昨夜の読書
知人より借りていたので「早く返さなきゃ」と急いで読む。サッカー選手・長谷部誠の『心を整える。』。少し前に話題になった一冊です。借りる際に言われたことは「若い人たちがこれから生きるためのヒントになるような内容よ。私らには遅すぎたかも(笑)。でも、サッカー選手の考えてることや監督との関係など、プロサッカー選手の日常を垣間見れておもしろい」。はー、なるほど。そんな感じの内容です。長谷部選手が驚くほど冷静で思慮深く、アグレッシブな面も備えていることに「だからこの人がゲームキャプテンなのだな」と納得。読書家でもあり、影響を受けた本なども紹介されているのですが、メンタル面に作用するようなものが多く自然とリーダー教育を受けてるといいましょうか。スポーツ選手というよりまるで若き実業家のようでもあります。自分の置かれた立場を冷静に分析し、望まれることを成し得ようとする。まだ人の目を意識しすぎな感じも見え隠れしましたが、そりゃだってまだ彼は若い!日頃の読書から培った賜か、元々の彼の資質なのか、学生さんや若いビジネスマン、これから経営をという人にはちょうどいい自己啓発の本に仕上がっています。あ、今年沸きに沸いたアジアカップの裏話など、サッカー本としてもおもしろいですよ。他の選手の知られざる素顔や監督の性格など、へぇーと楽しみながら読めます。先日から読んでいてなかなか読み進められなかった村上和雄・棚次正和の『人は何のために「祈る」のか』。科学者と宗教学者の共著で、遺伝子と祈りの関係性を解き明かすものと期待していたのですが、まだ祈りの科学的研究は始まったばかり。アメリカでの研究内容などを紹介しながら展開されるものの、まだこの分野は試行錯誤の段階なのでしょう。もう少し解き明かされていけばデータ的なものも出てきて、ユニークな科学研究としてのカタチを成すかに思えますが、一般の目には祈りは希望的な感覚としてしか受け取れないかも。それでも、祈りを宗教の特権としてとらえず、人間がDNAの中に持つ自然なものとして認識でき、特に日本人が祈りと密接に関わってきた民族ということに気づかされました。今の時代には大切なこと。科学的に実証されるのはまだまだ先としも、祈りの力を素直に信じて一人ひとりが祈り続けることには意味あることに思えました。