生きざま。

思ったよりも

「結婚するって本当ですか」そんな歌を思わず口ずさんだなんだ思ったより悲しくないなおめでとう、呼吸みたいに祝えたよどこにも行かないって言ったのになんでなんて離れたりしないって笑ったのになんでなんて引き止めなくてよかった本当によかったかつての私の“強がる”弱さがあなたの今に役立ってよかったよかった　よかった　おめでとうみんな上手に歩けてすごいな初めての人生なのにすごいな私は今日も焼き直しているの大切な人などいなかった日々をあなたを失ったら生きていけないよなんてもう1人きりは嫌お願い行かないでなんて困らせなくてよかった本当に良かった素直が　本音が　本当の気持ちが一番大切なものかなんて昨日も　今日も　明日もわからないそれでもかつての私の“偽る”強さがあなたの今に役立ってよかったよかった　よかった　おめでとう「結婚するって本当ですか」そんな歌を思わず口ずさんだなんだ思ったより笑えるんだねおめでとう、呼吸みたいに祝えるよ

宝さがし

なんでどうしてずっと信じ続けてきた宝の地図を今さらニセモノだって燃やしてしまえるの？「大人になるってこういうこと」灰になってゆくあなたの夢がチリチリと呟いたボロボロの期待を鍵穴にさして開いた箱はまたカラッポだったでも　それでも　明日は　明日がって信じずにはいられないんだよわかっているよこのさき望む幸せが変わっただけのことでしょうそれなのになぜこんなに淋しいんだろ「現実を見なきゃいけないんだ」それなら私の目の前の“今”はなんて名付ければいい？ボロボロの空箱の中には一体誰かの　あなたの　わたしの　涙がどれだけ染み込んでいるのだろう諦めるなんて無理なんだよ私は次の箱を探す現実を見るんだ私は次の箱を開く現実を見るんだでも　それでも　明日は　明日がって信じずにはいられないんだよでも　それでも　明日が　その日なら誰と喜べばいいんだろうなあなたと喜びたかったそれだけがただこんなに淋しいんだよ

あなただけは知っていて

真っ赤な朝よ、久しぶりに逢ったねむかしは毎日、待ち合わせていたのにね眠らぬ夜の中、育ててきた夢手放してから、ずいぶん楽になったんだねぇこんなに普通になれた私をあなたは変わらず照らすのね無重力の闇夜を泳いで　泳いで　泳いで“好き”という星だけを食べて　食べて　食べてそうやって輝いて生きたかったよそうやって生きていけると思ってたよもう、会いにこないで本当の気持ちが溢れてしまうから。ちいさな頃に、虹色の入り口で迎えてくれた、希望という名のトンネル通り抜けたら、育ててきたはずのね夢は恥という、葉ばかりをつけていたのねぇ私が見殺しにした夢さえあなたは変わらず照らすのね日常の重力に足掻いて　もがいて　疲れて“好き”の星はどんどん重く　痛く　なってそうやって輝きを捨てたんだよそうやって生きることを選んだんだよもう、会いにこないで本当の気持ちが溢れてしまうから。無重力の闇夜を泳いで　泳いで　泳いで“好き”という星だけを食べて　食べて　食べてそうやって輝いて生きていきたいよそうやって生きていけると信じたいよねぇこんなに普通になれた私をあなたは変わらず照らすのね本当の気持ちをあなただけは知っていて。

ハイヒール

ありがとういつも終電に間に合うよう帰してくれて終バスがないことは一度も言ってないけど「ありがとう」「ちゃんと家に着いたよ」連絡しながら歩く夜道　履き慣れないヒールが痛い　痛い　痛い擦れたかかと恋をボロボロにした罰幸せになりたかった幸せに見えたかったそんな日々のお話ありがとう愛の着ぐるみを着たラブソングでさえ聴けた結婚式で流そうってセリフ、似合ってたよ「ありがとう」ちゃんと「さようなら」とセットで渡せていたかな夜道　高い赤いヒールが痛い　痛い　痛いもう履かないあんな儚い恋のため恋なんてどうでもいいや愛なんてどうでもいいやあなたが笑ってくれたからいいや幸せに見えたかった幸せになりたかったそんな日々のお話

さよならしあわせ

もういい　もういいのなくなるまえになくしたいの青空はちょうどいい雲でいっぱい諦めるとかじゃないんだよ手放すとかじゃないんだよだけどごめんね、未来のわたしきっと後悔するでしょう無責任に頑張れたらよかったけどさよならしあわせそれはまるで風船のように希望を吹き込み続けたらパチンと割れてしまうものさよならしあわせわたしは弱かったもうやだ　もうやなの似合わない期待を着続けて重くて派手で窮屈なだけだった 逃げ出すわけじゃないんだよ生きるために選ぶんだよだけどごめんね、昨日のあなたきっと呆れてしまうでしょうその指に結んでくれていたのにねさよならしあわせそれはまるで風船のようで祈りを吹き込み続けなきゃしぼんでいってしまうものさよならしあわせわたしは脆かったさよならしあわせさよならしあわせさよならしあわせわたしはわたしに帰るよ

