赤い星のあなた
急に咳が止まらなくなる夜ふいにあなたを思い出すのです「そんなのおかしいね、どうして?」って微笑む折り目正しい声までともに生きたいだなんて思ったことありません一度も真っ赤なお弁当箱をつつく指先を見つめたあの日から知っていたから違う星のひとなのだとさようならも言わせてくれなかったこと悲しかったけど寂しかったけど今は違うよぶつかり合う鍵の音でさえもふいにあなたを思い出させます変なあだ名で呼んでくれた真昼こわいくらい雲のない青空ずっと一緒にだなんて願うはずもありませんもちろん同じ星に行ける舟のチケットは捨ててしまった白い米を隅に隠すわたしは宇宙人だからさようならも言ってもらえなかったこと苦しかったけど悔しかったけど今は違うよ 今はこの世でたったひとつの思い残しをありがとうさようならも言わせてくれなかったからさようならも言ってもらえなかったから急に咳が止まらなくなる夜ふいにあなたを思い出すのです変なあだ名で呼んでくれた真昼こわいくらい雲のない青空