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カテゴリ:プロレス
~僕と馬場さんの勝手な連帯~ ●第3回 火事場の力 全日本プロレス福島大会 第1035回 2008年9月26日 1974年11月2日ジャイアントシリーズ第二弾福島大会はたいへんな幕開けだった。 11月とはいっても寒さが半端でなかった。 風も強い。 試合開始直後に会場の福島体育館向かいにある工業高校から出火。 私たち観客は秋の寒い会場で、震えながら恐怖の火事を見る。 11月では、外はあっという間に暗くなる。そこにあざやかな火の色だ。 あいにくの強風に学校は見る見る火に包まれていく。 大きな火の子が体育館の屋根を超して、陰の民家に降る。屋根に上って火の子を払はらう住人たち。その姿を見ながら、火事の恐ろしさと会場の寒さに震えてしまった。 「あっ馬場だ!!馬場が家財運びを手伝っているぞ」と2階席の誰かが叫ぶ。 何と馬場を先頭にレスラーたちは高校や民家の家財運びを手伝っていた。 外人選手のブラックジャックマリガンたちもまで。 火事が治まると市議会議長がリングに上がり、感謝の言葉をジャイアント馬場さんに述べる。 馬場さんはどうでもいいような顔して、リングの中から上半身をロープにゆだねた。 挨拶をしている議長にお尻をむける格好は、いかにも失礼に見えた。 意外な馬場さんを見せ付けられて僕はショックだった。 午後8時半をとうに過ぎてからのゴングだった。 この日は、ジャイアント馬場は、売り出し中のジャンボ鶴田と組み、キラーブルックス、ディックマードック組と対戦した。 この試合も、どの試合も寒さと火事の疲れのせいか、ファイトはいまいちだった。 10時過ぎに試合が終わる。 寒い会場から外に出る。焼けた臭いが漂う。 皮肉なことに外は火事の後だけに暖かい。 「来年も全日本プロレスをよろしくお願いします」 サムソンクツワダ選手だった。 体育館の出口で客の一人ひとりに挨拶をしている。 僕が、 「クツワダさん。がんばって下さい」 と言うと、両手で握手をしてきた。 柔らかい手だった。 「ハイ、ハイ……ありがとうございます」 このクツワダさんの挨拶で、馬場さんの市議会議長に対する失礼も、なかみの薄いファイトも許せるような気がした。 ~僕と馬場さんの勝手な連帯~ 第3回 火事場の力 全日本プロレス福島大会 「山形マンガ少年」まとめてご覧いただけます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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