似たもの同士

息がうまく吸い込めないなうすい　うすい　朝だ心が声に変わる部分に思い出まみれの夜の粒あなたは時々ウソをつくよね似たもの同士になりたくてだけど今日を終わらせるために眠るわたしと明日を始めるために眠るあなたは重なったって重なれない最初からわかってた　わかってる夢のなかで虹の端っこキュッと　抱きしめたら夢のように消えてしまったの涙が生む奇跡は脆いわたしも時々ウソをつくのよ似たもの同士になりたくてだけどあなたが近づくほど濃くなるこの闇わたしが近づくほど眩くなるその光ひとつになったら消えるのは？未来なんてわかってた　わかってるふたりの肩を射す淡い月の光だけが真実だ似たもの同士になりたくてちいさなちいさなウソをつくわたしとあなたはやっぱり似たもの同士

思えば

“花屋の店先に並んだ いろんな花”をみたなら あなたはなにを選ぶのだろう どのものさしで選ぶのだろう ダリア ヒメユリ クレマチス マリーゴールド バラの花 どんな色になればいい？ いつもの帰り道に咲いた ささいな花をみたなら あなたはなにを摘むのだろう どの感情で摘むのだろう すみれ たんぽぽ はるしおん さくら ひまわり うめのはな どんな香りになればいい？ ナンバーワンにならなくてもいい オンリーワンにならなくてもいい 一度その手に選ばれたいの ナンバーワンになれなかったから オンリーワンになれなかったから 一度あなたに摘まれてみたいの どんな花になればいい？ わたしは今日も空っぽの穴。

水の泡

こんな　薄い　膜の　なかでどんな　心　ならば　届くそんな　薄い　膜の　なかのあなた　割れて　落ちぬ　ように揺れる　揺れる　菜の花をくぐって　くぐって　どこへゆくわたしたちは水の泡なんだか空は疲れたねもうすこし黄色く染めていてあんな　薄い　膜の　なかでふたり　同じ　青へ　向かうそんな　人と　人も　いたねわたし　あなた　落ちて　しまう揺れる　揺れる　タンポポをくぐって　くぐって　どこへゆくわたしたちは水の泡なんだか海も疲れたねもうすこし黄色く染めていて夏にたどりつけるかなわたしたちは水の泡。

愛にたどりつくまでに

終電の駅のホーム 世界の終わりのような 顔で見つめ合う恋人たち 大丈夫だよ 世界が終わってほしいくらいの 恋の終わりも 世界を終わらせてはくれないから 愛にたどりつくまでに 回り道したかっただけなの 愛にたどりつくまでの 寄り道だって楽しかったの でも全部 わたしだけだった 手垢のついた言葉じゃ 伝わらないと思って 洗って 洗って 洗っていたら 泥にまみれた 翼があなたをさらっていった 羽を汚さなきゃ 届かない何かもあったんだね 愛にたどりつくまでに 迷子になっていたの 愛にたどりつくまでに あなたとはぐれてしまったの でもきっと 見つけてくれるって 愛にたどりつくまでに 見つけてくれるはずだって 愛にたどりつくまでは あなたを信じていようって 全部 わたしだけだった 終電の駅のホーム 終わらない世界のなか 綺麗な言葉だけ抱きしめて ひとり。

海よりも、空よりも。

わからないでいて青い海を　空を心のままに感じていてでもわかっていてこんなに青い海が　空が苦しい人もいることを「君の悩みなんてちっぽけさ」高く　遠く　指した自然規模のものさしは生活を救ってもくれないのあぁ　あなたの孤独は海よりも　ずっと深いあぁ　あなたの涙は空よりも　ずっと尊い生きていることだけを抱きしめたい出遭わないでいて青い海を　空を悲しみに変える悲しみにでも避けないでいてこんなに青い海が　空が虚しい人のSOS「痛みを知らなきゃ痛みは知れない」だけど　傷は　時に他人の傷のものさしになってしまうことだってあるんだあぁ　あなたの苦労は海よりも　ずっと深いあぁ　あなたの生命は空よりも　ずっと尊い生きていることだけを抱きしめたいあなたは　海よりも　ずっとあなたは　空よりも　ずっと生きていることだけを抱きしめたい　

