それから展開されたのは第二次世界大戦という舞台の設定、ヒットラーみたいな怪人軍曹が無実の農民をぐさぐさに殺して、血が飛び散り、言うことを聞かない兵士をばさばさ殺し、市民軍の人質をペンチやかなづちで拷問しまくり… 恐怖におびえた少女は現実を生きたくないので妖精を追いかけて地下の妖精王国のプリンセスになる為に試練を受けて… あぁ、あぁ、あぁっ! 私はこんなホラーファンタジーなんて見たくなかったのに! やられた。しかも何の身もないエンターテインメント目的の映画。ホラーにしては甘いしファンタジーにしては薄いし、人間の情も成長もないドラマにもなっていない映画! *** とぼとぼ映画館から家まで歩いた。旦那から数回電話が着たが無視。選んだ映画があんなので、なんか笑えるんだけど複雑な気持ちで家に着いた。 旦那とゆーゆーは家にいなかったので、は~、せいせいするわ~、とシャワーを浴びてから横になってぼーっとしていると二人は帰ってきた。旦那は「みんみん、ごめんね~!探してたんだよ~!淋しかったよ~っ」と反省一杯の顔をして謝ってきた。作戦は成功なのだ、知っていたけれども。 しかしだな。あれはハズレだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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