縫い目

君がほんの一口残したコーヒーを流しに捨てた、今日も嫌いになったわけじゃないんだ優しいところが好きだった嫌いになったわけじゃないけど「けど」の先の真っ黒も水に流れてゆけばいいのにほどけてゆくほどけてゆく愛の糸を緩めたのはねぇ、どっち？ほんの一口分の時間も惜しいほど大切なもの、教えて君のこと失くしたくないのに好きだった優しいところが知らない誰かと絡んでゆくこの愛の延命のためなら他人の糸でいいから奪いたいの奪いたいのそして縫ってわたしたちの綻びを見るたびに痛む縫い目さえ愛おしく思えるように君がほんの一口残したコーヒーを流しに捨てた、今日も真っ黒が水に滲んでゆく。

待ちあわせ

教えて、鳥に飛びたくない日はあるの？答えて、花に咲きたくない日はあるの？それでも、風は彼らを責めないでしょうそれなら、人にも生きたくない日があるのだいすきとだいきらいの挟間に「ゆめ」を置き去りにして逃げた一人で強くなりすぎたわたしはよわくて　どこまでもよわくて真夜中、誰ひとりいない交差点で赤・青、呼吸する信号機のような言葉に、一体どんな意味があるのか生んでも、倦んで膿んでいくだけの気持ちどうして人生のカタログから「ゆめ」を選んだはずが一人で恥や悲しみや苦しみ淋しみ　空しさ　抱えてるの？それでも、鳥はなんとか飛び立ってゆくそれでも、花はなんとか咲き誇りゆくそれでも、風は彼らを褒めないでしょうそれなら、人だって生きていかないとねだいすきとだいきらいの挟間に置き去りにしてきた「ゆめ」よ　待っていて　どうか　待っていて飛びたくない鳥が咲きたくない花がよわいよわいわたしが風と向き合えるその日まで。

愛なんて

遠ざかってゆく背中今日も心の中の大雨に気づかず　傘もくれなかったねあたしはいつもずぶ濡れの捨て猫許すこと　諦めること憎むこと　愛することさして違いなんてない愛なんてきりがない　きりがないわ。テレビは消してほしかった今日も心の中が砂嵐今要る？ 気にする必要ある？携帯　時計　リモコン　シャツの汚れどうせ痛みも独り占め愛なんてバカらしい　バカらしいわ。愛さえあればそれでいいそんなわけないあしたは仕事もありますしあなたがいればそれでいいそんなわけないあたしはあたしでいきますし許すこと　諦めること憎むこと　愛することあたしはあしたも選びます愛することを選びますそうじゃなきゃ愛なんてきりがない　きりがないわ。

届かぬ手紙

あれからいろいろありましたそれでも止まらない空と止まれずわたしも生きてます日々には叶わない　適わない　敵わないことがとてもとても多いのですねあなたはどうやってひとつひとつ越えてきたのですか？思い切り生きたあなたにききたいこたえがたくさんあるのにポストに入れたってもう、届かぬ手紙。この心の底を剥がした裏側は今でも誰も知らないのです　あなた以外人には許しあう　信じあう　愛しあうことが大切と教えてくれたけど幸せになるってなんてなんて難しいのでしょう小さな愛の泡沫をまた爪の先で潰してしまいました。思い切り生きたあなたに叱られる話がたくさんあるのにポストに入れたってもう、届かぬ手紙。悲しみを知らないと届かない声がある悲しみを知ったから届かない声があるポストに入れたってもう、届かぬ手紙。

諦めるということ

何十年の息を吹き込んで膨らましてきた夢だって割れて消えるはほんの一瞬100が過去になる1000が過去になる明日わたしはゼロになる愛に逃げたなって蛇口が鳴くでしょう愛しい八重歯さえ憎む日が来るでしょうきっと残酷だね、誰かに話すことで輝く青春に成り下がるこの手が裏切った夢なのに死ぬほど泣いた夜も吐いて悶えた朝も明日すべてがゼロになる広く厚く熱いあなたの防空壕一粒の歌にさえ打ち砕かれるでしょうきっと明日わたしはゼロになる明日すべてがゼロになる諦めるってそういうことどうする？

時の流れに

言葉を越えたいのだって同じ月を見ているのに伝えたこころと伝わったこころが違うなんて。軋む胸の音、聴こえた？時の流れに多くの愛や夢は負けるんだよ言葉を越えてきて何のために生まれてきたんだろうって何度も　何度も　考えたあなたのために生きてきたんだろうってわたしは　わたしは　想いたい何のために生まれてきたんだろうってあなたも　あなたも　考えた？わたしのために生きてゆくんだろうってあなたに　あなたに　想われたい時の流れに逆らえはしないならそれならどこまでも流されよう最期まで流されよう一緒に言葉を越えて

夜逃げ

疲れて　疲れ果てて何もかもダメな日は上を向いてくださいわたしはあなたの隣首をもたげて青すぎる空の苦しさを知るあの日もうこれ以上誰も愛せないと思ったのに最悪　最悪だと消えてしまいたい日は思い切りうなだれてわたしはあなたの隣潰れてもなお生きてゆく雑草の傷を知るこんなこんな生きてもあなたに出遭うまで知らなかった逃げよう　もう逃げようただ生きているだけで許されるどこかへとわたしはあなたの隣横顔見つめ瞳の奥の夜を知るもうこれ以上誰も愛せない。

つづく

最後は笑顔でいようと家を出た今朝だった人が湧き出す交差点上手くかき分け抜けたりしたけど傘を傾けあいながら歩道橋を降りたりしたけど心はもうしゃがみこんでしまいそうで心はもうしゃがみこんでしまいそうでこれで最後にするのだと抱きしめた肌だったすべてが終わったあと　ふと眺めていたテレビのニュースから知らなかった　ひどい光景一瞬で流れ込んできたのわたしはすぐあなたの鼓動を確かめたわたしはすぐとなりの鼓動を確かめた変わらない鼓動変わらなきゃ変わらなきゃ変わっていくものに急かされて　わたし何を変えたかったのだろう何で変えたかったのだろう変わらない鼓動わたしはもう涙が止まらなくなってわたしはもう涙が止まらなくなって最後なんてやめにしようと抱きしめた肌だった最後なんてやめにしようと部屋を出た夜だった愛はまだ生きている愛はまだ生きていく。

ドキュメント

長い　浅い　軽い　脆いどう愛しても聴こえなくなってゆく言葉があるらしいんですもう駅にはひとりで行けるよ細い　弱い　柔い　低い跡形もない傷の一つくらいはつけてくれればいいのになもう帰っても連絡しないよ長い　浅い　軽い　脆い恋愛ごっこはもうおしまい細い　弱い　柔い　低い女ごっこはもうおしまい鞄くらい自分で持てるよあんなに愛したのにもうおしまい。

夢のお墓

あの頃、見上げた青い空に近い高い高い高いビルからぼくの心はもう何度落ちたのだろう希望のお墓をたくさん作ってきたなあの頃、夢をギュッと抱いて乗り込んだ人が溢れ返った電車にぼくの心はもう何度轢かれたのだろう期待のお墓をたくさん作ってきたな続けていくのは苦しくて諦めた諦めるのは苦しくて続けた呼吸するように苦しんでそれでも生きただって自ら絶って死んでそしたら夢と出逢ったことが間違いになるだろう呼吸するように苦しんでそれでも生きるだけどもしももしも間に合わなかったならおねがいあなたぼくのお墓のとなりに夢のお墓を夢のお墓を立ててあげてくださいそして「立派だった」とどうかあなたの涙かけてあげてください、どうか。

MUSIC

わかりあえなかった歌があったね 思い返してみればきっかけなんて そんな小さなこと いつだって音楽が味方だったんだ わかってほしかった歌があったの あなたにとってのちっぽけが私の すべてだったりした いつだって音楽は味方だったんだ そうやって あなたにはわからないと 突き放して 強くなれた？ わたしにはわからないと 背を向けて 弱くなれた？ 何を敵に、味方を作ったのだろう 聴かなくなった歌があるのよ あなたより大切だったあの歌は あの頃の私で 聴けなくなった歌があるのよ あなたより大切に守っていたのは この傷跡だった いつだって音楽が私だったんだ 普通に笑いたかった いつだって音楽が味方だったんだ 普通に眠りたかった いつだって音楽は味方だったんだ 普通に幸せになりたかった いつだって音楽は 音楽は… わかりあえなかった歌があったね 思い返してみればきっかけなんて そんな小さなこと

永遠

歩みを止めなかった人だけがたどりつける場所があることならわかっていますけれど歩みを止めなかった人ならばたどりつけない場所があることもわかるのでしょうどうにもならないこともあるどうにもできないときもあるけれど人は二度死ぬものだそうですね肉体が滅びたときと　そして忘れ去られたときならば「この恋を一生忘れない」と涙したあの人の愛はまだ生きているのでしょうならばこれから行く先で果てるだろう夢も二度死ぬことはないでしょうわたしは忘れない人は死ぬ愛は死ぬ夢は死ぬ一度死ぬけれどあなたを二度も死なせないわたしはあなたを忘れない

あの人の「ごめんね」

幕が閉じてゆくとき生命は「ありがとう」と言えたらいい言えたらいいけれど白へ近づいてゆくあの人は「ごめんね」と言っていたな言っていたんだよなどうして　誰に謝っていたのだろうどうして　何を許されたかったのだろう幕が閉じてゆくとき生命に拍手と涙を贈るのでしょうそうあるはずでしょう白へ近づいてゆくあの人へ「ごめんね」と目をそらした目をそらしたんだよなどうして　誰が謝ればいいのだろうどうして　何が誤っているのだろう白になってしまったあの人はもう何も言わないけれど白になってしまったあの人にもう何も言えないけれどごめんね「ありがとう」と言わせてあげられなくてごめんね幕が閉じてゆくときわたしは誰に　何を　伝えるのだろう。

嘘

ありえないありえないありえない愛なんてだからあるの、愛のうた。かなわないかなわないかなわない夢なんてだからあるの、夢のこえ。現実がこころを苦しめるすべてなら生きるための嘘を信じればいいじゃないライブでみせてよいのちをみせてわたしの鼓動はあなたの嘘で愛を知るライブでみせてよいのちでみせてわたしの呼吸はあなたの嘘で夢を知る何度でもあなたのいのちでわたしをだまして。

いつもこう

ほら、いつもこう“幸せ”の棒を一本支える力がないの遠くにいれば寂しくて近くにいても苦しくていっそ消えてしまえと願ったあなたが？わたしが。だってその手には、守るものがある。ほら、いつもこう“辛い”に棒を一本加える力もないのなにを努力と呼ぶのかななにを誠実と呼ぶのかな接吻でひとつ　抱擁でまたひとつわたしは言葉の意味を捨てて、ここまできた。こころに「愛」と名付けてしまったわたしはもう空っぽほら、いつもこうそうやって笑わないと生きる力もないの

プラネタリウム

期待しないために黒いペンキをいつも持っていた僕すぐに消せるように白いペンキをいつも持っていた君あの日、出逢ったふたりは互いの色を使ってニセモノの星空を作ったねいくつもの嘘結んだ星座を希望だって笑った「綺麗。」あの日、別れたふたりは互いの色を分けてそれぞれの道を描いていったいくつもの嘘結んだ星座が希望みたいに笑う「綺麗。」期待をすることが怖くなくなっただってね幸せも涙も消さなくなっただってね僕たちのプラネタリウムは世界一、綺麗。

線香花火

一日　一日通り過ぎるたび稲穂のように揺れる悲しみこれ以上育たないように泣かない　泣けない　泣きたくないどうしてだろう思い出したあの日の線香花火真っ黒な海の向こう側に雨で濡れた高速道路に308の部屋の灯りにオレンジが似ていたなどうしてだろうこころの中あの日の線香花火なんで　なんで　なんでと閃く痛い　熱い　火花がはぜるそれでも最期に震えているオレンジよ消えないであぁ　いけないこれ以上育たないように泣かない　泣けない　泣きたくない深呼吸ひとつ夜に吐き出して稲穂のように揺れる悲しみ

遠くにいってしまうなら

好きにならなければよかったものばかりこの世に溢れていて苦しいいつか遠くにいってしまうならひとりにはしないだなんて歌わないで　歌わないで遠くにいってしまうのに好きが増して増して愛するものばかりこの世に溢れていく苦しいいつか「一生ものしかいらない」背を向けたわたしだって一生ものなんかじゃない遠くにいってしまうのね好きにならなければよかったものばかりこの世に溢れていて愛しい好きが増して増して愛するものばかりこの世に溢れていく愛しい遠くにいってしまうのに

あなたの金魚

本物を探す時間なんてないのよあたしの寿命短いのちょうど良いでしょう雨に弱いあなたに会いに街を泳いでゆく愛よ守るものがないから傘もいらないのよあたしのヒレがちぎれるまで離さないでいて世界はもうみた　ありがとうだからその手に乗せて焼いて街灯のオレンジ揺れる道路の黒濡れた赤いスカートあたしのすべてあなたは泣かない消えても泣かない死んでも泣かないかまわない誰かの唇に触れたらあたしを思い出してそれでいいあたしのすべて

問題集

あなたの出した答えにはいつも丸をつけてきましたたくさんの赤はきっといつかふたりの証になるとどこからどこまでが間違いなのでしょう“思ったとおりに　かなえられてく”そんな未来予想図よそおい　線を消しては足して大丈夫とうなずいて信じるフリをして祈っていたんです選ぶことから逃げてきたわたしは大切な　最後の　時でさえ　ただ丸をつけることしか出来なかったあなたの正解になれなかった解き終えたふたりの問題集最後の答えが正しいといいねもう知らない　もう知らない新しいあなたの問題集他の誰かと解いていくのですねもう知らない　もう知らないこれからのわたしの問題集第一問：どうやって忘れようわからないよ　わからないよあなたの正解になりたかったあなたが正解でありたかった

みつばち

生きる道はふたつあったの強い誰かの背に乗ること自分自身が強くなることひとりぼっちの弱虫はひとり強くなったから守ることしかできなくなった守ることならできるようになった出来たての愛を毎日届けるよなんにも返さなくていいのあなたは生きていればいいのわたしがしあわせを運ぶからもしも心を傷つける誰かが近づいたならそいつを刺してわたしは死ねる“大切”だけで呼吸しているからあなたがわたしを前に進ませるよだけど吹雪で凍え付いて太陽に焦がされた羽はもうすぐ…。きっと　これで　最後だろうだけど　わたしは　悔やまないきっと　これが　最期だろうわたしは　愛に　迷わないきっと　これで　最後だろうわたし　怖くて　たまらないきっと　これが　最期だろうふたりで　もっと　生きたいよきっと　これで　最後だろうだから　わたしは　悔やまないきっと　これが　最期だろうふたりで　ずっと　生きたいよわたしは　愛に　迷わない

インタビュアー

心が言葉になるより早く涙になってしまうから話すのをやめたの本音が誰かに届くには世界は忙しすぎて聴いて聞いて訊いて利いて効いてそうやって今日を生きるでもどれだけ大人にいくつのビルに情熱 引き剥がされても愛の芯は手折らせない本音が世界に届くまで誰にも放さないから聴いて聞いて訊いて利いて効いてそうやって明日に願うきいて　本音をきいて　本音がきいて。

海へ向かう日

眩しい朝に抜け出したらなんだか涙が出たねふたりの弱さを束ねた杖でここまでやってきた若さしか取り柄のない私たちには今日を生きていいタダ券ばかりたくさんあるけど、どうする？朝闇と一緒にわたしたちも片付けて。「人生に要らないものなどない」という言葉を含め要らないものばかりたくさんあるけど、どうする？夜光と一緒にわたしたちも片付けて。声を売り飛ばして愛を買おうとした姫のように夢を売り飛ばして平凡が手に入ればな泡にだってなれるのに眩しい朝に抜け出したらなんだか涙が出たね海へ向かう日。

運命をください

桜の花びらが今　舞い落ちるだから何だっていうの耳をなでる歌に苛立ちましたかなしい　くるしい　さびしい誰かの肩に降りしきる大粒の正夢から守ることもできないくせに咲いて散ってまた咲いて　花満ちて欠けてまた満ちて　月吐いて吸ってまた吐いて　僕ただ生きているだけで君を許せるすべてになりたい人生のジョーカーを切ったあの人幸せも才能だと昔　誰かが言っていましたかなしい　くるしい　さびしいその肺を少し切ったら煮えたぎっている過去を逃がすことができればいいのに明けて暮れてまた明けて　空吹いて止んでまた吹いて　風吸って吐いてまた吸って　君ただ生きているだけでただ生きていることを　正しいと思える運命をください君に、僕に。

私が私でなくなれば

今日もたくさんの孤独を東京が連れてきた。わたしはあなたさえも救うことができずにその心の淵をもう何周したのだろう愛に満ちた心では最低に辿り着けないから愛を捨てました赤信号をふたりで渡ろう。今日もたくさんの挫折を東京が連れてきた。あなたがわたしだけに覗かせてくれた窓重いカーテンがピタリ閉まって何も見えない夢を叶えた体では最悪に寄り添えないから夢を捨てました未来に撥ねられても構わない。そんなふうに私が私でなくなればいい私が私でなくなればいい私が私でなくなればいい東京しか知らない私。今日もたくさんの孤独を東京が連れてきた長く生きたいと思うの。

タバコ

わたしたちの恋は一本のタバコ寂しさに火をつけて思い切り吸い込んだすぐにやめられると思ったの他人が顔しかめる一本のタバコ秒針を慈しみ灰を憎んで　抱いた愛の長生きなんていらない愛したい　愛されたいそんなことわからない吸って　吐いて　吸って　吐いてわたしたちは燃える誰に目隠しされても両耳ふさがれてもわたしは　あなたを　あなたは　わたしを吸い込んでしまうの明日がボロボロになってもいい指先、火傷するまでギリギリまで燃えるの吐いて　吸って　吐いて　吸ってわたしたちは果てるあいしたい　あいされたいそんなことわからないすって　はいて　すって　はいてわたしたちはもえるわたしたちの恋は一本のタバコ

タイムカード

ふぅーっと息を吐き出して土にたどり着いた最期のはなびらが春にタイムカードを切ったはぁーっと胸を白くして土にたどり着いた最期のひぐらしが夏にタイムカードを切った何度、愛が狂ってもわたしは壊れられないな季節みたいに季節みたいに季節みたいに生きているふぅーっと色を奪い去り目の前を焦がした最期の木枯らしが秋にタイムカードを切ったはぁーっと息を白くして家にたどり着いた最期の思い出が冬にタイムカードを切った何度、愛がちぎれてもわたしは巡ってしまうな季節みたいに季節みたいに季節みたいに生きている終わりは始まりだなんて誰かの嘘っぱちだったバイバイ　バイバイ　バイバイわたしとあなたはただのサヨナラだったよねわたしは壊れられないな季節みたいに季節みたいに季節みたいに生きているバイバイ　バイバイ　バイバイ春のタイムカードを切った。

青いバラ

あなたが好きな青いバラの花言葉あなたといると信じてしまいそうになる揺れるふたつの結末咲くのは「奇跡」の方だってどうしてそんなに笑えるのだって　わたし青　青　青　青　青に塗れて奇跡だなんて歌えないよ悲しい寂しい悔しい会いたい奇跡だなんて歌えないよだってあなたが好きな青いバラの花言葉本当はただの赤いバラを育てたかった受話器の向こう側で寝息を立てる互いの赤にねぇ、奇跡だなんて言えるの？だけど　わたし青　青　青　青　青に塗れて奇跡だなんて歌ってしまうよ愛しい恋しい苦しい会いたい奇跡だなんて歌ってしまうよだけどあなたはその手の中の小さな赤を潰せますかわたしはこの手の中のやさしい赤を潰せますかもしも奇跡が起きたならばはじめて青を見るみたいにきっときっと泣いてしまう青　青　青　青　青に塗れて簡単には戻れないよふたりはもう同じ香りあなたが好きな青いバラの花言葉あなたといると信じてしまいそうになる

つぼみの中で

いのちが芽を出してから背を伸ばしてゆくこころゆめ　こい　枝分かれして今わたし、つぼみの中花はいつか枯れるもの知っていたから知っているから同じいろの花同士風に揺れ　こたえ合わせ蜜も　香りも　持たずに今わたし、つぼみの中空と海が見つめあい青い永遠証明しても変わりゆく雲が真実だと思った。咲くことを選ばなかった花だって正しいつぼみもつけずに伸びる蔓だって正しい太陽へ向かうのを諦めた君だって正しいいのちは芽を出したらその日から正しいだけど、正しいって、さびしいな。いのちが芽を出してから此処にたどりついた蝶羽根を休め　言いましたつぼみの中のわたしに。花はいつか枯れるものけれどいのちは繋ぎゆくものけれどいのちは繋ぎゆくもの。変わりゆく雲はやっぱり真実か。いのちが芽を出してから背を伸ばしてゆくこころゆめ　こい　枝分かれして今わたし、つぼみの中愛が寝返りを打った。

駐車場

ねぇ、言葉も年をとるのね。「さようなら」がまだ「また明日」だったあの頃はもう思い出せないあなたの笑顔が消えないようにわたしの未来を塗りつぶすそんな愛だって覚えられるんだから明けない夜がないように終わらない朝はなかった止まない雨がないように永遠の青はなかった“何度だってやり直せる”そんな歌があったかなあなたの車で聴いた歌。ねぇ、言葉もズルくなるのね。「さようなら」がまた姿 変えて 胸を引っかくもうわかっているよその真っ白な夢のキャンバスをこの赤い愛で汚せないそんなわたしにだってなれるんだから「ごめん」「ありがと」「愛してる」本当の意味 知っている“諦めないで立ち上がれ”そんな歌があったかなあなたが来るまで聴いた歌。“何度だってやり直せる”そんな歌が流れているあなたの車で流れている流れている

僕の本当

「サヨウナラ」の欠片たちがざわめくこの部屋は　僕が出ていけば良かったな伝えたいことは伝わらないのに本当ではない気持ちばかり何故本当みたいに伝わるんだよ容れ物なんかいらない心だけになれたらいいのに窓の外　焦げた向日葵霧雨に濡れ　冷えてゆくまるで僕みたいだな中途半端にさ日々に流されて中途半端にさ涙　流せないあなたの心に向き合えなかった言の葉なんかいらない心だけになれたらいいのに心に　心が伝わればいいのにあなたに　心が伝わればいいのにあなたの　心が伝わればいいのにそうしたらさ「サヨウナラ」の欠片たちがざわめくこの部屋を　僕が出ていけない理由も伝わるのに　伝わるのにな。

雲を失くして

誰の幸せもどうでもいい朝ですハッピーエンドを終えた背表紙の中わたしは笑っているあんなに憧れていた空が今、ここにあるのよ一点の曇りもない青がからっぽで笑う何を急いでいたんだろう。誰の不幸せもどうでもいい夜です最悪の中にいるあなたが今度は歌でも歌えばいいあんなに憧れていた空が日常になったのよ一点の曇りもない青に涙はいらない何を焦っていたんだろう。たとえばあなたが小さなあの子を叱るような優しさ以外の愛をわたしは知らないけれどたとえばあなたが傷ついて傷つけて掴んだ温もり以外の愛をわたしは知らないけれどあんなに憧れていた空が今、ここにあるのよハッピーエンドを終えた青い背表紙でわたしは笑っている雲を失くして

各駅停車

土色の雪が すべて溶けたから 今夜、出かけましょう わたしの春はあなたにあげる 電車に乗ったここからは これまでのこと 忘れていてね お願い。 ひとつ駅でとまるたび 「正しさ」が舞い込んでも 移りゆく景色 あなたの瞳に 揺れる過去がいやだ わたしは横顔をみつめてる 愛と名付けたこの時が ニセモノだって ふたりのココは 本物。 ひとつ駅でとまるたび 「あやまち」が吹き込んでも 行き先を聞かないのは 行き先を言わないのは わたしたち、わかっているから 今夜限りの“わたしたち” ひとつ駅でとまるたび ひとり またひとり 降りて 誰もみな 間違わないで 生きているような 気がするね 劣等生な“わたしたち” 電車は走る、まだ走る わたしの終点はどこ 電車はとまる、またとまる あなたの終点はどこ 電車は走る、また走る わたしたちの終点は…

オセロ

結局、最後まで本物にはなれなかったな。でもあの日あなたがこの胸の片隅にただひとつ置いてくれた真っ白な“愛”は強かったね。傷偽り裏切り並べ尽くされてもただひとつのキスで全て真っ白になったの強かったよ。ああ　なにもかも　愛からできているものなんだってわたし信じて　信じたくていつも待っていたんだもの結局、最後まで偽物がわたしだったんだ。でもあの日あなたが美しい色眼鏡でわたしを騙してくれたからあんな汚れた世界で生きていられた。騙されていたわでも守られていたの結局、最後まで本物にはなれないけれど。でもわたしあなたにもう一度だけこの胸の片隅に真実を置いてほしいよ偽物でいい。一面真っ白に　真っ白な真っ白なドレスを着せてこれが本物だったと言ってほしいの偽物でいい。結局、最後まで本物にはなれなかったな。

迎えに来てよ。

いつでも戻れると思っていたひとりで此処まで来たんだもんどこまでも行ける気がしたんだもんこんなにたくさん道はあるのにどこにも行けない　身体ひとつ立ち止まり　振り返り　気づいてしまったのもう帰るための希望さえ残ってないんだってねぇ迎えに来てよ迎えに来てよ迎えに来てよ許してよ夢の代わりに、捨てた君。夢に目もくれず恋をしていたあの子たちが正しかったのかもそんなこと言いたくなかった夢なんか見なきゃよかったなんてそんなこと考えたくなかったなんて　考えるのも　疲れたの「ひとりで逃げたら　帰りもひとり」いつか映画で聞いたセリフが頭を巡るのはどうして？逃げたんじゃない逃げたんじゃない逃げたんじゃないけどもう、ひとりじゃ帰れないよねぇ迎えに来てよ迎えに来てよ迎えに来てよお願い愛の代わりの、夢は果て。口ずさみながら　進む道どこにも行けない　身体ひとつ迎えに来てよ。

あなたの迷惑

頬杖の奥には、うす曇りの放課後。普通になんてなりたくないと群青に砕けそうだった心をわたしの形に守ってくれたね大人になったらなんでもできると思っていたよ大人になったらなんでもできるようになったよもう、あなたには会えない。頬杖の先には、熱を帯びたPC。正しい街で正しく生きているわたしは正しいはずなのにどうして普通になれなくて涙が出るのあれからページをめくっても めくっても めくっても入ってこないの物語が 生きている意味がまた、あの日から読み返す。「あなたなら大丈夫」って「あなたなら大丈夫」って「あなたなら大丈夫」って言ってくれた。もう、わたしは大丈夫。もう、あなたには会わない。でも、あと一度だけあの日みたいに あの日みたいにあなたの迷惑になれたらいいのに。

君はどうする？

水平線の彼方に凍りついた青を聴いた空っぽの僕らだってきっと受け入れてくれるよやさしい海　つめたい海ねぇ、君はどうする？救われるってことを教えてあげたかった。花火に水を与えて暗闇を祝福もしたね本当はあの日だって逃げきれていなかったんだ星座からも　三日月からもねぇ、君はどうする？救われるってことを教えてほしかった。君はとってもダメだよね僕はとってもグズだよねでも、僕らどうする？渦巻く　渦巻く　渦巻く　さびしさのなかにまだ君はいるけれど助け出す勇気も　飲み込まれる覚悟もない僕は歩くことを選ぶ卑怯者。君のSOSはもう僕の美しい過去。僕のSOSはまだ君と共鳴しているかい？君のSOSはもう僕の残酷な本性。救われるってことを教えてあげたかった。救われるってことを教えてほしかった。だけどもう、僕は行くよ。ねぇ、君はどうする？

ここから。

たどりつけない場所。

いつのまに。